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いまアナログレコードの「モノラル再生」が熱い! その魅力を徹底解説

公開日 2026/05/28 06:30 炭山アキラ
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オーディオは実に奥深く、様々な要素が音に影響してくる。だからこそ楽しい趣味なのだが、初心者のうちは分からないことも多く、また熟練したファンであっても、詳しいことは意外と知らないなんてことがあるのではないだろうか。

そこで、オーディオ買取専門店「オーディオランド」のご協力のもと、オーディオにまつわる改めて知りたい基礎知識を炭山アキラ氏が解説する。本項では、近頃人気のある「モノラル再生」について紹介しよう。

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ステレオのレコードが初めて発売されたのは、今から70年近く前の1958年のこと。もちろんそれまでは、レコードはすべてモノラルだったわけだ。

それ以前から、一部のレコード会社で試験的にステレオでの収録は行われていたが、例えば伝説の名指揮者ヴィルヘルム・フルトヴェングラーの作品には、1枚もステレオ音源が遺されていない。時代がもたらした偶然といえばそれまでだが、おかげで、いくばくなりとも現代のクラシックファンに聴かれにくくなっているのではないかと、残念に感じざるを得ない。

そういう往年の演奏法や時代の空気感を封じ込めたモノラルレコードは、もちろんクラシックのみならず、ジャズにもポップスにも膨大な数が存在している。

特にジャズは、一つの黄金期が1950年代にあり、それがちょうどモノラルLP時代と重なるので、当時のレコードが珍重され、復刻盤も数多くリリースされている。

そして、そういうレコードたちを、より好ましく再生するために奮闘するオーディオマニアが、このところ数を増やしてきている。

もしあなたがステレオでオーディオシステムを整えていらっしゃるとしたら、そのままでモノラルのレコードを楽しむことは可能だ。ステレオのレコードとカートリッジが開発された際、モノラルレコードとの互換性が厳密に定められたからである。

しかし、モノラル再生にこだわり始めると、モノレコードはどんどんその魅力を増してくる。順を追って解説しよう。

モノラルとステレオの違い

モノラルレコードを聴くために、通常のステレオシステムから第一歩を踏み出すなら、どこがいいのか。諸説あるが、私はまずモノラル専用カートリッジを導入することを薦めたい。説明すると長くなるから別稿に譲るが、ステレオカートリッジでモノラル盤を再生すると、モノラル専用カートリッジで再生するよりノイズが激増することが多いからである。

しかし、モノラルカートリッジといってもいろいろな方式があるから、注意が必要だ。モノラルレコードは、横方向にしか溝が切られていない。それで最も原初的なモノカートリッジは、横方向にしか針先が動かなかった。現行品でこの方式を今に残すのは、オルトフォンの「CG 25 Di MkII」が挙げられる。

「CG 25 Di MkII」 オルトフォンより

一方、ステレオレコードは左右の斜面にL/Rの音楽信号が刻まれているので、結果的に縦方向へも針先は動くこととなる。つまり、横方向にしか針先が動かないカートリッジでステレオレコードをかけると、音溝が損傷してしまう可能性が高いのだ。

それで、ステレオ時代になってから開発されたモノカートリッジは、左右方向の振動でしか発電しないが、上下方向にも動きを許容するものが普通となった。これならステレオレコードをモノラル再生しても、音溝を傷めることがないから安心だ。

レコードにおけるモノラルとステレオの違い

また、ステレオカートリッジは0.5 - 0.7milの針先が主流だが、モノラルレコードはステレオ盤より音溝が太く深いので、1mil程度の針先の方が相性がいいという考え方がある。それで、針交換可能のステレオカートリッジに1milの針先を持つ交換針を装着することにより、モノラル盤へ対応させたカートリッジというのも存在する。

モノラルの魅力

こういう製品でモノラル盤をかけると、モノラル専用発電回路を持つ製品よりもノイズが大きくなる傾向があるが、その半面、ステレオ盤をモノラル針の太くパワフルな音でステレオ再生できる、という利点もある。

なお、ステレオ時代になってから復刻されたモノラルレコードは、ステレオと共通のカッターヘッドで溝が切られているから、オリジナルのモノラル盤より音溝は浅い。

しかし、そういう盤でも1milの針先を使うと、往年のモノラル盤を彷彿させる音の太さや実体感が得られることが多いものだ。若干歪みっぽくなってしまうことなどもあるから100%とはいえないが、一度試してみる価値はある。

ステレオカートリッジでモノラル盤を再生する場合、もしあなたがお使いのアンプにモノラルスイッチが装備されているなら、それを押してみよう。モノラル盤から一気にノイズが減り、音楽がよりストレートに耳へ届くようになることへ気付くはずである。モノラルスイッチがない場合に同じような効果を得たいなら、その時こそモノラル発電回路カートリッジの出番だ。

モノラル音源を再生する時も、多くの人はステレオのスピーカー2本で再生なさっているのではないか。一度バランスコントロールでどちらかのスピーカーの音を絞り切り、スピーカー1本で聴いてみてほしい。一気に音の濁りやにじみが失せ、音楽の立ち振る舞いが変わることに気付かれるはずだ。もちろんスピーカー2本の間にモノラル信号はセンター定位するのだが、やはり相互干渉は避けられないと考えてよい。まぁ九牛の一毛と考えるか、見逃せない違いと考えるかはあなた次第だ。

この路線を突き詰めると、アンプも1chでスピーカーも1本、それでモノラル時代のヴィンテージ機器をそろえるという道が広がっている。そういう意味では、モノラル再生は途方もなく奥が深い世界といってよいだろう。

ここまではもっぱらレコード再生について語ってきたが、CDやハイレゾでモノラル音源を聴く場合でも、モノラルスイッチの活用やスピーカー1本再生は有効だ。この場合モノラルスイッチは、スピーカー2本で聴く時でも若干ながら定位を安定化する働きがある。お使いのアンプにその装備があれば、一度試してみて損はないだろう。

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