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公開日 2026/07/03 06:45
開発の裏側を本国幹部に訊く

ハイセンスがRGB MiniLEDテレビを業界最速で市場投入できた理由。他社製品や有機ELに対する優位性とは?

編集部:小野佳希


RGB MiniLEDバックライトを搭載した4Kテレビを他社に先駆けて市場投入し、日本でもフラグシップ機“RGB UXSシリーズ”を始めとする各モデルを展開するハイセンス。


同社はなぜRGB MiniLEDテレビに注力するのか。同社製品と他社製品との差別化ポイントは何なのか。有機ELテレビと比べての優位性はどこにあるのか。同社幹部に話を訊いた。


「ハイセンスは業界の最先端を走るトップブランドになった」


まず、RGB MiniLEDテレビとは、各バックライトユニットに独立制御可能な赤・緑・青(RGB)のLEDを搭載する方式のこと。通常の一般的な液晶テレビのバックライトは1色のみだが、これを、光の三原色である赤・緑・青に増やして光源そのものから色を生成することで、より豊かで正確な色表現を実現できる。


ハイセンスのRGB MiniLEDテレビでは、BT.2020色域を100%カバーするほか、Pantone認証も取得。また、第三者認証機関TÜV(テュフ)による低ブルーライト認証も取得していることに加えて、フリッカーフリー技術にも対応している。


さらに、従来のMiniLED比でエネルギー効率が約40%向上。より自然でリアルな映像表現と快適な視聴体験を実現できるようになったという。


また、ハイセンス グローバルマーケティングセンターの明 兆亮氏は、米国CTA(Consumer Technology Association)によるRGB LEDテレビの公式定義策定に同社が深く関わったことを紹介。



 ハイセンス グローバルマーケティングセンター 商品プロモーション&使用シーン運営部 部長 明 兆亮氏


RGB MiniLEDテレビにおいて「各バックライトユニットには独立して制御可能な赤・緑・青の3色LEDを搭載すること」というCTAの技術要件の策定にハイセンスが協力し、業界が概念的なマーケティング表現に依存するのではなく、本来のRGB MiniLED技術の価値に立ち返ることを推進してきたと説明する。


明氏は、「CTAがディスプレイの定義をメーカーと一緒に定めるのは世界で初めてのこと。量子ドット液晶テレビや有機ELテレビではこうした取り組みは行われなかった」とコメント。


「我々は、ただ製品をつくるだけでなく、業界の定義策定にまで関わるブランドになった。このことからも、ハイセンスが昔ながらのブランドという立ち位置から、業界の最先端を走るトップブランドに転換したことがわかっていただけるのではないか」とアピールした。


有機ELテレビとRGB MiniLEDそれぞれのメリット/デメリット


テレビには大きくわけて「液晶テレビ」と「有機ELテレビ」という2つの方式があり、RGB MiniLEDテレビは液晶テレビにおける最新テクノロジーのひとつ。



従来のMiniLED液晶テレビとRGB MiniLEDテレビのバックライト構造イメージ


一方の有機ELテレビについても、「素晴らしい技術だと理解している」と明氏はコメント。「特にコントラストに優れているし、薄型化もできる」と、有機EL方式のメリットに言及する。


しかし明氏は「有機ELディスプレイは物理的、また製品の性質として、大型化が難しい。生産コストも下げづらく、製品展開はハイエンドモデル中心にならざるを得ない。この10年から20年の間でのグローバルでの出荷台数もそれほど伸びているわけではない」とも説明。


「もちろん、有機ELは素晴らしい技術であり、今後もなくなることはないだろうが、幅広い人々のニーズを満たすことはできない」と指摘した。


ハイセンスがいち早くRGB MiniLEDテレビを実用化できた理由とは?


また、そのRGB MiniLEDテレビについては、ハイセンス以外のメーカーからも製品が市場投入され始めている。こうした点については『The Origin of RGB MiniLED(RGB MiniLEDの起源)』というキーワードを用い、他社に先駆けてRGB MiniLEDを実用化した点をアピールしていくとのこと。


では、なぜハイセンスは他社よりも早くRGB MiniLEDテレビの販売に漕ぎ着けたのか? その要因のひとつに、ハイセンスが事業の柱のひとつに掲げる積極的な事業買収戦略がある。


ハイセンスでは、LEDモジュール開発の大手メーカーであるチェンジライト(Xiamen Changelight 厦門乾照光電)を買収。同社をグループに迎えたことで早期に研究開発を行うことができ、他社よりも半年以上先行しての市場投入に結びついたのだという。



バックライトの違いを比較するデモ。左から、一般的なLED、RGB MiniLED、MiniLED


そして、こうしたMiniLEDチップの研究開発に加えて、レンズの工学設計も含めたバックライト全般をハイセンスは自社開発できる体制にあると説明。カラーマネジメントも含めて自社開発しているという。


また、明氏は「どんな製品でもそうだが、今までなかったものをつくると他社から真似される。そのなかで優位性を保ち続けるには研究開発に注力して最新のものを開発し続けることが重要だ」とコメント。


他社からもRGB MiniLEDテレビがいくつか登場してきているなか、違いを見せるべく研究開発を行っていることを紹介する。


そうした研究成果が形となったのが「Chromagic Technology(クロマジック テクノロジー)」と同社が呼ぶ技術群。


Chromagic RGBチップはBT.2020色域を100%カバーするだけでなく、発光効率も従来より120%向上。ブルーライトを50%低減したほか、15年以上にわたり安定した色性能を維持するとのこと。


高フォーカスレンズと拘ったRGB MiniLEDチップの配列により、ムラの少なくなめらかな高画質映像を実現するという「Chromagic 光学設計」も採用。


先進の3D LUT技術とRGB高精度制御、さらにプロアクティブカラーキャリブレーションを組み合わせる「Chromagic カラーマネジメント」などといった技術によって高画質化を図っている。


一方で明氏は、「RGB MiniLEDテレビでは高輝度であることや色が鮮やかであることが注目されがちだが、ハイセンスではそういった点をことさら強調するような訴求は行っていない」ともコメント。


「より自然でリアルな色彩、優れた省エネ性能、目にも優しいといった、ユーザーベネフィットという原点に立ち戻って製品づくりを行っている」と述べ、“技術によって生活をどう豊かにするか”を重視している姿勢も見せた。


なお、同社は1月にラスベガスで開催されたCES2026にて、RGBの3色に続く4色目のLEDとしてシアンを追加した「RGB MiniLED evo」および、同技術を搭載した「116UXS」を発表している。



 CES2026で「RGB MiniLED evo」を発表した際のプレゼンテーションの様子


明氏はRGB MiniLED evo搭載機の早期市場投入はもちろん、これに留まらず「例えば5色LEDであったり6色LEDであったりと、さらに色を増やして豊かさを強化していきたい。それをもって業界をリードしていきたい」と、さらなる将来も見据えていることを示した。

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