4K UHD BD『ワン・バトル・アフター・アナザー』、“あのカーチェイス”の圧倒的没入感! 極上のフィルム体験がここに
4K Ultra HD Blu-rayの注目タイトルをプロの評論家が画質と音質の評価チャート付きで紹介する連載企画。今回のタイトルは現在発売中の『ワン・バトル・アフター・アナザー』。画質と音質の見どころを、伊尾喜大祐氏が自宅のホームシアターで徹底的にチェックした。
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
STORY
2026年度3月に発表されるアカデミー賞で12部門ノミネートほか、各国映画賞を総なめにしたポール・トーマス・アンダーソン監督最新作。平凡で冴えない日々を送る元革命家ボブの娘が突然誘拐される。黒幕は「なぜか」異常な執着でボブを追う、変態軍人ロックジョー。次々と刺客が送り込まれる中、謎の空手家の助けを借りつつ、ボブは再び闘争に身を投じていくが…。撮影は2024年だが、第2期トランプ政権下のアメリカを予言するような描写の数々が背筋を寒くさせる。
純正ビスタビジョン撮影の濃密な映像
IMAX上映を意識しつつも、あえて純正ビスタビジョン(35mm横走り)で全編を撮影。機動力と圧倒的な解像度を両立し、混沌とした「果てしなき闘争」を、驚異的な高精細で荒々しく描く。1.43:1のIMAXフルサイズ上映も行われたが、4K UHD BDでは1.78:1で収録。ビスタビジョン映像の濃密な情報量、黒浮き皆無のコントラスト、そしてきめ細かなグレインが同居する、極上のフィルム体験がここにある。
音声はDolby Atmosで試聴。セリフの肉声の響きが非常に生々しく、環境音の配置も精緻。ジョニー・グリーンウッドの音楽は感情を煽る旋律を排し、短いフレーズの反復と変奏で緊張感をジリジリと高める。特に以下のチャプターは必見・必聴だ。
CH2逃走する女性を警官隊が追う空撮したカットで、ヘリの爆音がトップスピーカーから轟く。CH5ICEを思わせる警官隊と反抗する市民たちの衝突。街中のガヤの距離感がリアル。CH9銃撃戦では弾着が耳元で炸裂サラウンド。
そしてCH11激しくアップダウンする直線道路で展開するカーチェイスは、超望遠レンズの圧縮効果が異様な緊張感を醸して圧倒的な没入感。こんなチェイスシーンは見たことない。身体が浮くようなこの感覚は、大画面とサラウンド再生ならではのお楽しみだ。
SPEC
●製作:2025年/米 ●ジャンル:洋画アクション ●監督:ポール・トーマス・アンダーソン ●出演:レオナルド・ディカプリオ、ショーン・ペン ●本編ディスク:約162分、ビスタ、Dolby Vision ●本編音声:英語Dolby Atmos、英語Dolby Digital 5.1ch、日本語Dolby Digital 5.1ch ●字幕:日本語、バリアフリー英語、日本語吹替用
