デビアレ、“明瞭度”を進化させた球形アクティブスピーカー「PHANTOM ULTIMATE」
2025/10/16
2025年10月に、フランスのテック・オーディオカンパニーDEVIALET(デビアレ)のCEOであるジャック・デュモン氏が来日。高輪ゲートウェイに昨秋オープンした大型商業施設「ニュウマン高輪」に誕生したデビアレのリアルショップを紹介するとともに、デビアレというブランドの目指すところについて、改めて教えてもらった。
ジャック・デュモン氏はこれまでにコーヒーメーカーのネスプレッソ、自動車メーカーのテスラ、時計メーカー・ティソなどの幹部を歴任したのち、2024年1月よりデビアレにジョイン。音楽とともにあるラグジュアリーなライフスタイルを重視する、デビアレの新たな戦略を牽引している。
来日は2度目だというジャック氏。日本市場への印象を尋ねると、「特にテクノロジーと音質へのこだわりが非常に強いですね」と敬意を示すとともに、「完璧な音を求める姿勢は、まさにデビアレが目指す方向性と一致しています。期待値が高い分、私たちにとっても刺激的な市場です」と強い期待ものぞかせる。
デビアレは以前銀座SIXに店舗を構えていたが、2025年頭にそちらを閉店し、9月から高輪ゲートウェイに新店舗をオープンした。その理由について、やはり“トレンドの発信地”であることを重視するとともに、音楽とライフスタイルを重視するデビアレのDNAと共鳴するところがあったと語る。
「私たちはラグジュアリーでありながら、ライフスタイルにも寄り添い、なおかつ最高水準の音質を提供する。その世界の間に立つ存在でありたいと考えています」。
音は実際に体験しないと分からないからこそ、リアルショップでの体験の場が不可欠だ。高輪ゲートウェイのお店をファースト・タッチポイントとして、デビアレの世界観をより広げていきたいとジャック氏は目を輝かせる。
特にラグジュアリーに強い関心を持つZ世代へのアプローチに意欲を燃やす。店頭には、Bluetoothスピーカーの「DEVIALET MANIA」や完全ワイヤレスイヤホン「Gemini II」など、手に届きやすい価格帯の高音質プロダクトも用意。さらに、サウンドバーの「DEVIALET DIONE」やアクティブスピーカー「PHANTOM ULTIMATE」など、本格オーディオシステムの音も体験できる。
見かけの美しさだけではなく、テクノロジーに軸足を置くこともまたデビアレの思想の根幹にある。
「デビアレは、15年以上前から技術革新を核にしてきました。新しい技術や特許を生み出し続けなければ、市場から取り残されてしまいます。特に若い世代の顧客は、新しい価値や革新性を求めています。そこに応えることが重要です」
現在の社員は約260名。そのうち60名がエンジニアで、パリ中心部に拠点を置いて研究開発を進めているという。
特にADH(アナログ・デジタル・ハイブリッド)やSAM(スピーカー・アクティブ・マッチング)など、最新デジタル技術を活用したオリジナリティあふれる音質技術は他社の追従を許さない。
最新のアクティブスピーカー「PHANTOM ULTIMATE」のこだわりについても教えてもらった。2015年に登場した「PHANTOM」の後継機となるが、あえて外観形状は大きく変えず、内部回路を大幅アップデート。
「この形は音響的に最適であるとともに、デビアレを象徴するシェイプと言えます。いわばポルシェ“911”のような存在ですね」
4つの新しい特許技術を活用し、より明瞭さや解像度を向上させたスピーカーになっていると胸を張る。
日本ではまだ試聴の機会は少ないが、実はカーオーディオへの展開にも力を入れている。ブランドの体験の場として未来の可能性を感じており、フランスのアルピーヌや、中国のDenzaといったプレミアムカーブランドとパートナーシップを提携。“クルマの中のオペラハウス”を狙った音質設計を行なっているそうだ。
最後に日本のオーディオファンにメッセージを。
「日本の皆さんは、美しく、コンパクトで、高品質な製品を本当に理解してくださる方々だと感じています。デビアレはこれからも革新を続け、次の世代へとつながるブランドでありたいと願っています」
独自の技術でオーディオの未来を切り開く、デビアレの今後の展開にも期待したい。