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<山本敦のAV進化論 第207回>

macOS新機能「ユニバーサルコントロール」を試す! macとiPadの作業がシームレスに

公開日 2022/02/08 06:30 山本 敦
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アップルが、最新世代のmacOSとiPadOSのパブリックベータを公開した。ここでついに、昨年に同社が開発者向け会議「WWDC」で発表したmacOS Montereyの新機能である「ユニバーサルコントロール」が利用できるようになった。どんな機能なのか、活用方法とともに紹介する。

MacのファイルをiPadにドラッグ&ドロップ

ユニバーサルコントロールは近接するMacとiPadの間で、ひとつのワイヤレスマウスとワイヤレスキーボードを共用できるようになる機能だ。ふたつのデバイスをまるで最初から一体のデバイスであるかのように、シームレスに操作ができる。

macOS 12.3パブリックベータを投入したMacBook Proと、iPadOS 15.4のパブリックベータが動いている第6世代のiPad mini。本項では取材に基づく特別な許可を得て、パブリックベータの紹介を行っている

本機能が誕生する以前から、Macをメインのデバイスとして、iPadをそのサブディスプレイにするための「Sidecar」という機能もある。SidecarはMacBookのディスプレイを拡張したり、または同一の内容をミラーリングしながら表示することを目的としている。新設されるユニバーサルコントロールの場合、MacとiPadを接続した後も、iPadの画面表示はMacに切り替わらず、iPadOSの機能がそのまま使えるところが大きく違う。

ユニバーサルコントロールのシステム条件

ユニバーサルコントロールはmacOS 12.3以上、iPadOS 15.4以上を搭載する下記のデバイスが対応する。

【Mac】
・MacBook Pro(2016年以降に発売されたモデル)
・MacBook(2016 年以降に発売されたモデル)
・MacBook Air(2018年以降に発売されたモデル)
・iMac(2017年以降に発売されたモデル) または iMac(Retina 5K, 27-inch, Late 2015)
・iMac Pro
・Mac mini(2018 年以降に発売されたモデル)
・Mac Pro(2019 年に発売されたモデル)

【iPad】
・iPad Pro(全モデル)
・iPad(第6世代以降)
・iPad mini(第5世代以降)
・iPad Air(第3世代以降)

ユニバーサルコントロールを使うための設定方法

最新OSの導入を済ませたら、ユニバーサルコントロール機能の設定を進める前に以下についてもお膳立てをする。

・両方のデバイスが同じユーザーのApple IDでiCloudにサインインしていることを確認
・WiFi/Bluetoothをオン
・Handoffを許可

デバイスは隣り合わせに置く場合が現実的だと思うが、一応10メートル以内の距離をおいても使える機能であるようだ。

iPadOSの「設定」を開き、「一般」から「AirPlayとHandoff」を開いて「カーソルとキーボード」をオンにする

続いてユニバーサルコントロール機能を立ち上げていく。

macOSのシステム環境設定から「ディスプレイ」を選び、メニューの左下側にある「ディスプレイを追加」を開くと、ユニバーサルコントロールに対応するユーザーのiPadの名前が「キーボードとマウスをリンク」というメニューの下に表示される。ここで接続したいiPadを選択すると、ユニバーサルコントロール機能が有効になる。Sidecarの場合と同様に、Macの画面に対してiPadの画面を左右と下、どちらの位置に表示するかをここで決める。

macOSのシステム環境設定から「ディスプレイ」を開く。「ディスプレイを追加」を選択するとユーバーサルコントロールに対応するiPadが表示される

ディスプレイ設定の詳細に入ると、ユニバーサルコントロールの振る舞いについて3つのチェックボックスが並んでいる。もしユニバーサルコントロールをよく使う機会があれば、デバイスのペアリングを完了したMacとiPadを、次回近づけた時に自動でユニバーサルコントロールモードで再接続するように設定しておくと便利だ。

ユニバーサルコントロールを頻繁に使う場合は、ディスプレイ設定の詳細から、一度ペアリングした機器を再接続する設定項目をオンにしておくと便利だ

設定を済ませればmacOSのメニューバーにユニバーサルコントロールのアイコンが並ぶ

MacとiPad、それぞれの「いいところ」が活きてくる

筆者は今回、MacBook ProとiPad miniにそれぞれのパブリックベータを入れてユニバーサルコントロール機能を試した。MacBook Proのトラックパッドとキーボードを使ってiPad miniの画面が操作できる。マウスカーソル、キーボードのタイピングともに遅延は感じられない。ふたつのデバイス間でとてもシームレスに作業が進められる。

MacとiPadとの間をマウスカーソルが素速く移動する様子を動画でチェックしてほしい。

iPad miniにもワイヤレス仕様のマウスとキーボードをペアリングしてみた。その必要があるかどうかは別として、iPadにペアリングしているワイヤレスマウスからもMacの画面を操作したり、iPadの文字入力をMacBook Proのキーボードと、別途iPadにペアリングしているBluetoothキーボードの両方から行える。

筆者の場合、iPad miniとApple Pencilを使って手書きでまとめたアイデアに、Macに保存している画像や画面キャプチャなどイメージ素材を適当に貼り付けて、原稿の草稿が素速く作成できることがユニバーサルコントロールの大きなメリットとして感じられた。

iPadのGoodNotes 5アプリで手書きした原稿の草稿に、関連する画像をMacから貼り付けてファイルを仕上げていく

ファイルを直感的にMacとiPadの間でドラッグ&ドロップすれば良いだけなので、もうAirDropを使う手間も省ける。写真や動画を撮る機会はiPadよりもiPhoneの方が多いので、今後ユニバーサルコントロールがMacとiPhoneの間でも使えるようになっても面白そうだ。

なお、今回は取材に基づく特別な許可を得て、macOS 12.3、およびiPadOS 15.4のパブリックベータの機能と画面を本稿に掲載している。各OSが正式リリースを迎える時には、画面のメニュー配置や機能の設定方法が変更されている場合もあることを先に了承いただきたい。本稿が読者皆様がそれぞれにユニバーサルコントロールの活用方法をイメージするための一助になれば幸いだ。

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