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ネットワークからPCの基本まで

まずはここから始めよう! ネットオーディオ「基本用語集」

公開日 2020/04/20 12:00 NetAudio編集部
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PCオーディオ関連


●ドライバ
パソコンで周辺機器を利用する際に、その機器をパソコンに認識・動作させるためのソフトウェア。USB DACをPCと接続して使用する場合に必要とされる。Windows OSでハイレゾ音源を再生したい場合、メーカーのホームページなどから適切なドライバをインストールすることが必要になる。MacOSではドライバが不要の場合が多い。

●オーディオインターフェース
パソコンと接続し、音声信号を入出力するための装置。USB DAC/ADCなどが該当する。パソコンからの信号を受け取り、アンプなどへ出力する役割を担う。また、録音やDTMなどで活用されることも多い。

●再生ソフトウェア
Windows PCやMacなどのOSのオーディオエンジンはそのままでは高次のハイレゾ音源やDSDなどの処理に対応していないため、専用のソフトウェアが必要となる。無償のものから数万円程度と価格の幅も広く、ソフトウェアによってできること・できないことがあるため、再生したい音楽に合わせて適切なものを選択する必要がある。PCオーディオ黎明期から評価の高いfoobar2000は、無料ながらさまざまなコンポーネントを追加でインストールすることでさまざまな機能拡張ができる。Roonは700ドル程度と高価だが、アーティストデータベースの利用やライブラリ管理、MQAデコードなどさまざまな機能を有している。オーディオコンポーネントだけではなく、再生ソフトウェアもひとつのオーディオ機器と捉えられる。

●USB Audio Class
USB接続するオーディオ機器を、パソコンのOS標準のドライバソフトで動作させるための規格。USB Audio Class1.0では96kHz/24bitまで、USB Audio Class2.0では192kHz/24bitまでサポートする。Windows OS、Mac OSとも現在は標準でUSB Audio Class2.0に対応する。

●オーディオエンジン
Windows OSのパソコンに搭載されるシステムで、オーディオ信号の音量を調節する機能を持つ。パソコンが再生する全ての音をまとめ、音量バランスを調整した上で、ドライバを通じて外部に出力する。ハイレゾ音源を再生したい場合は、foobar2000などの専用ソフトウェアを導入し、ASIOドライバやWASAPI排他モードを利用すると、オーディオエンジンをスルーした出力が可能になる。

●ASIO
スタインバーグ社によって開発された、オーディオデバイスのドライバ。ASIOに対応するUSB DACとの接続において、オーディオエンジンをスルーして音楽信号の伝送を行うことが可能。

●ASIO2.1
ASIOドライバの規格を拡張させ、DSD伝送に対応したもの。Windows OSとUSB DACの接続におけるDSDネイティブ再生では、DoPかASIO2.1のどちらかの方式を対応機器によって選択することになる。

●CoreAudio
Mac OSに搭載される音声信号を扱うシステムで、全ての音声信号は必ずCoreAudioを経由する。24bit整数型の音声入力に対応しており、ハイレゾ音源を劣化させず再生することが可能。

●WASAPI
Windows Vista以降に導入されたオーディオ関連のシステム。動作は共有モードと排他モードのふたつがある。共有モードでは通常と同様に、音信号はオーディオエンジンを通る。排他モードは再生ソフトが直接音源を読み込むことで、オーディオエンジンをスルーしての出力が可能となる。

●アシンクロナス
転送データ伝送において、パソコンのクロックとUSBオーディオ機器のクロックをアシンクロナス(非同期)で伝送・動作させる方式。オーディオ機器に高精度のクロックが用いられていれば、クロックのズレにより生じるジッターエラーの低減を実現できる。

●DSDネイティブ
USB Audio Classの伝送そのものがDSDに対応していないことにより、DSDファイルをPCMに変換しての再生を余儀なくされることがあった。それに対して、ドライバによる信号経路の確保や特殊な伝送方式によって、DSDファイルをそのまま再生することを実現するのがDSDネイティブ再生となる。

●DoP/DoPE
USBオーディオにおけるDSDネイティブ再生を実現する方法のひとつとして、DoP(DSD over PCM)が挙げられる。DSDファイルを擬似的にPCM信号の格納容器に収めて伝送を行い、受け取ったDAC側でDSDとして読み込むという方式となる。これをネットワーク経由で行うのがDoPE(DSD over PCM Ethernet)。

●バッファ
情報を一時的に記憶する領域。サイズの大きなデータを処理して出力する際に、処理が間に合わず出力と時間のズレが生じてしまうことがある。これを調整するために、バッファで処理した情報を記録、蓄えたものを出力する。バッファサイズが大きければ、その分だけ多くの情報を蓄えることになる。再生ソフトウェアではバッファサイズの設定を行えるものがあり、音切れ等が気になる場合はバッファを多めに取ることで解消できることも多い。

●DSP(=Digital Signal Processor)
デジタルの音声信号を制御する技術のこと。アップサンプリングやイコライザー、ルームチューニングの設定など、ソフトウェアによってさまざまな機能が搭載されている。

●DAW(=Digital Audio Workstation)
音楽制作に用いられるソフトウェア。主なものにProTools、Nuendo、Pyramixなどがある。1990年代以降音楽スタジオが急激にデジタル化するのに合わせ、DAWも大きく発展してきた。ハイレゾ音源の制作には必須のソフトウェアで、特にPyramixはDXDやDSDの録音に対応しており、音にこだわるミュージシャンやエンジニアから広い支持を集めている。

●ラズベリー・パイ
数千円で購入できる超小型のシングルボードコンピュータ。さまざまなプログラムを組み込むことで、ハイレゾも再生できる小型のミュージックサーバーを組み上げることができる。


ネットワークオーディオ関連


●サーバーソフト
ネットワークに接続された機器にデータなどを提供するソフト。NASに搭載されるTwonky MediaやMinim Serverなどが該当する。このソフトによって、ネットワークプレーヤーや操作端末などはNASに保存された音楽ファイルを検索、再生が可能となる。

●ファームウェア
電子機器の制御を行うためのソフトウェア。ネットワークプレーヤーなどでは、ファームウェアをアップデートすることで、新たなファイル形式への対応や動作の改善などを行うことができる。

●DLNA/UPnP
加盟する各社の製品が相互接続を可能にするための共通規格。現在は規格策定組織が解散しているためアップデートは行われないが、ガイドラインは引き続き存在している。UPnPというネットワークプロトコルに則って規格策定が行われている。DLNA対応機器は、DMS(デジタル・メディア・サーバー)、DMR(デジタル・メディア・レンダラー)、DMC(デジタル・メディア・コントローラー)などに分類される。DMSはサーバーとしてデータの保存・管理を行い、レンダラーは再生機能、DMCはリモコン機能を有する。一般的なネットワークオーディオ再生においては、NASがDMS、ネットワークプレーヤーがDMR、iPadなどの操作端末がDMCとなる。

●OpenHome
UPnPをベースに、DLNAを「より使いやすく」改良したネットワークオーディオのためのプロトコル。イギリスのLINNがDSシリーズとともに発展させてきたものだ、あくまで「オープン」な規格となる。ギャップレス再生やオンデバイスプレイリストなど、音楽再生にまつわるさまざまな機能が標準で搭載されている。ネットワークプレーヤーやNASなどのハードウェアはもちろん、操作アプリにも対応モデルが増えている。fidataのNASでは、設定で「DLNA対応」または「OpenHome対応」を選ぶことができるなど、DLNAとOpenHomeの双方に対応したものも少なくない。

●ギャップレス再生
ひとつの音源の終わりと次に再生される音源の始まりに、ポーズが入らず再生される仕組み。ライブ音源などでもデータが分かれていれば継ぎ目が生じてしまうが、ギャップレス再生に対応したソフトであれば違和感のない連続再生が行える。

●オンデバイスプレイリスト
プレイリストをレンダラー側が管理する仕組み。DLNAではDMC(コントローラー側)がプレイリストを管理するため、操作アプリを落とすと再生が途中で止まってしまう。しかし、OpenHome対応の機器では、レンダラー側がプレイリストを管理するため、操作アプリの状態に関係なく、プレイリストの最後まで音楽再生が継続される。

●定額制ストリーミングサービス(サブスクリプション)
音楽データをアルバム単位や単曲で購入するのではなく、毎月決まった金額を支払うことで、サービスが提供する何百万曲もの楽曲が聴き放題になるサービス。国内ではApple musicやSpotify、海外ではTIDALやQobuzなどが知られる(映像ストリーミングサービスではNetflixやAmazon Prime Videoなどが有名)。音源をダウンロードしないため、ネットワーク環境下にあればいつでもどこでも音楽が楽しめること、またひとつのアカウントで複数のデバイスで活用できるなど、メリットも大きい。ただし、サービス側の都合で突然あるアーティストの音楽が聴けなくなることなど、課題もある。

●IPアドレス
ネットワークに接続された機器に割り振られる識別番号。グローバルIPアドレスとローカルIPアドレスがある。グローバルIPアドレスは、各家庭ごとのルーターに代表して割り振られたもの。ローカルIPアドレスは、そのルーターが家庭内の各機器に割り振るIPアドレスのことを指す。192.××.××.××などの数字列で表される。ネットワークオーディオにおいてネットワーク上で対応機器を見失ってしまった場合、IPアドレスを探すことで該当の機材を見つけ出しやすくなる。

●Wi-Fi
無線LANの統一規格のひとつ。ネットワークオーディオにおいては、操作端末(スマートフォンやタブレットなど)を、ネットワークオーディオ機器が接続されているのと同一のWi-Fiネットワークに接続することで操作が可能になる。ネットワークオーディオ機器を見失ってしまった場合、異なるアクセスポイントに接続していないかチェックすることは重要。無線対応ルーターの背面などに、SSIDとパスワードが記載されており、それを入力することで利用可能になる。また、オーディオ機器でもWi-Fi機能を搭載しているものもあるが、ハイレゾなど大容量の音楽データをやり取りする場合は、音切れなどの可能性も踏まえ有線LANを利用した方が良いことが多い。

●メッシュWi-Fi
家庭内においてWi-Fiに接続される機器が増えてきたことを踏まえ、無線が安定して接続できるようにする新しいWi-Fiの考え方のこと。これまでは、建物の2Fや障害物があるところでは、無線が途切れがちになってしまうこともあった。そこで、複数の中継機を設置し、網の目のように相互接続することで、安定したWi-Fi接続を実現する。

●AirPlay
Apple社が提供している独自のワイヤレス通信機能。iOSデバイスやMacなどに標準搭載されており、オーディオ機器が対応していれば、ワイヤレスで音楽再生ができる。ただし対応フォーマットは48kHz/24bitまで。AirPlay2ではマルチルーム対応となる。

●Bluetooth
汎用的な近距離ワイヤレス通信規格のひとつ。ほとんどのPCやスマートフォン・タブレット端末に搭載されており、オーディオ機器としてもBluetoothスピーカーやイヤホンなど、対応機種が急速に増加している。使用の際には対応機器同士を1対1で認識させるペアリングを行う必要がある。音質面では不利とされていたが、ソニーが推進するLDACや、クアルコムが推進するaptX HDなどはハイレゾ相当のデジタル音声も伝送できる。

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