乾電池型の充電池、便利そうだけど実際使える?
アルカリ乾電池式のデジタルガジェットは少なからず存在しますが、悩ましいのは乾電池のやり繰りです。アルカリ乾電池自体は入手性に優れていますが、いかんせん使い捨て。充電式乾電池のように、チャージして繰り返し使うことはできません。ランニングコストの低さも羨ましいかぎりです。
充電可能な1.5V乾電池はないのか...日本国内の店頭ではほとんど見かけませんが、実は存在します。通販サイトで「単三電池型 1.5V リチウムイオン」などと検索すれば、いくつもヒットするはず。あまり聞いたことのないブランドばかりですが、レビューの数や内容からすると問題なさそう。日本の法律に触れるわけでもなし、トライする価値はありそうです。
ただし、このタイプの充電池は一般的な充電式乾電池と同じ感覚で使ってはいけません。
理由のひとつが、ノイズです。リチウムイオンバッテリーセルの電圧は3.6V前後が一般的、アルカリ乾電池に出力をあわせるためには降圧回路で1.5Vにしなければなりません。その際スイッチングノイズが発生するため、ラジオやオーディオ機器のようなノイズに影響を受けやすいデバイスには不向きです。
微弱電流で動作するデバイスに不向きな点にも要注意です。降圧回路はわずかとはいえ電力を消費し続けるため、時計やリモコンのようなデバイスでは効率が悪く、アルカリ乾電池が通常1年もつところ数ヶ月で空っぽに、といった事態もありえます。
ところで、日本の電気用品安全法(PSE)では、「内蔵する単電池1個当たりの体積エネルギー密度が400Wh/L以上のもの」を規制対象としています。単三乾電池サイズでこの水準を超えるものは少なく、PSEマークの有無を気にする必要はありませんが、安全を意識するに越したことはなし、無難な使い方を心がけたいものです。
