ジム・キャリー主演のヒューマンコメディ!もしも自分の人生が覗き見されていたら…
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は1998年公開の『トゥルーマン・ショー』をご紹介します!
◇
『トゥルーマン・ショー』(1998年・アメリカ)
(配信:U-NEXT)
4K Ultra HD+ブルーレイ: 6,589円 (税込)
Blu-ray: 2,075 円 (税込) / DVD: 1,572 円 (税込)
発売・販売元: 株式会社ハピネット・メディアマーケティング
※記事公開時の情報です
ゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞したジム・キャリー主演のヒューマンコメディ。海に囲まれた小島の町で保険セールスマンとして働き、妻と共に平凡な毎日を送るトゥルーマン(ジム・キャリー)。しかし、彼の日常は全世界にリアリティーショーとして24時間TV放送されていた!ある日、海難事故で亡くなったはずの父親が目の前に現れるも、途端に何者かに連れ去られていく様を目撃したトゥルーマンは、自らを取り巻く環境に疑問を抱き始めていくのだが……。
1つの町が成り立つほどの巨大なセット、各所に仕掛けられた膨大な量の隠しカメラ、町の住人を装う俳優やエキストラたち。そして、たった1人だけ何も知らないトゥルーマンによって成り立つTV番組「トゥルーマン・ショー」。スマホやインターネットが当たり前に存在し、恋愛リアリティ番組などが人気を博す現代の価値観やコンプライアンスで捉えると、大なり小なり違和感を覚える設定かもしれない本作だが、作品の本質だけはどれだけの歳月が流れようとも色褪せない。他者が示す理想や希望にすがって歩んでいく人生と、大いにリスクは伴うものの、自ら決断して歩んでいく人生だったら、あなたはどちらを選ぶだろう。言わずもがな後者を選択する人が多いと思う。
しかし、心が弱っていたり明日に希望を見出せない時、前者を選んでしまいたくなる瞬間はないだろうか。何も知らず前者のような人生を歩んできたものの、その綻びに気がついたことで真実を追い求めていくトゥルーマン。今ある日常に満足しているのであれば問題ないが、僅かでも違和感が生じているのであれば、その違和感の正体を突き止める必要がある。偽りの人生を抜け出そうと奮闘するトゥルーマンの姿は、そんな人生における大切なことを示してくれるに違いない。重厚なテーマをコメディタッチで軽やかに描いた良作です。
『トゥルーマン・ショー』(C) 1998, 2023 Paramount Pictures.
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
| ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。 |
