「死に方、教えてやろうか?」綾野剛主演で贈る、実在の体罰事件の真相に迫る社会派サスペンス
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2025年公開の『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』をご紹介します!
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『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』
(配信:Netflix / U-NEXT)
(C)2007 福田ますみ/新潮社 (C)2025「でっちあげ」製作委員会
教師による児童への虐めが認定された体罰事件を取材した福田ますみのルポルタージュを、『殺し屋1』『クローズZERO』『十三人の刺客』などで知られる三池崇史監督のメガホンで映画化。
小学校教諭の薮下誠一(綾野剛)は、児童への体罰を保護者の氷室律子(柴咲コウ)に告発される。身に覚えのない訴えに困惑する薮下であったが、実名報道されてしまい誹謗中傷に晒されていく。瞬く間に日常が崩れ去り追い込まれていく中、「すべて事実無根の"でっちあげ"」と完全否認するのだが……。
同じ時間や出来事を経験したとて、そこから何を得て、何を感じるかは人それぞれに異なるもの。時には認識の齟齬が生じたり、事実を曲解したり、歪曲して伝えてしまうことも起こり得る。そうして不和や誤解が生じて分かり合えなくなり、第三者や法を交えて事実を明らかにするのがこの社会。だが、その仕組みも万全であるとは言い難い。
2003年、日本で初めて教師による児童への虐めが認定された実在の体罰事件、その顛末を描く本作は、20年以上前の出来事だからと言って軽んじることは微塵もできない。むしろ、日頃エビデンスも定かではないネットやSNSの情報に踊らされてばかりいる私たちにとって、大きな戒めとなり得る物語。
自らの身を守るためにも、大切な人の身を守るためにも、事実を見極める目と心を私たちは養わなければならない。その必要性と強く向き合わせてくれる力作です。2つの視点から描かれる登場人物を見事に演じ分けている綾野剛と柴咲コウの名演も必見です。
(C)2007 福田ますみ/新潮社 (C)2025「でっちあげ」製作委員会
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| ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。 |
