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防音・調音で音環境を良くする!<第2回>遮音ってなに?「音の防ぎ方の鉄則」を知ろう!

公開日 2011/09/14 10:58 ホームシアターファイル編集部
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大きな開口部をふさごう。内窓や防音ドアでも効果◎

理想を言えば部屋の六面全てを同じ遮音性能にすべきだが、本格的な工事をしないと困難である。ダイケンなどでは、A防音、B防音、S防音と遮音性能別に施工のメニューが用意されている。


そこまでいかなくとも、一般的な住宅の壁はおよそ20dBの遮音性能があるので、壁以外に目を向けてみよう。遮音性能が低いのは開口部であり、室内の三大開口部は窓、ドア、換気扇だ。この他ダウンライトなど、断熱材の少ない箇所からも、音は漏れる。三大開口部のうち、最も広い面積を占めるのは窓である。窓をケアするだけで、音漏れは大きく軽減する。お薦めは内窓の導入だ。本誌はトステムの「インプラス」、AGC旭硝子の「まどまど」をお薦めしたい。「インプラス」はふかし枠を用いれば中空層をさらに厚く取ることが可能で、より高い遮音性能を獲得できる。「まどまど」はアルミと樹脂のハイブリッド構造を採用し、用意するすべてのガラスが高機能タイプで、トップクラスの高遮音性能を誇る。なお、勘違いされている方が多いが、ペアガラスの遮音性能は高くない。むしろコインシデンス効果によって、250〜450Hzの遮音性能が極端に落ちてしまう製品もある。

また、防音ドアの導入もお薦めしたい。ダイケンのSD3や、ヤマハの木製防音ドアをお薦めしておこう。

部屋の中に部屋がある!
専門業者に依頼しよう



究極の遮音といえば、スタジオなどで採用されているのが浮き構造だ。ルーム・イン・ルームとも呼ばれ、躯体の中に防振ゴムなどを用いて振動を絶縁した遮音層を設けて、その中にもうひとつの部屋をつくる。要するに部屋の中に部屋をつくり、その中間に振動を伝わらないように空気層と防振支持を設けるというものだ。この手法で重要なのは、穴や隙間を徹底的にふさぐことだ。音は開口部から漏れる。空調設備、照明、コンセント、埋め込みスピーカーなど、多数の開口部をふさいだり、特殊な部材を用いる必要がある。そのため、日東紡音響エンジニアリングのような防音のプロフェッショナルにゆだねるべきだ。

なお、浮き構造はリフォームでも可能だが、大掛かりな工事となってしまうので、ベストなチャンスは新築時である。新築時であれば、周辺の環境によっては、浮き構造にしなくても、しっかりとした遮音性能を確保できる場合もある。いずれにしても、日東紡音響エンジニアリングなど、防音と音響設計のプロに相談してみよう。


※本コラムは「ホームシアターファイル 63号」から転載しています。

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