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良い音を聴いて走るとテンションもアップ

ソニー「Float Run」を着けて走ったら記録が伸びた。これがランニングの最適解かもしれない

公開日 2023/04/14 06:40 編集部:松永達矢
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■「何も身につけていない」ような装着感。操作面も非常に良好



いつも走っている河川敷に着用イヤホンを変えて臨むだけなので、テストというには大仰な感じではあるが、Float Runを着用した状態でランニングに繰り出した。楽曲の再生機についてはApple Watch SEを用いる。

ランニングしながらの試聴を実施。楽曲の再生機についてはApple Watch SEを用いる

まずは装着感をチェックしよう。身につけていてもランニング中も一切ブレないのは流石のひと言。それでいてワイヤーバンド部分も走行距離を重ねても圧迫感を感じづらく、質量や装着時の重心の掛かり方とあわせて、文字通り「何も身につけていない」ようなフィット感。これは本モデルを紹介する上で音質よりも真っ先に特筆したいポイントだ。

走行中でも一切のブレを感じない高い装着感を実感

操作ボタンについては、耳の後ろ側に配するメジャーなスタイルを踏襲。ボタンの大きさ、タッチレスポンスの良さなども相まって、ノールックでの操作も非常にしやすい。初めてランニング用途のイヤホンを導入するというユーザーの方も、すぐに慣れると思う。

だが、強いて言うのであれば、フィット感の向上を図ったとして採用された耳掛け部分。紹介したようにワイヤー部分の側圧感は薄い方なのだが、Float Runと頭部の接触部位を通じて、ランニング中の心拍上昇で大きくなる自分の脈拍を強く感じた。これは「初回着用時の違和感」の範疇であったり、使用していく上での慣れもあるかもしれないが、ランナー的には気になるポイントになるかもしれないので記載しておきたい。

操作キーは右側のフックに配置。ボタンの大きさ、硬さ共に操作感に優れたデザインとなっている

■抜きん出た再生能力。ランニングがもっと楽しく



音についてはもう言うまでもない。ランニング中のテンションを上げるために自分の趣味であるアニメ・映画・特撮の楽曲で組んだプレイリストを流しているのだが、そのいずれも再生能力が抜きん出ている。「走りながらでも良い音が聴ける」というのは気分が上がるものだ。

EDM調のイントロから始まる『THE FIRST SLAM DUNK』主題歌「第ゼロ感」(10-FEET)、同様に音数の多い『ウルトラマントリガー』OP曲の「TRIGGER」(佐久間貴生)などの再生も、走りながらでも細かな部分が聴き取れる。

『HiGH&LOW THE WORST』主題歌「SWAG & PRIDE」(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)では、空気振動のドライバーユニットによる高域と低域の拡張の恩恵を大いに受けたサウンドを再生。「いくぞてめえら!」と、劇中の鬼邪高生張りに全力ダッシュしたくなってしまう。

■音量調整次第でとことん没入も “ながら聴き” も自由自在



ランニング用のイヤホンというジャンルでは、外音が耳に入ってくることも重要なポイントだ。それを確認するべく、ランニングの時間帯も散歩をする人や、他にもランナーが多く走る15時〜16時に設定してみた。

まずボリュームを抑えた状態で走っていると、シューズでアスファルトを蹴る音や、行き交う人々の談笑、後ろから近付いて来るランナーや自転車の音をキチンと聴き取ることができる。河川敷ならではのシチュエーションで言えば、尺八や打楽器の練習音も聴こえてきた。そろそろ祭りが近いのだろうか。そんなことを思いながらでも耳元では音楽が再生されているし、ランニングアプリのガイダンス音声もしっかり聴き取れる。スピーカーの配置位置もよく考えられていると関心する。

走行中にボリュームを上げてみると、アスファルトを蹴る音すら聴こえなくなる。これは骨伝導イヤホンとは異なり、耳元にスピーカーを設置するFloat Runの特性ともいえる。音楽の世界に完全に浸りながら走りたいのであれば、こういう使い方もアリだろう。だがこちらも想像される通り、周囲の音が聴きづらくなるので注意が必要になる。

また、ランニングでネックバンドタイプの骨伝導イヤホンを使っている記者では気付かないポイントだったが、耳を塞ぐタイプの通常のイヤホンを使っているユーザーからは、「足音や着地時の衝撃が耳に響かない」「(通常のイヤホンでは)聴こえていた心臓の鼓動が気にならなくなった」「耳を塞がないから平衡感覚も保てる」といった不満点を解消できるとの声もあったそうだ。



高音質を実現しながら、外音も聴き取れる構造のFloat Run、まさに「ランニングユースの最適解」というべき仕上がりになっている。今回のレビューはあくまでランニングにフィーチャーしたため触れてはいないが、通話用のマイクも付いている。走りに出ない時はそれこそテレワークなどで “ながら聴き” イヤホンとして活用できるだろう。

最後に自分の話で恐縮だが、今回のレビューにあたって自身の最長記録である15kmを走破することができた。前日しっかり寝て、食後から程よい時間に走ったというコンディションの仕上がりが第一だとは思うが、Float Runを着用したからこそというプラシーボ効果的なものもひょっとしたらあったのかもしれない。

「Float Run」のお陰!…なのかもしれない

だが、良い音で走る楽しさというのは確かなことなので「これからランニングを始めようかな」と思った読者の方々にFloat Runの良さが少しでも伝われば幸いである。

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