パナソニック旗艦4Kテレビ「Z95C」視聴レビュー! 評論家が「傑作」と高評価する理由とは?
映画作品ではまず、4K Ultra HDブルーレイ『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の海のシーンを再生し、コントラストと明部階調の限界値をテストした。激しい波に強烈な太陽光が反射する、従来の有機ELでは一瞬でハイライトが白飛びしてフラットになりがちな過酷なシークエンスである。
しかしZ95Cの画面を凝視すると、波頭の最も眩しい煌めきの領域に、本来あるべき波のうねりや立体的な水飛沫の階調が、緻密なトーンマッピングによって破綻なく残されていることに驚かされた。
そのまま同作の閃光が飛び交う夜間の戦闘シーンへ移行すると、爆発のハイライトが劇的に高まった輝度によって網膜を刺激する一方で、ピーク輝度付近の周辺の色づきなど、階調の乱れを巧みに抑える。眩しさのなかに豊かな色彩のエネルギーを残す、このチューニング込みの画質完成度こそ、Z95Cの到達点だ。
次いで視聴したのが、映画『マリアンヌ』だ。こちらも4K Ultra HDブルーレイで視聴。陰影豊かでクラシカルな映像トーンを持つ本作では、チャプター2の屋外夜間のシーンの艷やかな質感、屋内シャンデリアの明部階調のディテールまでを確かめた。
本作屈指の高難易度シーンである夜間の空襲シーンでは、狭いエリアでの閃光の眩しさをリアルに感じさせながら、同時に暗いトーンのまま展開されるドラマは暗部を沈めつつ階調性を保つ。
完全暗室の視聴環境で低照度のソースという組み合わせにおいて、有機ELパネルでしか成し得ない画質の安定性の領域がある。Z95Cが追求するのは、そんな映像制作の基準となるマスターモニターに迫る領域だ。
テレビの限界を超える迫力の音が映画の没入感を高める
音響面においても、この画質に相応しい劇的な進化を体験できた。前向きのラインアレイスピーカー、上向きのイネーブルドスピーカー、横向きのワイドスピーカー、そして背面のウーファーとパッシブラジエーターで構成される「360立体音響サウンドシステム+」は、ハードウェアの圧倒的な物量を引き継ぎつつ、独自の信号処理アルゴリズムがさらなるブレイクスルーを果たしている。
4K Ultra HDブルーレイ『ミッション:インポッシブル / ファイナル・レコニング』や、音楽の生々しさが求められる『名もなき者 / A COMPLETE UNKNOWN』を視聴して、音質をテストすると、新搭載された音像定位処理の効果が即座に体感できた。
5.1chなどのマルチチャンネル音声において、これまではどうしても画面の下方に定位しがちだったセリフなどのセンター成分が、的確に画面中央、つまり演者の口元の高さへと持ち上げられている。
これにより、映像の動きと声の出所が完璧にシンクロし、映画館のスクリーン背後にスピーカーが配置されているかのような一体感が得られる。
また100Hz以下の重低音に対して、信号処理によって響きと量感をアドオンする「レゾナンスベース」処理の効果も絶大だ。
映画の爆発音や地鳴りが再生された瞬間、ファンレスの薄型テレビとは思えないほどの、映画館のシートを物理的に揺らすような地を這う重低音が出力され、空間全体を包み込む。
これほどのクオリティをテレビ単体で実現している点には、オーディオブランドTechnicsの専門技術者が深くコミットしたサウンドチューニングの含蓄の深さを感じざるを得ない。
画と音はレファレンス級、安全で使いやすく死角なし
TV-65Z95Cは画質・音質、そして設置の安全性やスマート機能の利便性を含む全体のバランスにおいて、死角のない総合的な完成度を誇る傑作である。
特に映画視聴において、本機がもたらす恩恵は計り知れない。最新世代の設計がもたらす、パネルの限界を追求するリアル志向の高輝度と、有機ELのアイデンティティである完璧な黒が真に融合したことで、映画制作者が意図したドラマの本質を、家庭にいながら100%の純度で受け取ることができる。
暗部をただ黒く沈めるだけでなく、眩しい光の中に潜む豊かな色と階調をここまで精緻に描き出せるパネル方式は、有機ELの他にはないのだ。
テレビの本質である画と音の正確性をどこまでも一途に追求した、レファレンス級のハイエンド4Kテレビ。パナソニックのフラッグシップであるZ95Cシリーズは、そんなオーディオ・ビジュアル市場の絶対的なベンチマークとして評価するべき水準に到達している。

[SPEC]
●デジタルチューナー数:地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×3、BS4K/110度CS4K×2 ●画素数:3840×2160 ●対応HDR規格:HDR10+、HDR10+ ADAPTIVE、Dolby Vision、Dolby Vision IQ(Dolby Vision IQ Precision Detail対応)、HDR10、HLG ●スピーカー:ラインアレイスピーカー×1セット、イネーブルドスピーカー×2、ワイドスピーカー×2、ウーファー×1 ●音声出力(65型/55型):170W(80W+15W+15W+15W+15W+30W)/160W(70W+15W+15W+15W+15W+30W) ●主な入出力端子:HDMI入力×4(ARC/eARC対応×1)、光デジタル音声出力×1、ステレオミニ出力×1、USB入力×3 他 ●ネットワーク接続:LAN×1、Wi-Fi(2.4GHz/5GHz/6GHz) ●主な対応動画配信サービス:Amazon Prime Video、Netflix、Disney+、YouTube、TVer、U-NEXT 他
65型「TV-65Z95C」●消費電力:543W(待機時0.5W) ●外形寸法:1,448W×916H×348Dmm ●質量:29.0kg
55型「TV-55Z95C」●消費電力:414W(待機時0.5W) ●外形寸法:1,227W×792H×348Dmm ●質量:24.0kg
(提供:パナソニック)
