【ミニレビュー】直球勝負のハイファイ性能。フルテックの6口電源タップ「e-TP609 NCF-N1」
今話題のアクセサリーを毎週ピックアップして、音質改善のポイントをコンパクトにご紹介する「オーディオアクセサリーひとくちレビュー」。今回はオーディオアクセサリー銘機賞2026の「グランプリ」受賞モデル、FURUTECH(フルテック)のNCF搭載電源タップ「e-TP609 NCF-N1」をテスト!
直球勝負の音質!システムの中枢で長く使いたい
「e-TP609 NCF-N1」、持ってみるとずっしり重い。プレミアムグレードのアルミブロックからCNC加工されたシャーシだという。いかにも不要振動に強そうだが、さらに非共振コーティングで仕上げられているというから徹底している。
搭載するコンセントはフルテックのフラグシップ「GTX-D NCF(R)」で、内部配線は同社のα-22。その他シャーシ内部の底板に特殊素材「GC-303」を敷き詰めて内部の部品から発生するEMI(電磁干渉)を吸収する等々、こだわり抜いた内容である。AUDIAのプリメインアンプ「FLS9」に給電する電源ケーブルを繋いでQobuzで試聴してみた。
シヴァート・ハイヤム「Blown Away」はすべての音像がビシッと安定。ヴォーカルは特に中低域成分が充実していて濃厚な音色である。ノイズフロアがたいそう低い。ギターの前後位置が非常に明瞭で驚く。
…しかし何より素晴らしいのは音作りが直球勝負で真っ当なバランスであることだ。ハイファイ性能のずば抜けた高さには驚かされるが、音調に気をてらったところが皆無なので、どの曲を聴いても気がつくとただ音楽に聴き入ってしまっているのである。
ハイ・ファイ・セット「卒業写真」はS/Nの高さと色付けの無さとが相まって、ナローで分厚い音調を存分に楽しませてくれる。
「Hoist The Colours(Bass Singers Version)」はヴォーカルとバスドラムの低域の沈み込みに大きな余裕感がある。これはe-TP609 NCF-N1の振動制御能力の高さを物語っているだろう。
システムの中枢で永く使いたい銘機である。
