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【連載】ガジェットTIPS

USBメモリやSDカードに「苦手なデータ」があるって本当?

2020/03/06 海上忍
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USBメモリやSDカードといえば、写真や動画の一時保存に、ワープロや表計算といった文書の受け渡しに活躍する小さな記憶装置。ウイルスなどマルウェア感染を防ぐために、企業では利用されなくなってきましたが、デジタルガジェットなどプライベートな用途には、大量のデータ/ファイルを効率的に保存できるありがたい存在です。

そんなUSBメモリ/SDカードは、記憶素子には同じ不揮発性(通電していなくてもデータを保持できる)の「NANDフラッシュメモリ」を利用しています。データアクセスはページ/ブロック単位のためごく小さいデータの扱いが苦手、上書きができないため一度消去してから書き込む必要があるなど多少のクセはあるものの、大容量記憶装置を安価に実現できます。

サイズが小さめのランダムアクセスは苦手な傾向があります

磁気記憶装置にデータを読み書きするときの方式には、連続するタイプ(シーケンシャルアクセス)と不連続なタイプ(ランダムアクセス)が存在しますが、NANDフラッシュメモリはサイズが大きめのシーケンシャルアクセスは得意なものの、サイズが小さめのランダムアクセスは苦手な傾向があります。

だから、オペレーションシステムのようなサイズの小さいファイルが大量に存在するコンテンツには、USBメモリやSDカードは適していません。一方、デジタルカメラで撮影した写真や動画のようにデータが連続しサイズが大きめのファイルは高速に読み取れるため、適しているといえます。

ところで、ノートパソコンの記憶装置として採用事例の多い「SSD」もNANDフラッシュメモリの一種ですが、ランダムアクセスは高速です。USBメモリやSDカードも、高速なランダムアクセスを売りにしている製品が存在します。つい価格ばかり見てしまいがちですが、ランダムアクセス性能を選択基準にしてみると、違った一面がみえてくるかもしれません。

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