<2026年オーディオビジュアル業界提言>液晶テレビは100インチ超の時代へ。プロジェクターの進化で大画面化が加速
毎年様々なアイテムが登場するオーディオビジュアルシーン。一見するとあまり変わっていないような製品であっても、実は技術的に新しい提案や工夫が盛り込まれ、品質面で長足の進化を遂げていることも多い。さらには小さな変化が大きな革新に繋がっていくこともある。
今回はそんな切り口で2025年のオーディオビジュアルの変化を振り返るとともに、2026年の革新への期待を整理してみたい。“業界提案”というほど大げさなものではないけれど、“新たな年に、オーディオビジュアルで楽しみにできること”を考えながら読んでいただけると幸いだ。
液晶テレビの大型化・高画質化が加速
2025年も、各社から大型液晶テレビが多数登場した。特にレグザ、ハイセンス、TCLといったブランドからは100インチを超えるラインナップが登場している。正確にはこういった大型化の流れは2023年頃から始まってはいたが、2025年モデルは現実的な価格(一部モデルを除いて)になっているのが特徴だろう。


しかも単純に画面サイズが大きくなっただけではなく、パネル解像度は4K(3840✕2160画素)で、独自の映像エンジンを搭載することで、これだけの画面サイズでも粗さを感じさせない画質を実現してきたこともポイントだ。
今後さらに画面サイズが大きくなっていくには、映像処理回路の高性能化も欠かせないのは間違いない。
液晶テレビの高画質化に関連してもうひとつ見逃せないのが、Mini LEDバックライト搭載機の充実だ。
こちらも2022〜2023年に登場した技術で、バックライトに小型LEDを多数敷き詰め、それらを従来モデルよりも細かいブロックに分割して明るさを制御することで、高いコントラストと明るさを実現したものだ。
最新モデルではLED制御技術の進化により、100インチ前後という大きさにも関わらず輝度むらもなく、明るさのピークも備えた、ある意味で自発光デバイスに近い再現性を獲得している。
近年“テレビ離れ”がよく言われるが、その多くは“テレビ放送離れ”を指しており、実際には動画配信サービスを“テレビ”で見ている人は増えているという話もある。
つまり、お気に入りのコンテンツを綺麗な大画面で楽しみたいというニーズは根強く、液晶テレビの大画面化は、そういった声に応えた結果というわけだ。
ひと昔前には夢だった100インチクラスの直視型大画面が、現実的な価格で手に入るようになった、この幸せに触れて感動しないオーディオビジュアルファンはいませんよね!
RGB独立駆動LEDバックライト搭載機も登場
もうひとつ、2026年に向けた進化としてRGB独立駆動LEDバックライト搭載機の登場にも注目しておきたい。
一般的なバックライトは青色LEDに蛍光体や偏光フィルターを組み合わせて白色光を再現、カラーフィルターを通してカラー画像を再現している。
これに対しRGB独立駆動LEDバックライトは、RGB 3色のLEDを光らせることで、より純度の高い白色光を得られる技術だ。その結果色の再現も改善され、品位の高い映像を楽しめることになる。


RGB独立駆動LEDバックライトでは、3色のLEDの明るさを個別に制御できるので、再生している映像にあった色の光を再現が可能だ。
つまりセピアトーンの映像なら、バックライトの光そのものをセピア調にできるわけで、これまでのカラーフィルターよりも純度が高く、深い色が楽しめることになる。
既にレグザからこの技術を採用した「116ZX1R」が発売されているし、ソニーやLGからも技術発表がされるなど、2026年の液晶テレビ高画質化のキーになる技術になるのは間違いない。
ポータブルプロジェクターが大ヒット!
手軽に大画面を楽しむ方法として、ポータブルプロジェクターは数年前から注目を集めていた。当初は2K解像度のモバイルプロジェクターがほとんどだったが、ここ数年はスクリーン上で4K解像度の再現が可能なプロジェクターが多く登場している。


さらに旧来のプロジェクターは明るい室内では絵がぼけてしまうという問題もあったが、最近のスマートプロジェクターは輝度もアップ、室内の明かりを残した状態でも見やすい映像を再現できるようになった(好きな映画やライブと向き合いたいなら暗い環境で、壁ではなくスクリーンに映すのがお薦めではあるが)。
見たい時にだけ大画面を再現できるという意味で、プロジェクターはスペースセービングにも優れたアイテムだ。
しかも上記の通り本体だけで動画配信サービスを楽しめるという手軽さも備えてきている。これらスマートプロジェクターをきっかけに、より本格的な大画面ライフに親しんでくれる方が増えてくれることを期待したい。
音質や臨場感にこだわったサウンドバーの充実
テレビの大画面化に伴い、より迫力や臨場感のあるサウンド再生も求められるはず。そんなニーズに応えるべく、2025年には音質にこだわったサウンドバーが多く発売された。
その筆頭はやはりJBLで、2022年にクラウドファンディングで注目された「BAR1000」のエッセンスを受け継いだフラグシップモデル「BAR1300MK2」も人気が高い。
着脱式のワイヤレスリアスピーカーというシンプルながら効果的なシステムを備え、豊かな臨場感を実現したことがそのポイントだ。


他にもヤマハ、SONOSからもイマーシブオーディオに対応したモデルが発売されている。これらはビーム制御技術を使って壁や天井の反射で高さを伴ったサラウンド感を再現したり、ユニットを自社開発するなど、そもそもの基本音質を磨き上げている点もユーザーには嬉しいところだ。
録画ディスクの生産終了
個人的には悲しいニュースであるが、2023年のパナソニックに続いてソニーが2025年2月で録画用ブルーレイディスクの生産を終了した。同時に録音用MDやDVテープの生産も完了している。
ソニーは国内工場で録画ディスクを製造していた貴重なブランドだったこともあり、エアチェックファンの間には衝撃が走ったことを覚えている。
もともと放送を録画して残す文化は日本特有のものでもあり、ワールドワイドで見れば録画用ディスクのニーズも限定されてはいたはずだ(DVDディスクはパソコンのデータ保存用としての用途も大きかった)。
さらにUSB HDDへの録画機能が付いたテレビが普及し、タイムシフト録画ならレコーダーすらいらなくなったことも、録画用ディスクに触れる機会が減ってしまった要因だろう。
とはいえパッケージソフトにならないライブやドラマなど、手元に残しておきたいコンテンツがあるのも事実なので、現在録画用ブルーレイディスク&レコーダーを製造しているメーカーには長く頑張って欲しいと思う。
洋画ソフトの販売をハピネットが担当
ハピネット・メディアマーケティングは、2025年3月からワーナー・ブラザースの映像パッケージの制作、販売を行う包括ライセンス契約を締結したと発表した。これにより、ソニー・ピクチャーズやディズニー、NBCユニバーサルなどの洋画パッケージの販売はほぼ同社が請け負うことになった。
見方によってはレーザーディスク時代に戻ったともいえるのだが、動画配信サービスの普及もあって、パッケージソフトとして発売される作品が減っている点が大きく異なる。
実際、海外ではパッケージソフトが発売されているタイトルなのに、日本盤は発売されないなんてこともある(特に4K UHD BDで)。
とはいえ音楽タイトルではパッケージソフトはまだまだ人気だし、何より映像・音声ともビットレートはパッケージソフトの方が高い(理論上は画質も音質もよくなる)というメリットは見逃せない。
お気に入りアーティストの作品をじっくり楽しむのであればパッケージソフトを選びたいというホームシアターファンは多いと思うので、ハピネットや他のソフトメーカーには頑張って欲しいところだ。
