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【第29回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

劇場公開と同時配信! 夏の終わりにオススメの冒険ファンタジー『雨を告げる漂流団地』

公開日 2022/09/23 06:30 ミヤザキタケル
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サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2022年公開・配信の『雨を告げる漂流団地』をご紹介します!

『雨を告げる漂流団地』(2022年・日本)
(配信: Netflix)

Netflix映画『雨を告げる漂流団地』独占配信中

『ペンギン・ハイウェイ』『泣きたい私は猫をかぶる』のスタジオコロリド長編アニメーション映画第3弾。幼なじみの小学生、航祐(田村睦心)と夏芽(瀬戸麻沙美)。夏休みのある日、かつて二人が住んでいた「おばけ団地」に友人たちと忍び込んだ航祐と夏芽は、そこで不思議な少年・のっぽ(村瀬歩)に出会う。すると、突然不思議な現象に巻き込まれ、あたり一面が大海原に。子どもたちを乗せた団地は、謎の海を漂流することに…。

Netflix映画『雨を告げる漂流団地』独占配信中

さながら「十五少年漂流記」や「漂流教室」の団地Ver.を思わせる本作だが、少年少女が手を取り合い困難に立ち向かっていく様や、彼らがいた場所が別空間へ転移するといったファンタジー性以外にも見どころがある。それは、消えゆくものに対する想いの描き方である。

Netflix映画『雨を告げる漂流団地』独占配信中

忘れてしまったこと、忘れたくなかったこと、今も忘れずに覚えていること。少年少女たちに訪れるひと夏の不思議な出来事は、それらのことにとても自覚的にさせてくれる。また、古くなり、廃れて、消えていく物に対する心構えをも示してくれる。登場人物が多いながらも、誰一人モブキャラと化すことのない描き方も秀逸で、夏の終わりに持ってこいの一本です。親子での鑑賞もオススメ!

※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。

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