100m走に人生を懸ける男たちの情熱と狂気。「チ。-地球の運動について- 」好きなら必見の胸熱アニメ
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2025年公開の『ひゃくえむ。』をご紹介します!
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『ひゃくえむ。』
(配信:Netflix)
発売元:『ひゃくえむ。』製作委員会/販売元:ポニーキャニオン
「チ。-地球の運動について- 」などで知られる漫画家・魚豊の連載デビュー作を、『音楽』の岩井澤健治監督が映画化。
生まれつき足が早く、数々の大会で入賞を果たしてきたトガシ(松坂桃李)。辛い現実に苛まれながらも、小学生時代にトガシと出会ったことで陸上の世界にのめり込んでいく小宮(染谷将太)。友情を深めながらも小宮の転校によって離れ離れになった二人は、高校の大会にて再会するのだが……。
何か打ち込めるもの、本気になれるもの、情熱を注げるもの。そういったものに巡り会えることは素晴らしい。だが、その道を突き詰めていくことは決して容易なことではない。年齢を重ねていく毎に自分の限界に直面したり、才能ある者の出現に怯えたり、純粋に楽しめなくなる時間が訪れる。
成長と共にかつての自信を失っていくトガシと、メキメキと頭角を現し始めていく小宮。100m走に人生を捧げていくからこそ生じる喜怒哀楽、その人間模様が目にする者の心を揺さぶり続けていく。
また、実写で撮った人の動きを取り込んでアニメーション化するロトスコープ技術を用いて描く陸上描写は臨場感たっぷり! 作画枚数9800枚を用いて描かれる雨のシーンからは絶対に目が離せない。人生に折り合いをつけながらも陸上を続けていくトガシと、高みに近づくも虚無感に包まれていく小宮。そんな二人が行き着く境地を、是非ご自分の目と心で見届けてください。
(C)魚豊・講談社/『ひゃくえむ。』製作委員会
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| ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。 |
