【上海ショウ】中国の最新ネットワークオーディオ事情&気になるアクセサリーたち
栗原祥光上海のオーディオショウでは、日本では見たことがないネットワークプレーヤーをいくつか見かけた。その最新情報と、気になるアクセサリーやレコードクリーナーなど、日本未上陸の製品情報をお届け!
MYMEI - タッチパネル搭載のネットワークプレーヤー
会場の様々なブースで見かけたのが、深センに拠を構えるMYMEIのネットワークプレーヤーだ。
ハイエンド向けという「DMP60」は、エバーソロのような液晶タッチスクリーンを有したネットワークプレーヤー。背面に3.5インチHDD用のスロットが用意されており、ローカル音源も再生可能な模様。DLNA再生にも対応しているようだが、会場のネットワーク環境を不安視してか、内蔵HDD音源によるデモンストレーションをよく見かけた。
AudioOnes - 電源別筐体の本格プレーヤー
CD需要の高い中国のオーディオ市場だが、ネットワークプレーヤーについても先鋭的な取り組みがなされているようだ。AudioOnes「Symphony No.7」も、そのような新たな市場の需要に応じて誕生したハイエンドプレーヤーだ。
タッチスクリーンどころか、表示パネルすらない本機。下段はDA変換回路用の電源部、上段にコントロール電源部と制御部、DAコンバーターが詰まっている。完全バランス回路/左右対称設計を謳っているほか、DA変換回路はディスクリート構成の模様。残念ながらその音を聴く環境ではなかったが、内部のコンストラクションを見る限り、音質にも期待できそうだ。
エバーソロ - トランスポート「T8」が年末に発売予定
Androidを搭載したネットワークプレーヤーが日本でも人気を集めるエバーソロ。同社からは「T8」というモデルの試作品が展示されていた。担当者によると、ハイエンド・ストリーミング・トランスポートだそうで、様々な出力を用意し、お気に入りのDACが使えるとのこと。入力にはRJ-45のほか、SFPポートにも対応しているという。発売は年内を予定しているそうだ。
Oblitz - コンパクトで静粛なレコードクリーナー
中国でもレコード再生は人気のよう。会場にはフォノカートリッジやプレーヤーの姿を散見したが、その中で気になったのがOblitzのレコードクリーナーだ。
昔のキース・モンクスのように、レコードと吸引部の間に糸を接触させて吸引するタイプのレコードクリーナーだ。クリーニングに時間がかかるほか、クリーニング液だけでなく替えの糸が必要などランニングコストは悪いものの、担当者によると動作音は45dBと、数多あるレコードクリーニングマシンの中でもトップレベルの静粛性を確保。深夜に愛聴盤をクリーニングできるメリットは計り知れない。ちなみに担当者によると「日本で売るとしたら20万円くらいになるだろう」とのことだ。
Entreq - 中国で人気の“黒ネズミ”
日本では仮想アースで知られるEntreqのブースで、謎の置物を発見した。
黒いネズミの形をした「Vibbeaters」は、スピーカーやアンプの上に置くことで振動と電磁波などを吸収するというアクセサリー。内部には金属粉が入っているそうで、中国で人気のアクセサリーだそう。スピーカーの上にちょこんと座る姿をみるにつけ、愛着と興味が沸き、思わず購入しそうになったのだが、いかんせん重くて断念。日本での販売を期待したい。
Eleven Audio - 新しいDC-DCコンバーターに注目
業務用機器のマネジメントを手掛けたエンジニアによるヘッドホンアンプやDAコンバーターで注目を集める台湾のEleven Audio。
「Volt Celo」はコンパクトなDC-DCコンバーター。NASやルーター、ハブなどネットワークオーディオには福音になりそうなアイテムである。入力はACアダプターのほか、USB-Cにも対応しているのがポイント。実際にヘッドホンアンプで試したところ、クリアネスが向上したほか、低域方向にレンジが伸びたような効果が得られた。日本で発売するなら5万円程度とのことだ。
ABYSS - ゴツい開放型ヘッドホンに痺れた!
上海インターナショナルオーディオショウでは、ヘッドホンブースも設けられていた。その中で驚かされたのが、米ABYSSの開放型ヘッドホン「AB1266 Phi TC」だ。
ゴツい見た目に加えて、日本円で約90万円というプライスにも驚いた。その音だが、開放型でありながら、低域の音圧とレンジに驚嘆。見た目に反して側圧は弱めで、メガネをしても耳やこめかみが痛くなりづらいのも◎。
他にも欲しいアイテムを多く見つけた上海インターナショナルオーディオショウ。再び日本で会える日があるだろうか、その日を心待ちにしたい。