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公開日 2015/07/07 16:23

テレビ以外もあらゆる家電を1台で操作。ソニーの新コンセプト学習リモコンの正体に迫る

<連載:折原一也の“いまシュン!”ビジュアルプロダクト>
折原一也
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ソニーの新規事業部創出部が、全く新しいリモコン「HUIS REMOTE CONTROLLER」を開発している。7月1日にソニーからリリース発表が行われた新規事業創出サイト「First Flight」(関連ニュース)に関する情報のなかで初めて耳にした人も多いかもしれない。

HUIS REMOTE CONTROLLER

スマートフォンのような外見で電子ペーパーデバイスを全面に採用したソニーの「HUIS REMOTE CONTROLLER」は、同社のクラウドファウンディング支援サイト「First Flight」で500万円の目標額を目指してプロジェクトへの出資募集が7月1日より始まっている。本記事をまとめた7月6日の時点で、既に出資額は1,000万円超。受付からわずか1日半の7月2日12時の時点で既に目標額を突破しているのだから、その注目度の高さは指折りという訳だ。

実はこの「HUIS REMOTE CONTROLLER」の企画については、以前から僕自身も何度かソニーを訪れ、プロジェクト代表の八木隆典氏を始めとしたメンバーの面々と、実働する試作機や様々なプランについてのデモを交え商品の目指す方向性についてのコミュニケーションを交わした、思い入れのあるものだ。

プロジェクト代表の八木隆典氏

そんな「HUIS REMOTE CONTROLLER」について、公開済みの情報と今後アナウンスされるであろうコンセプトの方向性も含めて、僕なりにその面白さを伝えたいと思う。

■従来の「学習リモコン」とは一線を画す新コンセプト製品

まず、「HUIS REMOTE CONTROLLER」とは何かと聞かれれば、現在の呼び方では、やはり「学習リモコン」と呼ぶのが最も分かりやすい。ただし、ソニーの新規事業創出部は既存のソニーの事業部で扱う製品は対象外となるため、一般的な学習リモコンとは目指すところが異なっている。

ソニー本社内にある「Creative Lounge」が新規事業部創出部の活動拠点となっている

プロジェクトを牽引する八木隆典氏によると、その想いは「家のUIを進化させたい」というもの。黒モノ白モノ含めて赤外線リモコンを採用している製品であれば、基本的には本機1台ですべてを操作できるようになる。

「HUIS REMOTE CONTROLLER」は表示デバイスに全面電子ぺーパーを採用し、フリック操作で画面を切り替えて使えるというもの。操作の対象となるのはテレビやBDプレーヤー/レコーダー、AVアンプ、STB、プロジェクターといったAV機器に加え、照明器具、さらにそれ以外の家電も自分でカスタマイズして登録も可能だ(対応するメーカーはこちらを参照)。

薄型テレビやBDプレイヤー、ホームシアターシステム、照明機器をコントロールするデモ

なお、モノとしての「HUIS REMOTE CONTROLLER」の佇まいもユニーク。ホワイトのカラーで自立するリモコンは手に取ると軽く持ちやすい。

「HUIS REMOTE CONTROLLER」の試作機

こう説明しても「ああやっぱりよくあるホームシアター用の学習リモコンなのね」と思う方もいるかもしれないが、何度か触れているように「HUIS REMOTE CONTROLLER」は電子ペーパー搭載によってカスタマイズ(しかも既存の電子リモコンよりはるかに多彩な)が可能な点が大きな特徴。PCブラウザやアプリを通して自分好みのボタンレイアウトを作り、好みの機能を登録できるのだ。しかも、追加できる機器のページ数はメモリの許す限り無制限だ。

TV用、カスタム用などフリックで表示を切り替えられる

事前のヒアリングの際に、キャラクターなどのデザイン案と合わせて「折原さんならどんなリモコンレイアウトがあったら欲しいのですか?」と尋ねられたことがあった。その際に筆者は「学習リモコンのホームシアター機器は1カテゴリ1製品しか登録を想定していないけど、我が家にはBDレコーダーだけで4台以上ある。それらを全部切り替えて操作できるものが欲しい」とリクエスト。

事前コミュニケーション時のプロトタイプとデザインモック

すると、ボタンでメーカーを切り替え全機種操作できるリモコンのデザインラフを描いて見せてくれた。実際の製品や、各種設定用のソフトが動き始めれば、そんなカスタマイズもすぐにユーザー自身の手で出来そうな柔軟さを見て、これは面白い、AV機器マニア待望のデバイスだ! と思わず手を打った次第だ。

ユーザーがリモコンUIをカスタマイズ可能にする構想も当初から企画されていた

■Wi-Fi/Bluetooth操作と宅外からのリモート操作も構想に

もう2つ、公式発表には含まれなかった情報を共有しよう。

一つは「HUIS REMOTE CONTROLLER」とセットとなるクレードルが登場し、BluetoothやWi-Fiのインターフェースも提供されるということ。その目的は、海外先行で登場し始めているBluetoothやWi-Fiで操作するタイプの家電製品を操作できるようにするというものだ。デバイスの目的が「家のUIを進化させる」なのだから、赤外線以外以外の操作を前提とした機器にも対応する拡張性も考えられているのだ。

もう一つは、そのクレードルのWi-Fiを経由して、屋外から自宅内の赤外線機器をリモートで操作する機能も構想されている点。この目的は分かりやすいだろう。エアコンなど生活家電の信号を学習しておけば、ホームコントロールのような用途にも拡張できる。


冒頭にも説明した通り、「HUIS REMOTE CONTROLLER」は7月1日より新規事業創出サイト「First Flight」にて既に出資受付が行われ、1台25,000円で実機を入手可能な申し込みが今も可能だ。実際の発送は2015年12月以降予定とまだ先だが、既に試作機が動作しているのは筆者自身の目で確認済み。

「HUIS REMOTE CONTROLLER」の構想の大きさはもちろん、AVファンにとっても旬のビジュアルプロダクトを操作できる賢い合理的リモコンとしても有望。今から登場が楽しみなデバイスだ。

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