公開日 2013/01/10 12:15

【CES】DTS、ヘッドホンのバーチャル11.1ch再生「DTS Headphone:X」デモ

2013年よりコーポレートロゴに“LISTEN”の文字を追加
ファイル・ウェブ編集部:杉浦みな子
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
米国時間1月8日より開幕した「2013 International CES」。本記事では、DTSの出展ブースの模様をレポートする。ブースは木目調のシックなデザインを取り入れて“有機的”なイメージとしながら、「“音”が観ているものを変える」「音声の重要性」をどう効果的に伝えるかを意識したつくりとしている。

DTSブースの様子


「音がシーンを変える」をわかりやすく伝える展示。手元にあるタッチパネルで流れる音楽を切り替えると、前に掲げられているパネルのシーンが音によって全く違ったものに見えてくる
さらにブース内には特別な試聴室が設けられ、昨日発表されたヘッドホン向けの11.1chバーチャルサラウンド技術「DTS Headphone:X(関連ニュース)」の試聴デモが実施されている。デモではゼンハイザーのヘッドホンを使用し、DTS Headphone:Xの実力を来場者にアピールしている。

ブース内に設けられた特別試聴室。11.1ch再生環境が構成されている

デモで使用しているゼンハイザーのヘッドホン

DTS Headphone:Xは、DTSのサラウンドフォーマット「DTS Neo:X」と同じ構成の最大11.1chのマルチサウンドを、普通のヘッドホンでバーチャル再生できる最新技術。サウンドを「外面化」して再現することが特徴で、同社では「ユーザーはヘッドホンから音が鳴っているのではなく、あたかも自分の周りに11.1chのスピーカーが置かれているかのように感じる」ことをアピールしている。

なお今回のDTS Headphone:Xのデモでは、従来のDTS Neo:Xで左右ワイド方向に設置していた2chを省略し、通常の7.1ch環境にハイト4chを加えた構成の11.1chサラウンドが採用されている。

試聴室内は、DTS Neo:Xの11.1ch環境が構成されたシアタールームとなっており、まず最初に実際にスピーカーを鳴らして試聴。その後にヘッドホンを装着し、DTS Headphone:Xの技術を体験する。ヘッドホンでバーチャルサラウンドの試聴が始まると、来場者たちは何度もヘッドホンを外して周囲の音を確認する仕草を見せていた。皆一様に、周りに置かれたスピーカーからは音が鳴っておらず、ヘッドホンから高品位なサラウンド音が出ていることを確認して驚いている様子だった。

dts Japanの伊藤哲志氏によれば、このHeadphone:Xの技術は、現在国内メーカーに対してもアプローチを行っており、高い評価を得ているという。さらに、今後国内でもコンシューマー向けの体験会を行う予定とのことで、まずは2月に開催されるトヨタ・ビッグ・エアーでの公開を予定しているとのことだ。

また、ブース内では、AndroidデバイスからWi-Fi経由で、ロスレス信号をワイヤレス伝送できる「DTS Play-Fi」のイメージを具現化した展示も行っている。

「DTS Play-Fi」の使用シーンを具現化した展示も

1台のAndroidデバイスから、複数の部屋に置かれた対応機器に、同時に別々の音声ファイルを転送できることが特徴で、WAV/AAC/MP3などAndroidデバイスで再生できる音声フォーマットには基本的に対応しているという。同社では、Bluetoothより高音質な伝送が行えることも併せてアピールしている。

米国で展開されているPlay-Fi対応スピーカー

米国では既にスピーカーなど再生側の対応機器も展開しているが、伊藤氏によれば「現在、日本メーカーに向けても交渉が進んでおり、ポジティブなコメントが得られている」という。また、現在はAndroid版のみの提供だが、このDTS Play-FiのWindows版の提供開始が昨日発表された。さらに、iOS版の提供開始も今後予定しているという。

■DTSロゴに新しく“LISTEN”の文字 − 2013年はコンシューマーへのアプローチを強化

同社は2013年より、お馴染みのコーポレートロゴの下に「LISTEN」の文字を挿入したデザインを新しく採用している。

お馴染みのコーポレートロゴに新しく“LISTEN”の文字を追加

伊藤氏は「DTSが音の会社であることをわかりやすく表す狙いで“LISTEN”の文字を入れた。2013年はコンシューマーへの認知度を高めていきたい」と語った。2013年はDTS最新技術の体験会などを通しながら、コンシューマーへのアプローチを強化していく姿勢だ。

そのほか、サウンドバー向けのシステム「DTS Studio Sound」のデモも行われている


ブースでは今年も来場者にデモディスクを配布している

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX