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OS X Lionでコマンドを発見

「Ethernet AVB」で変わる? アップル製品のオーディオ環境

公開日 2011/08/09 11:55 海上 忍
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先日リリースされたMacの新OS「Lion」。さまざまな新機能が話題だが、直接オーディオに関係するものは見当たらない。しかし、システム領域を注意深く観察すると、いまだ発表されていないオーディオファン注目のフィーチャーがある。今回は、その隠れた新機能「Ethernet AVB」を取り上げてみよう。

■Lionにはまだ知られていない機能強化点がある?

Lionには、いまだ知られていない機能強化点があるようだ。先日、/usr/sbinディレクトリのコマンド一覧をSnow Leopardのものと比較していたところ、見慣れない「avbdeviced」というコマンドを発見した。なにかと思い、念のため「man avbdeviced」を実行しオンラインマニュアルを表示したところ、Ethernet AVB関連のプログラムであることが判明した。

「avbdeviced」のオンラインマニュアルをターミナル上で表示したところ。現在のところ使われていないようだが……

この「avbdeviced」はデーモンやサービスと呼ばれるプログラムで、システム起動時やデバイス接続時などなんらかのきっかけで動作を開始し、システムに常駐を開始する。オンラインマニュアルに「The avbdeviced is a daemon used for discovering, configuring and controlling Ethernet AVB devices」とあることから、文字どおりEthernet AVB対応機器を検出し、設定や管理を行う働きを担うことがわかる。

LionでEthernet AVBがサポートされるということは、今後Appleがどのような製品展開を図るのかの指標になる。Ethernet AVBはオーディオと大いに関係のある規格であり、ひょっとすると、MacなどApple製品を車軸の中心(デジタルハブ)に見立てた壮大な計画すらあるかもしれない。

■そもそも「Ethernet AVB」とは何者か?

計画を推量するその前に、Ethernet AVBという規格の概要についてかんたんにまとめておこう。

Ethernet AVBの正式名称は「IEEE 802.1 Audio/Video Bridging」(IEEE 802.1AVB)、そこからわかるとおり標準化団体のIEEE(米国電気電子技術者協会)により策定された「Ethernet経由で映像や音楽を伝送するための規格」であり、わかりやすくいえば「Ethernetを使った家庭向けAVネットワーク」だ。

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