公開日 2024/05/09 10:15
【特別インタビュー】DALIのアジア太平洋ディレクター来日。一貫した“Sound Signature”へのこだわりを語る
「その価格の中で『一番』を目指しています」
デンマークのスピーカーブランドであり、エントリークラスからハイエンドまで幅広いラインナップを有するDALI。同社のアジアパシフィックにおける責任者のジル・ブラン氏が来日し、DALIのブランド思想とこだわりについて語ってくれた。
フランス生まれのジル氏は現在マレーシア在住で、日本のほか、台湾、香港、オーストラリア、インド・パキスタン、タイやベトナムなど東南アジアを含む全17ヶ国におけるDALIのマーケティングを手がけている。かつてはDALIでスピーカーのエンジニアリングに関わっていたが、一旦退社し、フォーカルやハーマングループで働いた後、4年前にDALIに「カムバック」。そこからAPACエリアの責任者として赴任した。
DALIの製品づくりの考え方について尋ねると、「どのような価格帯の製品でも、その価格の中で『一番』の製品であることを目指しています。それはSPEKTORからKOREまでどれも同じです」と明快な答えが返ってきた。
とはいえ、どちらかといえば「お求めやすい」価格の製品の印象が強いDALIだが、2022年に発表されたフラグシップスピーカーKOREは世界中のオーディオファンを驚かせた。
「KOREの開発には間違いなく10年以上の年月がかかっていますね。私が“前に”DALIに属していた時にはもう構想はありましたから。フラグシップモデルですから、全てを新しい考えのもとに作らなければなりません。トゥイーター、ウーファーなどのドライバーユニット、キャビネット、ネットワーク、すべて新規に設計されています」。
さらに、KOREのキャビネットを作るためにデンマークの家具会社を買収したのも大きなトピックだという。「フラグシップモデルですから、絶対に妥協のないものを作らなければなりません。生産プロセス上の限界は認められません。そう考えた時に高い生産能力を持つ会社ごと買ってしまう、というのは自然な考えでした」。
KOREは世界中のマーケットから好意的に受け入れられたというが、それはやはりDALIの一貫した音作りが根底にあるからと言えるだろう。
「私たちは価格を問わず、一貫したサウンドキャラクターを再生することを大切にしています。それを私たちは“Sound Signature”と呼んでいます。エントリー、ミドルクラス、フラグシップ、すべてサウンドクオリティは異なりますが、Sound Signatureは共通です。もちろんサウンドバーやヘッドホンについても、全て同じ開発チームが作っており、同じ考えを持って製品開発を行っています」。
ジル氏の話には、しばしば“consistency(=一貫性)”という単語が発せられた。DALIとしてどのようなプロダクトをつくっていくのか、その一貫した思想を大切にしながら、その思いをグローバルにしっかり届けて行きたい、という思いも伝わってきた。
昨年には、KOREで新規開発された技術を落とし込んだ「EPIKORE 11」も登場。また最新のヘッドホンIO-12(国内未発売)にも、最新のユニット開発で培われたSMCドライバーが採用されている。こういったところへも、その「一貫した思い」がうかがえる。
製品開発において一番大切にしていることについて尋ねると、「それは音楽のエモーションを引き出すことです」と力強く答えてくれた。「エモーションには嬉しいものも、悲しいものもありますが、とにかく人の心を強く動かすことができる、そんな製品開発をこころがけています」。
とはいえ、製品開発においては「エンジニアの言うことばかりを聞いてもいけないんです」と元エンジニアとしては意外な言葉。「セールス、マーケティング、管理部門、それぞれの考え方がありますから、それぞれの立場から納得のいくものでなければなりません。ですが、それが妥協の産物であってはいけません。どうすれば素晴らしいプロダクトが生まれるのか、皆で徹底的に議論を重ねます」。
一貫性とは矛盾するようだが、アジアパシフィックにはさまざまな文化的バックボーンを持った国があり、そのローカリゼーションも大切にしている。DALIブランドとしての一貫性は守りながら、それぞれの国においてどのようにマーケティングを展開していくかといくことに真摯に取り組んでいる姿勢も感じられた。
ジル氏に日本市場をどう見ているか尋ねてみた。「とてもオーディオに対して真剣に向き合っている国だと感じています」と語った上で、「私は香港や台湾のオーディオ関係者とよく話しますが、よく聞かれるのは『日本はどうですか?』ということです。つまり日本での製品評価、あるいはレビューをとても参考にしていると感じています。ですから日本のオーディオメディアには、もっともっと世界に向けて情報発信をしていって欲しいですね」。
まもなく開催されるミュンヘン・ハイエンドにもDALIは出展を予定している。ジル氏からは口を濁されてしまったが、どうやら新製品も発表される見通しだ。今年も現地からのレポートを予定しているので、ぜひ日本のオーディオファンも楽しみにしてほしい。
フランス生まれのジル氏は現在マレーシア在住で、日本のほか、台湾、香港、オーストラリア、インド・パキスタン、タイやベトナムなど東南アジアを含む全17ヶ国におけるDALIのマーケティングを手がけている。かつてはDALIでスピーカーのエンジニアリングに関わっていたが、一旦退社し、フォーカルやハーマングループで働いた後、4年前にDALIに「カムバック」。そこからAPACエリアの責任者として赴任した。
DALIの製品づくりの考え方について尋ねると、「どのような価格帯の製品でも、その価格の中で『一番』の製品であることを目指しています。それはSPEKTORからKOREまでどれも同じです」と明快な答えが返ってきた。
とはいえ、どちらかといえば「お求めやすい」価格の製品の印象が強いDALIだが、2022年に発表されたフラグシップスピーカーKOREは世界中のオーディオファンを驚かせた。
「KOREの開発には間違いなく10年以上の年月がかかっていますね。私が“前に”DALIに属していた時にはもう構想はありましたから。フラグシップモデルですから、全てを新しい考えのもとに作らなければなりません。トゥイーター、ウーファーなどのドライバーユニット、キャビネット、ネットワーク、すべて新規に設計されています」。
さらに、KOREのキャビネットを作るためにデンマークの家具会社を買収したのも大きなトピックだという。「フラグシップモデルですから、絶対に妥協のないものを作らなければなりません。生産プロセス上の限界は認められません。そう考えた時に高い生産能力を持つ会社ごと買ってしまう、というのは自然な考えでした」。
KOREは世界中のマーケットから好意的に受け入れられたというが、それはやはりDALIの一貫した音作りが根底にあるからと言えるだろう。
「私たちは価格を問わず、一貫したサウンドキャラクターを再生することを大切にしています。それを私たちは“Sound Signature”と呼んでいます。エントリー、ミドルクラス、フラグシップ、すべてサウンドクオリティは異なりますが、Sound Signatureは共通です。もちろんサウンドバーやヘッドホンについても、全て同じ開発チームが作っており、同じ考えを持って製品開発を行っています」。
ジル氏の話には、しばしば“consistency(=一貫性)”という単語が発せられた。DALIとしてどのようなプロダクトをつくっていくのか、その一貫した思想を大切にしながら、その思いをグローバルにしっかり届けて行きたい、という思いも伝わってきた。
昨年には、KOREで新規開発された技術を落とし込んだ「EPIKORE 11」も登場。また最新のヘッドホンIO-12(国内未発売)にも、最新のユニット開発で培われたSMCドライバーが採用されている。こういったところへも、その「一貫した思い」がうかがえる。
製品開発において一番大切にしていることについて尋ねると、「それは音楽のエモーションを引き出すことです」と力強く答えてくれた。「エモーションには嬉しいものも、悲しいものもありますが、とにかく人の心を強く動かすことができる、そんな製品開発をこころがけています」。
とはいえ、製品開発においては「エンジニアの言うことばかりを聞いてもいけないんです」と元エンジニアとしては意外な言葉。「セールス、マーケティング、管理部門、それぞれの考え方がありますから、それぞれの立場から納得のいくものでなければなりません。ですが、それが妥協の産物であってはいけません。どうすれば素晴らしいプロダクトが生まれるのか、皆で徹底的に議論を重ねます」。
一貫性とは矛盾するようだが、アジアパシフィックにはさまざまな文化的バックボーンを持った国があり、そのローカリゼーションも大切にしている。DALIブランドとしての一貫性は守りながら、それぞれの国においてどのようにマーケティングを展開していくかといくことに真摯に取り組んでいる姿勢も感じられた。
ジル氏に日本市場をどう見ているか尋ねてみた。「とてもオーディオに対して真剣に向き合っている国だと感じています」と語った上で、「私は香港や台湾のオーディオ関係者とよく話しますが、よく聞かれるのは『日本はどうですか?』ということです。つまり日本での製品評価、あるいはレビューをとても参考にしていると感じています。ですから日本のオーディオメディアには、もっともっと世界に向けて情報発信をしていって欲しいですね」。
まもなく開催されるミュンヘン・ハイエンドにもDALIは出展を予定している。ジル氏からは口を濁されてしまったが、どうやら新製品も発表される見通しだ。今年も現地からのレポートを予定しているので、ぜひ日本のオーディオファンも楽しみにしてほしい。
関連リンク
トピック
-
TCL「SQD-Mini LED」VGP審査員特別賞受賞記念座談会。審査員が語り尽くす「液晶テレビの進化」と、X11L/C8L/C7Lの実力 -
ゼンハイザー「ACCENTUM Clip」は『らしさ』全開の実力機!同社初イヤーカフ型イヤホンを徹底レビュー -
“Music First”のスピリッツ息づく。イギリス名門・ARCAMの最新プリメインが秘めるスマートな音楽性を聴く -
iBassoからリミテッドDAP「DX340MAX」登場!通常ラインナップ3モデルとあわせて一斉試聴 -
“脱・NAS初心者”を実感!UGREEN「NASync DXP4800 GT」で叶えるストレスフリーなクリエイティブ環境【割引クーポン有】 -
シアターハウスのスクリーン「WCB2214WEM」で100型&高画質をリビングに! 壁投写との画質比較も -
デノンAVアンプの次世代サウンドを牽引するミドルクラス『AVR-X3900H』堂々登場!その真価を徹底レビュー -
「次世代Mini LED」の大本命!TCL『C8L』、VGP2026 SUMMER審査員特別賞を受賞したSQD-Mini LEDを岩井喬がチェック -
手元に1台ほしくなる小回りの効くHi-Fi音質! USB-C/Bluetooth対応のクリエイティブ「XF1」アクティブスピーカーをチェック -
ゲーマー以外にもオススメ!他と一線を画す座り心地と使い勝手のゲーミングチェア、Boulies「Master Rex/Neo」レビュー -
AR/XRグラスはホームシアターの夢を見るか?VITUREの「Beast」「Luma Ultra」をオーディオビジュアル評論家がチェック! -
Edifierのおすすめ3機種を厳選レビュー!音質と使い心地をVGP審査員が実機検証 -
【評論家レビュー有】オーテクのおしゃれノイキャンイヤホンがAmazonで超お得!「ATH-SQ1TW2NC」の魅力を徹底解説! -
【期間限定クーポン情報も】日常からスポーツまで! タフで多機能な「Amazfit Active Max」をレビュー -
コンパクトサイズに大画面&高画質をオールインワン! ETOEモバイルプロジェクター「Dolphin 2」を検証 -
プロも高評価。EarFun「Clip2」全方位レビュー!【割引クーポン情報あり】 -
音楽ストリーミングを信頼のヤマハサウンドで鳴らす!ワイヤレスHiFiスピーカー「NX-70A」を聴く -
サウンドバー「Sonos Arc Ultra」が叶える大画面に没入させる本格サラウンド -
映画に没入させる映像美。AWOLのフラグシップ「Valerion Max」を徹底検証 -
オーディオを高く売るなら信頼と実績のオーディオランド!下取よりも買取がお得です◎
クローズアップCLOSEUP
-
TCL「SQD-Mini LED」VGP審査員特別賞受賞記念座談会。審査員が語り尽くす「液晶テレビの進化」と、X11L/C8L/C7Lの実力 -
ゼンハイザー「ACCENTUM Clip」は『らしさ』全開の実力機!同社初イヤーカフ型イヤホンを徹底レビュー -
“Music First”のスピリッツ息づく。イギリス名門・ARCAMの最新プリメインが秘めるスマートな音楽性を聴く -
iBassoからリミテッドDAP「DX340MAX」登場!通常ラインナップ3モデルとあわせて一斉試聴 -
“脱・NAS初心者”を実感!UGREEN「NASync DXP4800 GT」で叶えるストレスフリーなクリエイティブ環境【割引クーポン有】 -
シアターハウスのスクリーン「WCB2214WEM」で100型&高画質をリビングに! 壁投写との画質比較も -
デノンAVアンプの次世代サウンドを牽引するミドルクラス『AVR-X3900H』堂々登場!その真価を徹底レビュー -
「次世代Mini LED」の大本命!TCL『C8L』、VGP2026 SUMMER審査員特別賞を受賞したSQD-Mini LEDを岩井喬がチェック -
手元に1台ほしくなる小回りの効くHi-Fi音質! USB-C/Bluetooth対応のクリエイティブ「XF1」アクティブスピーカーをチェック -
ゲーマー以外にもオススメ!他と一線を画す座り心地と使い勝手のゲーミングチェア、Boulies「Master Rex/Neo」レビュー -
AR/XRグラスはホームシアターの夢を見るか?VITUREの「Beast」「Luma Ultra」をオーディオビジュアル評論家がチェック! -
Edifierのおすすめ3機種を厳選レビュー!音質と使い心地をVGP審査員が実機検証 -
【評論家レビュー有】オーテクのおしゃれノイキャンイヤホンがAmazonで超お得!「ATH-SQ1TW2NC」の魅力を徹底解説! -
【期間限定クーポン情報も】日常からスポーツまで! タフで多機能な「Amazfit Active Max」をレビュー -
コンパクトサイズに大画面&高画質をオールインワン! ETOEモバイルプロジェクター「Dolphin 2」を検証 -
プロも高評価。EarFun「Clip2」全方位レビュー!【割引クーポン情報あり】 -
音楽ストリーミングを信頼のヤマハサウンドで鳴らす!ワイヤレスHiFiスピーカー「NX-70A」を聴く -
サウンドバー「Sonos Arc Ultra」が叶える大画面に没入させる本格サラウンド -
映画に没入させる映像美。AWOLのフラグシップ「Valerion Max」を徹底検証 -
オープンイヤーへの理解度が半端ない!音も快適さもパワーアップしたShokz「OpenDots 2」レビュー -
パナソニック旗艦4Kテレビ「Z95C」視聴レビュー! 評論家が「傑作」と高評価する理由とは? -
大注目のレグザ “ながら聴き”「RB-A1S」を音楽、動画、テレビで全方面レビュー! -
この高画質、まさに「レグザクオリティ」。“映える”小型4Kプロジェクター「RLC-V5R-S」徹底レビュー -
アナログレコードの音を良くしたい! 2,000円から手に入る、買うべきケーブル2選 -
ハイセンスの最上位4Kテレビ「RGB UXS」は音質も最高峰!デビアレスピーカーで屈指のサウンド -
フルデジタルアンプからゲーム、カラオケまで。ソフトウェアで「いい音」を支えるCRI・ミドルウェアの技術をOTOTENで体験しよう! -
RGB Mini LEDをリードするハイセンスのフラグシップ4Kテレビ「RGB UXS」の画質真価に迫る -
オーディオテクニカ「AT-MCD1」を聴く。スタイラスチップ一体型ダイヤモンドカンチレバー採用カートリッジの実力に迫る! -
オーディオを高く売るなら信頼と実績のオーディオランド!下取よりも買取がお得です◎
アクセスランキング
RANKING
7/31 11:06 更新




















