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【連載】ガジェットTIPS

2022年はBluetoothオーディオの新規格「LE Audio」に期待!

2022/01/06 海上忍
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BluetoothやWi-Fi、HDMIといった主導する業界団体によって仕様がアップデートされる規格は、基本的にバージョン番号が新しいものが最新、最先端です。

しかし、「Bluetoothオーディオ」はその例外的存在。Bluetooth 3.xまでの規格(Classic Bluetooth)に準拠しており、Bluetooth 4になろうが5に上がろうが、引き続き3.xまでと同じ「A2DP」(通信方法や接続手順を示すプロファイルのひとつで、Hi-Fiオーディオ用)が使用されてきました。


LE Audioは、Bluetooth 5.2以降で実現される、Bluetoot LEの接続経路を利用するHi-Fiオーディオ規格です。Bluetooth 3.xまでのBluetoothオーディオ(以下、Classic Audio)との互換性はなく、LE AudioをサポートするからといってClassic Audioのサポートが約束されるわけではありませんが、メーカーの設計次第ではLE AudioとClassic Audioの両方を利用できるイヤホンなどの再生機器(あるいはスマートフォンなどの送信機器)を製造することは可能です。

いま現在、LE Audio対応製品はほとんど流通していない状況ですが、環境は整いつつあります。

まず、対応チップ(SoC)の存在。たとえばクアルコムはLE Audio対応のBluetooth SoCとしてQCC305xを発表済で、このチップを搭載したBluetoothイヤホンはLE Audioをサポートする可能性があります。

スマートフォン用SoC「Snapdragon 8 Gen 1」もLE Audioに対応可能ですから、このSoCを搭載したスマートフォンであればLE Audioで再生できるかもしれません。クアルコム以外のチップベンダーも続々とLE Audio対応SoCを発表しています。

「可能」とか「できるかも」と歯切れが悪いのは、実際にLE Audioのサポートを決めるのはイヤホンメーカーでありスマートフォンメーカーであることです。SoC自体は対応できるポテンシャルがあっても、製品にLE Audioの機能を有効化したチップを搭載するとはかぎりません。さらに、スマートフォンOS(Android OSやiOS)側のサポートも必要になります。

つまり、エンドユーザがLE Audioでオーディオ再生を楽しめるようになるには、「イヤホンとスマートフォン、スマートフォンOSなどのシステムソフトウェア」という3要素すべてが出揃わなければなりません。

LE Audio対応のSoCは2021年までに発表されているため、いよいよ今年は(今年こそ)LE Audioを実装した製品が発売されることが期待されます。

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