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連載「遠藤義人の全国のインストーラーを訪ねて」

日本のド真ん中・長野ロイヤルオーディオにウェルカモン! トップクラスのイベント開催数を誇る老舗店

公開日 2026/06/17 06:30 遠藤義人
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リュックを背負ったインバウンド客らしき人たちに紛れて長野県はJR松本駅に降り立つと、陸橋の大きな窓越しに北アルプスが広がっていた。そこからお城口を出て駅前の大通りを5分ほど歩いたところに、今回の目的地ロイヤルオーディオがある。

JR松本駅から。歩いて5分ほどのロイヤルオーディオを訪れた

人のつながりに支えられ創業から半世紀

ロイヤルオーディオは丸山 明さんが1977年に創業。以来半世紀近い歴史を刻む老舗オーディオ&ビジュアル専門店だ。

この日話を訊いたのは、2代目代表取締役社長・丸山浩明さん。わたしは先代・明さんとのお付き合いが長かったため、浩明さんとサシで話をするのは実はほぼ初めて。にもかかわらず、明さんに紹介していただいた取材先や、お世話になったお店の話題など話に花が咲く。

「つくづく昔からの方々とのつながりに支えられていることを実感します。父とずっと一緒に25年ほどやっていましたから、昔からのお客様のことはよく知っていますし、先代からのお客様も私宛てに気軽に連絡してくださいます」(浩明さん)

2023年9月、倉庫の老朽化に伴い現在の場所に新店舗を新築オープン。路面から引っ込むことに反対した先代の明さんを押し切って、壁紙から何からすべて浩明さんが監修して進めた。それでもオープンをいちばん楽しみにしていたのは明さんだったが、コロナ禍で工期が延び、結局明さんがグランドオープンを目にすることはなかった。

スタイリッシュな新店舗。日が落ちると両袖のランプが美しい佇まいを見せる

オーディオとホームシアターの割合は、概ね7:3ぐらいだそう。新築住宅の価格高騰で、ホームシアターの施工数自体は減っているが、プロジェクターを取り扱うお店として、依然引き合いは多い。

もっとも、近年テレビが大型化したことに伴い、80型級のテレビシアターの案件も増えており、サウンドもマルチチャンネルでなく2chでの再生という例もある。

商圏としては長野全域を中心として、近県からのお客さんも多い。冬に松本市の信毎メディアガーデンで開催する恒例イベント「信州松本オーディオフェスタ」には、県内外のお客さんが多く訪れる。最近は要望に応える形で、夏は長野市のNBSホールで「長野オーディオフェスタ」も開催している。

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スタイリッシュな店舗内には、ところどころに老舗ならではの懐かしの看板やかわいらしいアイテムが
旧店舗から唯一引き継がれたというテーブル。これを囲みつつ珈琲をいただきながら、明さんに温かい言葉を掛けていただいたことがつい最近のように思い出される

ネットワークオーディオ事情にも精通。対面での接客重視は変わらない

浩明さんと話していてふと脇に目をやると、ちょっと貫禄のある方が。従業員の間瀬祐介さんだ。2023年に入社し、近年主流になりつつあるネットワークオーディオを主に担当。SNSの運用も担っているという。

「私はネットワークオーディオ担当としてロイヤルオーディオに貢献していきたいと思っています。お客様はネットで情報をいちはやくキャッチされますし、とくにネットワークオーディオは急速に進化していますので、情報収集は欠かせません。

東京まで足を運ばなくてもロイヤルオーディオに来ていただければ最先端のネットワークオーディオを全て体感できるように店づくりを工夫し、イベントも数多く開催しています」(間瀬さん)

1階エントランス側には、ミドルグレードまでのオーディオやアクサセサリー中心。カタログも豊富な取りそろえ

スケジュールを見ると、毎月何らかのイベントを開催が。月に何度も開催することもあり、その頻度は業界内でもトップレベルだ。

「あの店に行けばどこかしら展示が変わっているかもしれないし、面白いことに出くわして発見があるかもしれない…そう思ってもらえる店を目指しています。

わたしたちが考える『オーディオってこうあるべきだ』というよりは、ご来店いただいたお客様が人と会って話す楽しさを感じたり、好奇心をくすぐられるような場でありたいと思っています」(間瀬さん)

YouTube動画やSNSを見て自分でもできると思ったけれどうまくいかないケースや、その店で買ったわけでもないのに電話で問い合わせしてくるという話は、あちこちで耳にする。

その点、ロイヤルオーディオは、お客様サポートの観点からも、来店客とのコミュニケーションを重視している。

オーディオビジュアル機器は、好きな作品を再生するために愛着を持って使うもの。ユーザーとしては、自分の部屋や好みを理解したうえで、システムをトータルでバランス良く提案してくれる人に納品してもらいたいという感覚はとてもよく分かる。

1階にホームシアター。テレビの手前に100型のスクリーンが下がる

ホームシアター視聴位置方向。プロジェクターはビクターの「DLA-Z5」、サウンドは7.1.4ch

日本の中心にあって「お店は無色透明であるべき」

話をしていると、先代の明さんからの教えをよく受け継いでいることが節々で窺える。

「先代がよく言っていたんですが、松本は地理的に日本の中心だ、と。そして、お店は無色透明であるべきだと。怯むことなくまずはお客様がどうしたいのかを考えろと教えられました。

わたしは映画も音楽も好きですが、わたし自身、特定のブランドのモデルを愛用するようなオーディオマニアじゃないんですよ。逆にそれだからこそ、お客様の意見を聞いてご提案できるんだと思います。

先代はオーディオ大好きでこの店を立ち上げましたが、そこだけが違います。それとあとひとつ、わたしがお店を続けていられるのは、先輩方はじめ皆さんが好きだからだと思います」(浩明さん)

2階は20畳ほどのオーディオ試聴室があり、搬入用エレベーターを隔てた反対側に中古品が並ぶ。「ご自宅でオーディオのために取れる現実的なスペースでやりたいというのがありました」(浩明さん)
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旧店舗よりビンテージ感は控えめで、中価格帯の製品を中心に全方位的かつ偏りなく扱っていることが分かる

口に含みながら聞いていると、姿勢を正して聞き入っていた間瀬さんが隣で深く頷いた。

「社長が言うとおり、人との繋がりはとても大事だと思います。とくにネットワークオーディオでは新しいブランドがどんどん増えてきて、どうやって連絡を取ろうかと思っていた矢先に先方から連絡をいただけて、繋がったブランドもたくさんあります。

オーディオ業界ってすごくフレンドリーで『丸山社長にいつもお世話になっています』とご挨拶いただけるんです」(間瀬さん)

このおふたりのような「また会いたい」と思わせる人間性は、お店のキャラクターや、ひいてはお客さんにも印象として伝わる。オーディオやホームシアターが初めてという人も、温かさいっぱいに満たされるこのお店に行って、よろず相談してみてほしい。

わたしも先代の明さんには相談に行ったものだ。そして明さんやほかのお店さんからいただいた縁で、またロイヤルオーディオの新店に足を踏み入れ、楽しい時間を過ごすことができた。

しかし、このときの私は予想していなかった。この取材から1ヶ月も経たずに、とあるお店を介してまた浩明さんと時間を共にすることになろうとは。

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ロイヤルオーディオ

長野県松本市深志2丁目5番9号
TEL:0263-35-2219
FAX:0263-35-2140
営業時間:10時00分 – 19時00分
(日曜祝日は18時00分まで)
定休日:木曜日、第2・3水曜日
Instagram:@royalaudio2219

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