ウーファー・台座・ネットワークをさらに改良

B&W「800 D3」は11月発売で約425万円/ペア。 “802 D3をさらに進化させた”旗艦スピーカー

2016/09/09 編集部:小澤貴信
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ディーアンドエムホールディングスは、同社が取り扱うBowers & Wilkins(B&W)のフラグシップスピーカー「800 D3」を11月に発売する。価格はローズナット仕上げが2,125,000円/1本、ピアノブラック仕上げが2,250,000円/1本(いずれも税抜)となる。

「800 D3」

日本国内ではローズナットとピアノブラックの2色を展開

本機は昨年2015年に発表されたB&Wの新旗艦スピーカー「800 D3シリーズ」(関連ニュース)の最上位に位置するスピーカーシステム。本機以外のスピーカーは昨年に発表・発売され、最上位の本機のみ追っての発表になるとアナウンスされていた。今回、これが正式発表され、全貌が明らかになったかたち。

昨年発表された800 D3シリーズ。左から802 D3、803 D3、804 D3、805 D3

本機は3ウェイ・バスレフ型スピーカー。スピーカーユニットの構成は、25mmダイアモンド・ドームトゥイーター×1、150mmコンティニュアム・コーンFSTミッドレンジ×1、250mmエアロフォイル・コーン・ウーファー×2となる。トゥイーターとミッドレンジは同シリーズの「802 D3」とまったく同じだが、ウーファーの口径が802 D3が200mmなのに対して、800 D3は250mmとなる。

サイズは413W×1,217W×611Dmm、質量は96.0kg(1本)。802 D3は外形寸法が390W×1,212W×583Dmm/質量94.5gで、質量は1.5kgの差、筐体サイズも横幅で2.3cm、奥行きで2.8cmの拡大にとどめた。同社は「高さも質量も802 D3とほとんど同じ」と紹介している。

800 D3(左)と802 D3(右)

800 D3シリーズは、従来の800 Diamondシリーズから、ダイアモンド・トゥイーターを除くほぼ全てを刷新したが、その点は「800 D3」も同様だ。ミッドレンジには従来のケブラーコーンに替えてコンティニアム・コーンを採用。エアロフォイル・コーンによるウーファー、アルミ製のミッドレンジ用ハウジング“タービンヘッド”、アルミ無垢削り出しのトゥイーター・ハウジング、連続曲線を描くリバースラップ・キャビネット、マトリクス構造の内部補強などを、802 D3以下のモデルと同様に採用する。

他の800 D3シリーズと同様に、ダイアモンド・トゥイーターをのぞく“ほぼ全て”を刷新

しかし、プレス向け発表会に登場した澤田氏は本機について、「シリーズ最大ということにとどまらない、802 D3をさらに進化させたモデル」と形容。昨年発表の800 D3シリーズ(802 D3以下のモデル)からの主な改良ポイントとして「ウーファーの改良」「ベース部(台座)の変更」「クロスオーバーネットワークの音質部品のグレードアップ」を挙げた。

澤田龍一氏

「これら改良が施された800 D3は、802 D3などに比べてどうなったのか。彼らが説明してくれます」という澤田氏の言葉のもと、発表会では開発に携わったB&Wのスタッフによるコメントを収録したビデオが度々流された。その中でトランデューサー・エンジニアのジョージ・ウィーバー氏は「低音域から中音域にかけて、(800 D3は)802 D3と比べても飛躍的に音質が向上しました」とコメントしていた。

トランデューサー・エンジニアのジョージ・ウィーバー氏は「802 D3と比べても飛躍的に音質が向上した」とビデオを通してコメント

以下に、800 D3の詳細について紹介していく。

エアロフォイル・コーン採用のウーファーをさらに改良

800 D3の音質を決定付ける最も大きな要素が、改良されたエアロフォイル・コーン・ウーファーだという。「エアロフォイル・コーン」は、同シリーズの802 D3/803 D3/804 D3にも採用されている。このエアロフォイル・コーンは、潜水艦の内壁などに使われる特殊な樹脂素材(シンタクティック素材)を用いるとともに、コンピューター解析で最適な形状を算出。コーンの厚みに変化を持たせることで、必要な位置に最大限の強度を確保している。

800 D3では、このエアロフォイル・コーン・ウーファーのセンターキャップ、磁気回路、サスペンション、コーンをささえるダンパーなどが改良された。

さらなる改良を加えたエアロフォイル・コーン・ウーファーを搭載

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