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PR最多5モデルが金賞を獲得

VGP2023を席巻! Polk Audioのスピーカーが世界中で評価される理由

公開日 2022/12/09 06:30 大橋伸太郎
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Polk Audioオリジナル技術の結晶「Reserve」シリーズ



まずR200AEのベースになった「R200」から紹介しておこう。高域ユニットにピナクルリングラジエーター、低域ユニットにコンピューター解析で生まれた振動板形状のタービンコーン、さらにXポートテクノロジーを備えバスレフポートとエンクロージャーの不要共振を排除するなど、小なりとも同社のテクノロジーが凝縮した、Reserveシリーズのコンパクトブックシェルフだ。

「R200」

クラシックピアノ曲の響きの忠実性は最前線インターナショナルだが、母国音楽のジャズを聴くとやはりアメリカのスピーカーだ。音離れが良く、ボーカルが飛んで来る。リングラジエーターはレスポンスの良さがわかるし、ビッグバンドの金管が頭打ちにならず歪まず明澄で、快活さが魅力的。アコースティックベースが太く、ブンブン鳴る低域に重点を置いたエンクロージャー設計である。

このR200のネットワークに、ポリプロピレンフィルムコンデンサーと空芯コイルを使い、グレードアップしたのがR200AEだ。キャビネットの仕上げも、板厚の厚いMDFをプレミアムビニールシートで覆うR200とは異なり、突板仕上げを採用。背面にマシュー・ポークのサイン入りシリアルプレートが付く。

「R200AE」(すでに限定数終了済み)

クラシックピアノ曲は厚みと力強さが増していて、細かいパッセージの粒立ち、音の輪郭の鮮明さも向上。ジャズヴォーカルはベースモデルの華やかさに比べ落ち着いてしっとりしたバランスで、R200より一回り大きな音楽を聴かせる価格だと疑わせる密度だ。しかし残念ながら世界1000本の限定生産で、日本向けの150本はすでに売れてしまって買えないということだ。

ベースのR200がポテンシャルを秘めているからこそ、それを高めたR200AEが魅力的になる

「スピーカーシステム/フロア型(ペア20万円以上30万円未満)」部門で金賞に輝いた「R600」。 2.5ウェイのフロア型でピナクルリングラジエーター、タービンコーンを採用。エンクロージャー底部にポートを持つダウンファイアリング方式だが、ポートノイズ(風切り音)を減らす設計(パワーポート2.0)がこらされている。

「R600」

ビッグバンドの金管は光沢があるが、下品なきらびやかにならず、のびやかでウォーム、音が決して籠らない。低域の量感はもはや圧巻。対容積でこれだけ量感を得ているスピーカーシステムは少なく、設置場所の条件次第でやや持て余すかもかもしれない。

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