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PR上位モデルのエッセンスを継承した「DP-500BT」

日常に溶け込むアナログプレーヤー。デノン「DP-500BT」、信頼の高音質をいつでも耳元へ

公開日 2026/04/17 06:30 生形三郎
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信頼の高音質と、最新機能を融合したアナログプレーヤー

2025年、米国でのアナログレコード売り上げが21世紀ではじめて10億ドルを超えるなど、レコードの盛り上がりは未だに翳りを見せることがない。むしろ、AIが台頭する、スマートフォン全盛の時代だからこそ、アナログの存在感が高まっていると言えるのだろう。

それもあり、スピーカーを内蔵した手軽なモデルから10万円以下のプレーヤーなどのエントリーモデルが、近年数多く登場してきた。そして、実際にそれらを導入したユーザーの中には、次のステップとして、さらに一歩踏み込んだ上級モデルの導入を検討しているユーザーも多いことだろう。

そんな、エントリーよりは上だがハイエンドまではいかない、10万円強というちょうど良い価格帯で登場したのが今回のDENON(デノン)「DP-500BT」である。

DENON アナログプレーヤー「DP-500BT」(価格:138,600円/税込)

Bluetoothにオートリフター機能も搭載

本機は、10万円台の機器としては珍しく、Bluetooth機能(しかも本体ボリューム機能付き)、アームのオートリフター機能を搭載するという、本格志向ながらも実用性を重視した新たなスタイルを実現したモデルとなっている。

実機を前にすると、微かに角が丸みを帯びた柔和でスタイリッシュなデザインが心地よい。ターンテーブルの外周部分もくびれた形になっており、これはフラグシップ機の「DP-3000NE」譲りの意匠ということが見てとれる。

MMカートリッジとヘッドシェルは標準で付属

また、回転スタートダイヤルやアンチスケーティング・ダイヤルの天面も斜めにカットされ光を受けて仄かに煌めくなど、これは「DP-400」から続くものだが、親しみやすい美しさを持ったデザインが本機の特徴と言える。

オン/オフと回転数を切り替えできるスイッチ。33、45のほか78回転に対応することも特徴

これらのデザインが、レコードプレーヤーという古より続く伝統的な再生装置を、現時代的な新しさと上質さを伴った形で蘇らせることに成功していると感じる。オーディオ機器に親しみがない方や、仰々しくないデザインを求めるユーザーにとっても、確かに手に取りやすいデザインなのではないだろうか。

フォノイコライザーも内蔵しており、背面端子でオンオフが可能。出力はRCA1系統

「精緻感」のある出音が聴き心地良い

早速、音を聴いてみる。付属のカートリッジとフォノイコライザーを使用して試聴する。まず、盤を載せてダイヤルスイッチを回して驚いたのが、回転始動の素早さだった。

DP-500BTを早速試聴開始!本格オーディオシステムに組み込んでも活用できる

本機は、ゴムベルトを介してモーターの回転をプラッターへと伝えるベルトドライブ方式だが、プラッターがスイッチオンとともに瞬時に定格スピードへと達するため、タイムラグがなく、すぐさま盤に針を下ろすことができる。同様にストップも素早く回転が停止するので、まるでダイレクトドライブ方式のプレーヤーのようにキビキビとした動作で扱うことができた。

そのサウンドは、アナログレコードのイメージにピッタリな滑らかさやウォームさがありつつも、現代デノン製プレーヤーらしい「精緻感」のある出音が聴き心地良い。

ジャズピアノトリオとして、45回転盤の八木隆幸トリオ『CONGO BLUE』を聴いてみても、音の鮮度の高さをしっかりと汲み上げつつ、レコードに対する普遍的な心地よさのイメージと、現代的な精緻感が両立しているのだ。まさに、昨今のデノン製品に通ずる上質さが実現されている。

ウッドベースはボディの鳴りが豊かだが、ピチカートによる指弾きの反応も実に素早い。ピアノの音色には、高域がなめされた滑らかでリッチな品の良さがありつつ、打鍵のタッチや発声の強弱なども着実に描き上げるきめ細やかさが備わる。

続いて、ヴォーカルソースとしてグラシェラ・スサーナの『76/45』を聴いてみたが、やはり歌声には程よい温かみがありつつも繊細な表情も着実に捉えている。ステージに響く残響など、ホールを使ってライヴ録音された臨場感が豊かに伝わってくるのだ。

DP-3000NEでも感じた、ディテールに富みながらもスムースな聴き心地が実現されている。

思うにこれは、トーンアームの性能も大いに影響しているのだろう。デノンはご存知の通り、NHKとの共同開発による業務用プレーヤーや日本初のMCカートリッジ「DL-103」の発売など、まさに日本のレコード再生の礎を築いてきたブランドだ。そんな一時代を築いたOBによるアドバイスももらいながら、過去の図面を基に一から新規開発したトーンアームが、このサウンドを実現していることは間違いないだろう。

デノンのOBにも協力を仰いで完成させたという本格仕様のトーンアームも大きなこだわり。針圧やアンチスケーティングなどもシンプルに設定できる

そして、そんなトーンアーム等の恩恵による現代的な端正さとシャープさもあるが、おそらくはカートリッジ由来と思しき、全体的なナローレンジ感があり、どこかセピア調を思わせる描写の塩梅が絶妙なのだ。このままで楽しむのも心地よいし、カートリッジを変更したり外部のフォノイコを使用することで、また違ったレコード再生の世界を楽しませてくれることだろう。

プラッターを外したところ。ベルトドライブ方式だが、キビキビとした回転動作が特徴

完全ワイヤレスやヘッドホンでチェック!

続いて、本機の特徴の一つでもある、ワイヤレス再生を試してみる。Bluetooth接続のコーデックが高音質なaptX Adaptiveに対応していることもポイントだが、本体側に音量調節ボタンを設けることで、ボリューム操作しにくい完全ワイヤレスイヤホンなどの使用時にも急に大音量が出てしまうといったトラブルを回避する配慮がなされており実用的だ。

Bluetoothのペアリングスイッチはフロントに設置。ペアリングに成功するとブルーに光る。またアナログプレーヤー側にボリュームコントロールが搭載されている点も注目。急に大きな音が出てしまう場合など、プレーヤー側で操作できると耳の健康面でも安心だ

試しに、JBLのワイヤレスヘッドホン「Live 780NC」に繋いでみる。ヘッドホンならではの至近距離から音が迫る感じが快い。ダイナミックかつタイトな低音が飛び出してきて、演奏のダイナミクスがよくよく伝わってくる。先述している精緻さ、音のキレの良さが、耳へとよりダイレクトに伝わってくるのだ。まさに、レコードの音をかぶりつきで楽しめる。

同様に、JBLの完全ワイヤレスイヤホン「Tour Pro 3」と繋いでも、やはり鼓膜の直近から発せられるダイレクトな音の届き方が特徴。ユーザーのお気に入りのイヤホンでDP-500BTのサウンドを堪能できるのが楽しい。

完全ワイヤレスイヤホン「Tour Pro 3」でもレコードが楽しめる!

イヤホンやヘッドホンは、どこにいてもスイートスポットの音を味わえることが魅力だ。スピーカー再生ではなかなか聴きとることが難しい、演奏空間のアンビエンスや、演奏者の呼吸や動きなど、深いディテールに容易く踏み込めることによる高い没入感がこの形態の醍醐味の一つとも言える。

レコード再生というと、スピーカーから聴くもの、アナログ接続で楽しむもの、という図式が一般的であるが、ワイヤレスイヤホンやヘッドホンで楽しむのも実に楽しいものであると実感した。

ワイヤレススピーカーやサウンドバーでも!

続いて、DENONのBluetoothスピーカー「DENON HOME 150」を2台使ってのステレオスピーカー再生を試してみる。このサイズとは思えない、生々しくて弾みのある音楽再生が出てくることに驚かされた。

DENONのワイヤレススピーカー「DENON HOME 150」とも組み合わせ!1台でも再生できるが、2台用意すればステレオ再生にも対応!

さすがに低域こそ窮屈さはあるが、適度な音量の再生では、アナログならではの連続性豊かな空気感や歌声の臨場感が十全に伝わってきて、コンパクトなシステムながらも、レコードやスピーカー再生の楽しさをしっかりと伝えてくれた。家族や友人と気兼ねなくレコード再生を楽しむひとときが思い浮かぶ音なのだ。

最後に、JBLのサウンドバー「Bar 800MK2」にも接続してみると、まるでサウンドバー全体から、今まさにこの場で音楽が放出されているかのような生々しさや臨場感を体感することができた。

Bluetoothに対応しているサウンドバーと組み合わせることも可能!

たとえセパレートスピーカーやコンポーネントを設置できない環境であってもレコードならではのサウンドを楽しめることは、それだけで有意義なことであろう。きっと、これだけで部屋の空気も大きく変わるはずだ。

エントリーからステップアップしたいユーザーにおすすめ!

総じて、DP-500BTは、同社のフラグシップモデルDP-3000NEのエッセンスを踏襲し、価格を抑えながら上質なレコード再生を追求したモデルとなっていることを体感できた。

レコードプレーヤーは、10万円台以降となると、本格志向となる故か、Bluetooth接続機能やアームのオートリフター機能が非搭載なモデルが圧倒的多数である。

しかしながら、オーディオの楽しみは、音質だけではない。純粋なアナログ接続時のレコード再生の音質はもちろんのこと、ワイヤレスで高音質に再生できる実用性も備わっていれば、一層レコード再生の楽しみの幅が広がることは間違いない。

そして、アームのオートリフター機能も同様だ。再生終了後にすぐにプレーヤーに駆け寄ってトーンアームを持ち上げなければならないという作業や気持ちから解放されると、もっともっとレコード再生と、つまり音楽と、ストレスなく日常的に親しく付き合うことができる。

振動対策にも配慮されたフット

伝統を確かに引き継ぐ信頼の高音質と、レコード再生の楽しみの幅を広げてくれる機能や親しみやすいデザインの両立。それを高次元で実現したのが、このDP-500BTなのである。

エントリー機からステップアップを果たしたい、しかしながら、音質だけを最優先した堅苦しいプレーヤーには気が引けてしまう。DP-500BTは、まさにそんなユーザーにピッタリの名作だと筆者はレポートしたい。

(提供:ディーアンドエムホールディングス)

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