新方式を採用したニューフラグシップ

SHURE、初のコンデンサー型イヤホン「KSE1500」。8年かけて開発

公開日 2015/10/22 14:00 編集部:風間雄介/ 小澤麻実
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SHURE本社から開発担当者が来日


ショーン・サリバン氏(左)とマット・エングストローム氏(右)が来日し、プレゼンテーションを行った
発表会には米SHURE本社から、カテゴリーディレクター(ワイヤードマイクロホン/イヤホン/ヘッドホン)のマット・エングストローム氏、プロダクトマネージャー(イヤホン/ヘッドホン)のショーン・サリバン氏が来日。新製品について説明した。

マット・エングストローム氏は、SE846以来の発表会を東京で開催されることにエキサイトしている、とコメント。「実はSE846よりもっと前から開発に着手していたが、最初の数年間は社内でもその存在は極秘扱いだった。というのも、特許出願のこともあるし、『これなら量産に足る』というクオリティまで引き上げてからでなければいけないと考えたから。KSE1500は、私がSHUREに在籍した17年の歴史の中で、最も開発に時間がかかった製品だ」と、登場までの秘話を披露した。

マット・エングストローム氏

つづいてショーン・サリバン氏は、2007年の開発以来、様々な経緯ののち実現にこぎ着けたことを説明した。

ショーン・サリバン氏

同社のエンジニアが2007年にコンデンサー型マイクの技術を応用した試作品を作ったが、外見は洗練されておらず装着感も悪かった。ただし音を聴いてみると、その音のポテンシャルをすぐに認識。「クリアしなければいけない問題が山積みで、大変な作業になることは最初から分かっていたけれど『これはやるべき』とみんなの意見が一致した」ため、開発に取りかかったのだという。

開発過程で作られたプロトタイプたち。写真中央が、第一号のプロトタイプだ

静電型のダイヤフラムは大変小さいぶん、難点もあったという。「振動板が小さいぶん、アッセンブリ時の許容値が非常に小さい。それに振動板とそれを挟んでいる両側の固定極板の隙間は0.02インチ。人間の髪の毛の直径の約半分ほどしかない。この二点が、コンデンサー型製品を小型化するのが難しいと考えられていた大きな理由だ。しかしSHUREは90年の歴史のなかでトランスデューサーやイヤホンなどを作ってきたノウハウと技術の蓄積があった。我々ならできる、と信じて頑張ってきた」と語っていた。

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