堺雅人主演のウソのようなホントの話! 女性たちから推定1億円を騙し取った自称米軍パイロットの詐欺師
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2009年公開の『クヒオ大佐』をご紹介します!
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『クヒオ大佐』
(配信:Amazon Prime Video / U-NEXT)
『桐島、部活やめるってよ』『羊の木』『敵』などで知られる吉田大八監督が、堺雅人主演で贈る実話ベースのコメディ作品。父はカメハメハ大王の末裔で、母はエリザベス女王の妹の夫のいとこで、自称米軍パイロットのジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐(堺雅人)。
嘘八百で女性を騙す結婚詐欺師の彼が狙うのは、弁当屋の女社長・しのぶ(松雪泰子)、博物館の学芸員・春(満島ひかり)、銀座のナンバーワンホステス・未知子(中村優子)。しかし、しのぶの弟・達也(新井浩文)に正体を見破られ、口止め料に100万円を要求されてしまうクヒオ大佐であったが……。
あくまでも実話をもとにしつつ創作を交えて描いている物語のため、劇中で描かれているすべてが事実というわけではない本作。だが、日本人男性が身分を偽って「クヒオ大佐」と名乗り、そんな男に金を騙し取られた女性たちがいたのは確かな事実。
カタコト風な日本語を話すクヒオ大佐が、その胡散臭さを補強するために重ねる創意工夫や小さな努力によって生じるコミカルさも相まって、自分だったら「絶対に騙されない」と思う方のほうが多いはず。
けれど、彼と関わる3人の女性たちの姿を通して見えてくるものがある。それは、人は自分の見たいものしか見ないし、信じたいものしか信じないということ。そして、心が弱っているタイミングにつけ込まれたのなら、判断を誤ることも大いにある。どうでしょう、心当たりはありませんか?気楽に観られる軽さを持ち合わせつつも、人間の不完全性や脆さをも映し出す良作です。嘘をつき続けた男の顛末を、ご自分の目と心で見届けてください。
(C)2009 「クヒオ大佐」製作委員会
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| ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。 |
