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公開日 2006/04/12 16:46

マイクロソフト、eHOME戦略を加速 − 「Windows XP Media Center Edition」に新サービス

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メディアオンラインのトップ画面
マイクロソフト(株)は本日、Windows XP Media Center Edition に新サービスを追加することを発表。同社が推進する「eHOME戦略」に関する説明会を開催した。

Windows XP Media Center Edition は、2004年にファーストバージョンがリリースされた、リモコンでPC内の映像や音楽、テレビなどを簡便に操作できるOS。「10フィートUI」というコンセプトのもと、画面から離れても見やすいユーザーインターフェースが採用されている。昨年末には、ビデオや音楽、ショッピングなどのオンラインコンテンツを楽しめる「メディアオンライン」というサービスがスタートし、これまでUSENが提供する無料インターネットテレビ「GyaO」など6サービスが提供されてきた。

メディアオンラインのサービスは、基本的にはインターネット上でも提供されているものだが、メディアオンラインでは、ブラウザを起ち上げることなく、統一されたユーザーインターフェースでシームレスにサービスを楽しむことができる。また、画面レイアウトやコンテンツなどもメディアオンラインの仕様に合わせて調整し、使いやすさを高めている。

新たにメディアオンラインに加わることが発表されたサービスは7つ。本日から提供開始するのは、(株)air impressの「Impress TV」、クラビット(株)の「Gクラスタ」、大和証券グループの「ダイワインターネットTV」の3つ。Impress TVは新製品レビューなどを展開するオンラインTV。Gクラスタはストリーミングで提供するオンラインゲームで、ゴルフなど10個のゲームを無料で提供する。ダイワインターネットTVは、証券情報などを提供するサービスだ。

ゲーム配信サービス「G-CLUSTER」のトップページ

「G-CLUSTER」で提供されるゴルフゲームの画面。ストリーミングだが滑らかな3D画像を実現している

「ダイワインターネットTV」の画面表示例

今後順次サービス提供を開始するのは、オンキヨー(株)が提供する高音質音楽配信サービス「e-onkyo music store」、Cinema Now Japan(株)の映像配信サービス「Cinema Now」、住商オットー(株)のアパレルショッピングサービス「Otto」、ヤフー(株)の「Yahoo!動画」の4サービス。

このうち、Cinema Nowは6月下旬にサービス開始することが決まっており、年内にハリウッド作品、邦画作品など約200本を提供する。配信ビットレートは1.5Mbpsで、解像度は640×480。提供プランは月額見放題の「プレミアムプラン」(1,470円)と1本あたり315〜420円のPPVの2つ。

オンキヨーの「e-onkyo music store」は、6月末日のサービス開始を予定。最高で96kHz/24ビットのWMA Lossless形式のコンテンツが提供される。綾戸智絵やジャズ、クラシックの名曲など計1,000曲が配信される予定。配信価格は1曲あたり200円から800円となる見込み。


マイクロソフト(株)コンシューマWindows製品部 シニアプロダクトマネージャの森洋孝氏
「Yahoo!動画」については、「スタート当初は、提供する映像の本数は限定的な展開となる。ただし、質のよいコンテンツが提供されると聞いている」(マイクロソフト(株)コンシューマWindows製品部 シニアプロダクトマネージャの森洋孝氏)という。

Windows XP Media Center Edition を搭載したPCの春夏モデルは、デル、NEC、日立製作所、富士通、アロシステム、MCJ、KOUJIRO、ソーテックの8社から発売される。中でもNECは同OSを積極的に導入しており、昨日発表された「VALUESTAR」「LaVie」26モデルのうち13モデルに同OSを搭載している。

また、4月10日に発表された東芝のDAP「gigabeat S」シリーズも、メディアセンターとの連携を強化。OSにWindows Mobile software for Portable Media Center(PMC)を採用し、メディアセンターと同様のユーザーインターフェースを採用している。

NECが発表した新しいVALUESTARを使ったデモも行われた

gigabeat SはMedia Center Editionと同じユーザーインターフェースを採用する


米マイクロソフト本社のeHome担当 コーポレートバイスプレジデントのジョー ベルフィオーレ氏
説明会では、冒頭、米マイクロソフト本社のeHome担当 コーポレートバイスプレジデントのジョー ベルフィオーレ氏が登壇。eHome戦略について説明した。ベルフィオーレ氏は、eHomeについて「Windowsをプラットフォームにしたデジタルライフスタイルに新たな価値をもたらすことが我々のミッション」と説明。具体的には、「消費者やパートナーにとって最適なWindowsプラットフォームを提供し、それにパートナーが提供するサービスやデバイスを組み合わせる」計画が示された。

このeHome戦略を製品に落とし込んだのが Media Center Edition で、同氏は「誰にでも使えるシンプルなユーザーインターフェース」「サードパーティーによるアプリケーションを走らせるプラットフォームの提供」「TVに接続する様々なデバイスとの連携」が同OSの特徴と説明した。

eHome戦略の概要

Windows PCを中心に、様々なコンテンツやデバイスが連携することを目指している

メディアセンターPCとXbox 360の出荷トレンド

またベルフィオーレ氏は、「これまで100万台のメディアセンターPCが出荷された」とし、中でも「米国では全リテールPCのうち50%以上が同OSを搭載している」と好調さをアピール。Xbox 360にもメディアセンター機能が装備されていることから、今後も順調に出荷が伸びることが予想されるとした。

日本市場についても積極的に取り組む構えで、「ブロードバンド率も高く、IP経由のサービスが普及している日本は、世界のマーケットリーダーであり、メディアセンターにとって最も重要な国」と述べた。

「日本はもっとも重要な国」とアピール


マイクロソフト(株)業務執行役員 統括本部長の佐分利ユージン氏
国内市場については、マイクロソフト(株)業務執行役員 統括本部長の佐分利ユージン氏が説明を行った。佐分利氏は、国内の家庭環境について、「2006年は75%、2008年には90%がブロードバンド化するなど回線が高速化している」と述べ、これにより映像・音声の両方でコンテンツのHD化が進むと予想した。また、「PCのディスプレイサイズは年々大型化しており、これまでウェブブラウズやメールが主な使用目的だったのが、テレビや音楽にシフトし始めている」と分析した。オンラインコンテンツについても、「2002年からの3年間で市場規模は3倍になり、現在は300億円の市場に成長した。eHomeを実現する素地は整った」とした。

年ごとのインターネット接続形態を表したグラフ。ブロードバンド化が進むことでコンテンツのHD化が急速に進展すると予想する

国内のオンラインコンテンツ市場はこの3年で3倍になった

PCディスプレイも年々大型化し、PCでテレビや音楽を楽しむことは一般的になりつつある

また、Media Center Edition について「2006年はさらなる飛躍を目指す」とし、前述のメディアセンターPC提供パートナー8社を紹介。メディアオンライン機能については、「日本はアメリカ、イギリスに続き世界3位のアクセス数を持ち、利用率では世界1位。国内市場におけるオンラインメディアへの高い関心が伺える」と分析した。

各国毎のメディアオンライン アクセス数を示したグラフ。日本は3位だが、利用率では1位となる

具体的な製品の事例として、前述の東芝「gigabeat S」シリーズのほか、オンキヨーの“HDメディアコンピュータ”「HDC-7」(関連ニュース)にMedia Center Edition が搭載されたことや、デノン「AVC-4320」にWindows Media Connect Technologyが搭載されたことなどを紹介。「これまではPCとAV機器は別物と考えられていたが、両機のようなPCとAVのハイブリッド機は今後確実に増えていく」と述べた。

会場にはオンキヨー「HDC-7」も展示していた

今後はメディアオンラインサービスを充実させるとともに、ポータブルデバイスやAV機器など、様々な機器との連動を目指していく

プラットフォームとしての活用を促進するため、メディアセンターPC対応サービスやアプリケーションの開発をサポートする「Power Toys for Media Center Edition 2005」も5月から提供開始する。これにより、サードパーティーが参加する際のハードルを一段と下げる計画だ。

【問い合わせ先】
マイクロソフト
カスタマーインフォメーションセンター
TEL/0120-41-6755

(Phile-web編集部)

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