公開日 2022/10/01 07:00

祝AirPods Pro“うどん”継続!装着しやすく操作性◎「スティック型」完全ワイヤレスを私は推します!

[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第268回】

うどん型の魅力は装着と操作のわかりやすさ!



では、現在でも「スティック型ならでは」「スティック型を採用するのはこのため!」と言えるような強みは何だろうか?

筆者の考えでは、大きなものとしてはこの二点だ。
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1)装着時、スティック部分がガイドになって正しい装着ポジションに自然と導かれ、スティック部分が耳のくぼみにハマることで装着が安定する。
2)操作用タッチセンサーの搭載場所をスティック部分にすることで、操作時はどこをタッチすればよいか、誤動作を避けるにはどこに触らないようにすればよいかなどをわかりやすくできる。

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スティック型はまず、「後頭部側\顔側」のようにスティック部分が前方斜め下あたりを向く特定の装着ポジションに合わせないと、スティックが耳のどこかに当たって邪魔になり、まともに装着できない。

かといって装着しにくいわけでもない。スティックがあることで手探り装着時もイヤホンの向きや耳への当たりがわかりやすく、それがガイドになり、スティックがピタッとハマる正しい装着ポジションに装着しやすい。

スティックによって「正解ポジション」に導かれる

そしてそのポジションにハマればイヤホン本体やイヤーピースに加えてスティック部分でもポジションが支持され、装着はグッと安定する。

装着しての使用中においては、タッチセンサーによる操作のしやすさがポイント。スティック型では、そのスティック部分にタッチセンサーが搭載されている製品が多い。

言うならば「本体的な部分とタッチ操作部分が分割された形状」になっているわけだ。おかげで「操作時はどの部分をタッチすればよいか」「誤動作を避けるにはどの部分に触らないようにすればよいか」がわかりやすい。操作するときはスティック部分をタッチし、着け外しのときなどはスティック部分をできるだけ避けてつまめばよいわけだ。

JBL Live Pro 2 TWSはスティックの上半分くらいのみがセンサー反応部にされており、下半分は装着時などにつまんでも誤動作しにくい

スティックならではの操作性の面で特に秀逸なのはやはりAirPodsシリーズ。AirPods Pro以降の世代のモデルは、スティック部に単なるタッチセンサーではなく感圧センサーを搭載し、「スティック部分を指先できゅっとつまむ」という操作方法を採用している。触れただけでは反応しないため誤動作はほとんど起きないし、スティック型だからこそ「つまむ」という動作にも不自然さがなく操作しやすい。

またAirPods Pro 第2世代に追加されたタッチスワイプでの音量調整操作。これも「スティック型だからこそ、上下スワイプ操作しやすい長細い操作スペースも容易に確保できる」という背景もあっての採用と推察できる。

AirPods Pro第2世代では赤丸のくぼみ部分のスワイプ操作で音量調整が可能になる模様(写真は第1世代モデル)


うどん型の弱点は強みの裏返しで装着ポジション問題



ここまでが筆者の考えるスティック型、うどん型の強み。

しかし、もちろんスティック型にも弱点はある。完全無欠ではないからこそメーカーは他のスタイルの製品も作り、ユーザーはそれぞれ好みに合わせて選んでいるのだ。

では「スティック型の弱み」とは何か?ひとつ挙げておくとすれば、「装着ポジションが決め打ちされているので、そのポジションがしっくりこないユーザーには決定的に合わない場合もある」だ。これは「スティック部分がガイドになってくれて装着ポジションがわかりやすいしポジションの安定性も高い」という強みの裏返しでもある。

スティック型はそのスティックが耳のくぼみにハマることで、耳の穴に対する装着角度的なところがほぼ決め打ちになる。そしてその角度はおそらく、体格や人種や個人差など様々な要素を考慮した上で、大多数のユーザーに問題なくフィットする平均値や公約数的なところに合わせられている。

ということは、耳のくぼみと耳の穴の位置関係が平均から大きく外れているユーザーの耳には合わない。しかも装着ポジションが決め打ちされているので、そのポジションで合わないからといって動かして調整するのも難しい。

となれば「スティック型ぜんぜん耳にフィットしてくれないんですけど」「AirPodが装着感良好とか言われているの意味わからん」みたいなユーザーの感想や意見もまた真なりというわけだ。

うどん推しの同志を求む!



そんなわけで、体の相性的に「スティック型無理……」な人もいる。誰も彼もにスティック型を推しつけるわけにはいかないのも事実だ。

しかしこの記事を通して、スティック型・うどん型の利点や魅力に気付いた!再認識できた!という方もいてくれたらなら嬉しい。あなたがうどんのよさに気づき、使い始め、使い続けてくれたなら、メーカーもうどんを提供し続けてくれるはず。そうなれば僕もうどんを使い続けられるのだから……

推しに活動継続してもらうためには、推しを共に推す同志たちが必要なのだ。


高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。


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