公開日 2016/09/03 16:40

<IFA>パナソニック、ベルリンフィルとの協業詳細を説明。DCH収録現場も特別見学

フィルハーモニーホールで開催
編集部:小澤 麻実
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既報のとおり、パナソニックはベルリン・フィルと協業。現地時間9月2日、ベルリン・フィルハーモニーホールにて協業の狙いと今後の展開プランについてプレゼンテーションを行った。また、ベルリン・フィルが運営するデジタル・コンサートホールを運営するコントロールルームなども見学することができた。

フィルハーモニーホール内で握手を交わすパナソニック 小川氏(左)とベルリンフィル・メディア ツィンマーマン氏(右)

冒頭登場した小川理子氏は「ベルリン・フィルもパナソニックも、共に挑戦しつづけ技術を磨き上げていくという思想があり、そこで共鳴しました。テレビや音響機器など“出口”の部分を担当する我々パナソニックと、コンテンツの最上流であるベルリン・フィル。今回の協業は、音/映像の入口から出口まで、全てをお互いに理解しあえる貴重な機会となるでしょう。色々とアイディアを出し合いながら、未来に新しい価値を提案できればと考えています」と挨拶。続いて小塚雅之氏が協業の狙いと今後の展開プランについて説明を行った。

ホール内のVIPルームにパナソニックやテクニクスの製品を用意し、プレゼンを行った


パナソニック 小川理子氏
パナソニックは「監督・撮影者の制作意図を理解し、忠実に再現すること」「現場の臨場感と感動を消費者に届けるための製品/サービスを作ること」という考えに基づき、これまでも様々な展開を行ってきた。具体的には24年間、オリンピック等世界的なスポーツイベントの撮影に協力。またハリウッドなどで映画制作現場にも関わっており、パナソニックハリウッド研究所(PHL)では新フォーマット制定も行うなど、実績とノウハウを積み重ねている。

パナソニック 小塚雅之氏


オリンピックや映画制作の現場でもノウハウを積み重ねてきたが、新たに「ライブ演奏」の現場でのノウハウを詰み、より「感性価値」を高めた製品を送り出すことを狙う
今回のベルリン・フィルとの協業も、上述の考えのもと「スポーツ」「映画」に加え「ライブ演奏」の分野でも経験を積み、コンサートホールでの撮影・録音の意図を忠実に再現する方法を共同研究することで、より「感性価値」を高めた製品を送り出していくという狙いがあるという。

2017年夏に4Kカメラなどを納入予定

それでは具体的にどのような協業が検討されているのだろうか。小塚氏は「デジタルコンサートホール(DCH)撮影の4K/HDR化」「映像・音響関連機器の技術開発」「車載機器への展開検討」の3つを挙げる。

両者の3つの協業内容

まず「デジタルコンサートホール(DCH)撮影の4K/HDR化」は、ベルリン・フィルのホール内やスタジオで使われているカメラ等の映像関連機材を、パナソニックの最先端機器に入れ替え。ホール内でのHDR撮影と、テレビでの再現に関する共同研究も行うとのことだ。

現在DCHの撮影にはソニー製品が使用されているが、もとを辿れば2008年のDCHサービスイン当初はパナソニックの機器が使われていた。今後、4Kスタジオハンディカメラ、4Kマルチパーパスカメラ、4Kライブスイッチャーなどを納入予定。入れ替えはシーズンオフでホールが使われない2017年夏に予定しているという。

2017年夏、4Kスタジオハンディカメラなどを納入予定だという

次に「映像・音響関連機器の技術開発」について。これはベルリン・フィルやベルリンフィル・メディアのエンジニアの意見を取り入れ、パナソニックおよびテクニクスの映像・音響関連機器の技術/製品開発に活かす狙いだ。

最後に「車載機器への展開検討」について。EV車の登場などにより車内での音楽視聴は可能性が広がっていくという考えから、ベルリンフィル・メディアの持つノウハウとパナソニックの車載機器向け技術を融合させ、コンサートホールにいるかのような臨場感を味わえる車内環境実現を目指すという。


ベルリンフィル・メディア ツィンマーマン氏

ベルリンフィル・メディアのロベルト・ツィンマーマン氏は「常に先進技術を取り入れてきたベルリン・フィルは、優れたパートナーを必要としています。今回パナソニック、そしてテクニクスとの協業を発表できたことに感謝しています。DCHは2008年にスタートしましたが、技術は4〜5年のサイクルですぐ古くなってしまうと感じています。いまスタジオにはHD環境を揃えていますが、未来は“4Kとハイレゾ”にあると考えているのです。欧州では4Kもハイレゾもまだまだ普及しているとは言えませんが、今後変わっていくでしょう。パナソニックとともに挑戦していくことで、コンサートの体験を、みなさんにより良いかたちで届けられることを願っています」とコメントした。

   ◇   


その後、DCHを運営するコントロールルームなどを特別に見学することができた。

コントロールルームなどを特別に見学できた

Phile-webではDCHサービスイン後すぐの2009年に、山之内 正氏による舞台裏レポートをお届けしている(現場レポートエンジニアインタビュー)。今回も、山之内氏が8年前からの進化なども含めてレポート予定。パナソニックとベルリン・フィルの協業がもたらす意義についても考察をお届けする予定だ。こちらもどうぞお楽しみに。

2009年取材時の写真(左)と、現在のシステム(右)。山之内氏が8年前からの進化なども含めてレポート予定だ

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