YOSHI × 菅田将暉 × 仲野太賀! 拳銃を手に入れた少年たちの破滅的な青春
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2019年公開の『タロウのバカ』をご紹介します!
◇
『タロウのバカ』
(配信:Amazon Prime Video)
(C)2019 映画「タロウのバカ」製作委員会
『まほろ駅前多田便利軒』『日日是好日』『おーい、応為』などで知られる大森立嗣監督のオリジナル作品。学校に一度も通ったことがなく、自身の年齢も定かではない少年タロウ(YOSHI)。それぞれに問題を抱えている高校生のエージ(菅田将暉)とスギオ(仲野太賀)とつるんでいる時間だけが心の拠り所となっていた。そんなある日、予期せず拳銃を手に入れてしまう3人であったが……。
既に15本以上の長編作品を世に解き放っている大森立嗣監督が、20代前半の頃に生まれて初めて書いたシナリオを、当時のままほとんど手を加えることなく映画化したという本作。主演を務めるのは、当時演技未経験であり、惜しくも2022年に交通事故で他界したYOSHI。その奔放な魅力を支えるべく、菅田将暉と仲野太賀という今や日本を代表するまでに成長した腕利きの俳優たちを布陣。
未来に可能性や希望を抱くことのできない少年たちのやり場のない思い、鬱屈とした感情を痛々しいほどまでに映し出していく。そして、目の当たりにするのは少年たちの姿がメインではあるものの、先行き不安なこの社会を生きる人間にとって、いつだって隣り合わせの世界や感情がそこにはある。
未来に可能性や希望を抱けるからこそ、私たちは堅実に前を向いて歩いていける。しかし、それらが叶わない時、人は短絡的で破滅的な行動へと走ってしまう。何のために生きるのか、生きるとはどういうことなのか。そんな根源的な事柄にも向き合わせてくれる良作です。
(C)2019 映画「タロウのバカ」製作委員会
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
| ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。 |
