HOME > レビュー > セパレートDACの“リアルサウンド”を手元で実現。HiBy上級DAP「R6 Pro II」レビュー

PRデュアル増幅回路にAKM最先端DACを加えた高い完成度

セパレートDACの“リアルサウンド”を手元で実現。HiBy上級DAP「R6 Pro II」レビュー

公開日 2023/10/10 06:30 岩井 喬
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

■2つの音調を楽しめるアンプ回路に、機能性/操作性も欠かさず充実



本機のデュアル増幅回路は、A級/AB級各々の増幅回路を個別に用意し、ソフトウェアメニューから随時切り替えて楽しむことができる豪勢な仕様であり、TI製オペアンプ「OPA1652」を2基、NXP社製バイポーラトランジスタを8基搭載する。

画面の上から下にスワイプして呼び出すメニューから、アンプの動作方式を簡単に切り替えられる

A級動作は出力段素子の動作曲線において、直線部分に動作点を置く手法であり、クロスオーバー歪みもなく、過渡応答性も早い。そのサウンドの特徴は滑らかで、楽器の質感も艶良く引き出す。密度が高く力強い音像表現に加え、ドライブ能力も高く、小型ヘッドホンやハイブリッドIEMなどでも難なく駆動できるよう設計されているという。

もう一方のAB級動作は一般的に広く用いられている回路であり、低歪みで音質的なメリットの多いA級動作と、効率的に大出力を実現できるB級動作の中間的な動作が特徴だ。A級動作より発熱も少なく高効率でありながら、大出力と低消費電力を実現する手法である。

本機のオーディオ設定メニューには、アンプ以外にもゲインやDACのフィルター切り替え、音質カスタマイズ機能などさまざまな項目が用意されている

メインOSはAndroid 12をベースにカスタマイズした「HiBy OS」。Androidの取り回しの良さはそのままに、システムカーネルからサンプリングレート変換機能をバイパスさせる「Direct Transport Architecture(DTA)」を導入し、OS由来の音質劣化を抑えた設計思想が評価されている。

加えてSoCには、オクタコアCPUを内包するクアルコム製「Snapdragon 665」を採用。これらによるレスポンスの良い快適な操作性も本機の特徴の一つである。なおMQAファイルに関しては16倍の展開が可能だ。

設定画面から確認できるR6 Pro IIのスペック。音質はもちろんのこと、スムーズな操作性も合わせて追求している

さらにBluetooth接続はLDACやaptX HD、独自規格UATなど高音質コーデックの送受信に対応。またクロック部には45.1584MHzと49.152MHz、2系統のレートに対応したフェムト秒精度のNDK製超低位相ノイズ水晶発振器を装備する。

ボディはアルミ製で、波打つようなバックプレート、握りやすさにも配慮したアシンメトリックデザインなど、これまでのモデルから意匠を大きく変更。ヘッドホン出力は3.5mmシングルエンド&4.4mmバランスを装備する他、同じ構成のライン出力も備えており、同軸デジタル出力も取り出せる。

背面には波のような意匠や、片側にだけ傾斜をつけるなど、従来モデルと異なる印象を作り出している

USB Type-Cポートを中心に、ライン出力/ヘッドホン出力を対称に配置している


「Flip Vertically」を使えば、画面および出力端子の向きを上下逆転させることが可能。アシンメトリックなデザインのおかげで、ホールド感は変わらない

■AKMセパレートDACの空間表現が手元で味わえる“破格”のDAP



試聴にはビクター「HA-FW10000」を組み合わせた。全体的な傾向としては、AB級動作は見通しの良い音場表現と、キレ良く明瞭に立ち上がる音像が織りなす高解像度なサウンドを展開。低域方向の引き締めも良く、楽器のディティールも色付けなく素直に引き出す。AKMのセパレートDACソリューションならではの高S/Nで澄み切った空間表現力も相まって、シャープで分離の良いサウンドを味わえる。

A級動作に切り替えると音像のボディ感が増し、低重心で安定感のある表現に変化。余韻の階調性も一際高まり、楽器の艶やかさや、輪郭のエッジを抑えた、上質でゆとりのあるサウンドとなる。落ち着きのあるナチュラルな音像の佇まいは非常に耳当たり良く、弦楽器の潤いも流麗に描き出す。

次ページ楽曲ジャンルごとに、セパレートDACとデュアルアンプの力を聴き込む

前へ 1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE