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【連載】ガジェットTIPSリターンズ

あなたのスマホは「海水」に耐えられる?

公開日 2025/08/02 06:40 海上 忍
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電化製品は水気が苦手。導電性を持つ水が内部に入り込み基板や回路に触れると、本来流れない場所に電流が流れたり絶縁性が損なわれたりすることで、ショートなどの事故が発生してしまいます。

入り込んだ水分が真水であれば、通電前に充分乾燥させることで事故を回避できることもあります。ですが、ミネラルや塩分など不純物を多く含む海水の場合、腐食の可能性も加わってかなり絶望的な状況になります。

iPhoneを海水に浸すのはNGです Image : Bannafarsai_Stock/Shutterstock.com

とはいえ、すべてのスマホなどデジタル機器が海水に耐えられないわけではありません。その参考になるのが「MIL-SPEC(ミルスペック)」と「IP○○」、そして「塩水噴射などの独自試験」の記載です。

ミルスペックとは、米国防総省が制定した米軍の資材調達に関する基準の総称で、温度や湿度、振動や衝撃など環境要因に対するさまざまな試験が含まれています。デジタルガジェットなどの電子機器に関する最新版は「MIL-STD-810H」ですが、現在でも1つ前のバージョン(MIL-STD-810G)が広く利用されています。

IP○○は、IEC(国際電気標準会議)が定めたハードウェアの外側に関する保護等級であり、防塵防水に関する事実上の世界標準規格です。1つめの数字は防塵等級、具体的には砂塵やホコリに対する耐久性を表します。

2つめの数字は防水等級で、どちらも数字の大きいほうが耐久性に優れていると判断できますが、防塵性能は6、防水性能は8が最大とされています。ただし、IP○○の防水等級は真水/淡水を想定しているため、あくまで基本的な耐水性能と認識しましょう。

塩水/海水に関するチェック項目は、ミルスペックに用意されているものの、海辺や船上で利用されることが多い事情を考慮してか、デジタルガジェットでは独自の耐久試験を実施するメーカーが大半を占めています。商品紹介に「水深◯mに◯◯分沈めても浸水しない」「◯◯時間の塩水噴射耐性」、といった記述があるかどうかを確認しましょう。

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