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【PR】本物の原音体験を追求したスタンダードモデル

音も機能も違う兄弟モデル、どちらを選ぶ?ゼンハイザー完全ワイヤレス「CX Plus」&「CX」聴き比べ

公開日 2021/12/02 06:30 山本 敦
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ゼンハイザーの“CXシリーズ”といえば、同社が展開する高品位なカナル型イヤホンのスタンダードモデルである。本シリーズに今年加わった「CX Plus True Wireless」と「CX True Wireless」は、ゼンハイザーによる左右独立型完全ワイヤレスイヤホンの新たな定番モデルになりそうだ。

完全ワイヤレスイヤホンに求められる機能をバランス良く備えたスタンダードモデルとして先に登場したCX True Wirelessと、それをベースに、アクティブノイズキャンセリング(ANC)やaptX Adaptiveコーデック対応など機能を追加したCX Plus True Wireless。今回はこのふたつの兄弟モデルをどのように選び分ければよいのか、それぞれの特徴を比較しながらお伝えしよう。

「CX True Wireless」(右)と「CX Plus True Wireless」(左)、兄弟モデルの共通点と違いを改めて比較

ゼンハイザーの音質/操作性の追求はスタンダードモデルでも変わりなし

ふたつのモデルが共に搭載するのは、プレミアムイヤホン「IE 800」が搭載した「XWB(Extra Wide Band)トランスデューサー」の系譜に連なる、自社開発の高音質なダイナミック型ユニット「TrueResponseトランスデューサー」だ。今年の春に発売されたフラグシップイヤホン「IE 900」にもまた、ブラッシュアップを図った「フラグシップTrueResponseトランスデューサー」が搭載されている。

ケースの形状に関しては、「CX True Wireless」(右)/「CX Plus True Wireless」(左)でほぼ同一。ロゴの仕上げなど、細かな部位の質感は「CX Plus True Wireless」の方が高めてある

ゼンハイザーはこの虎の子のイヤホン向けドライバーを、ドイツ本国で開発・設計を行っている。完成された高音質ドライバーのノウハウを基準に置きつつ、モデル単位で柔軟かつ迅速に最適化を図れるところがゼンハイザーの強みなのだ。

一方では、同じくゼンハイザーが得意とするマイクロフォンの技術も投入されている。クリアな通話音声品質、片側のイヤホンだけを通話に使うことができたり、自分の声を通話音声に戻しながら聞ける「側音」など、通話関連の充実した機能も現代のトレンドを取り入れた。イヤホン本体の左右側面にはタッチセンサー方式のリモコンを内蔵。IPX4等級の防滴対応なのでスポーツイヤホンとしても安心して使える。

「CX True Wireless」(右)/「CX Plus True Wireless」(左)はイヤホン本体の形状も似通っている。タッチセンサー部の光沢の有無や、マイクの配置が主な違いとなる

ゼンハイザーはまた、ワイヤレスヘッドホン・イヤホンによるポータブルリスニング体験を高めるためのモバイルアプリの開発にも力を入れている。Android/iOS向けに「Smart Control」という無料アプリを提供しており、CX True Wirelessシリーズの2機種も本アプリを使うことによって、本体の設定やサウンドのカスタマイズを深く掘り下げることができる。

例えばイコライザーを開くと、「ニュートラル」を基準に置いて、円形のオブジェクトを動かしてプレビューを聴きながら音のバランスを自由に調整できる。または高・中・低音域それぞれにプラスマイナス5段階で設定した好みの値をプリセットとして登録し、以後繰り返し使うこともできる。

専用アプリ「Smart Control」に対応している

イコライザーでは2種類のUIでサウンドのカスタマイズが可能だ

表現力豊かなサウンドが長時間味わえる「CX True Wireless」

ふたつのイヤホンの特徴を個別に見ていこう。CX True Wirelessは音質にこだわった良質なスタンダードクラスの完全ワイヤレスイヤホン。軽量な本体と4種類のサイズを揃えたシリコン製イヤーチップによって心地よい装着感を実現し、電気的な処理を伴わないパッシブな遮音性能も高い。

高品位なスタンダードモデルとして登場した「CX True Wireless」(15,620円前後/税込)

バッテリーはイヤホン単体で約9時間の連続音楽再生が楽しめる。充電ケースによるチャージを挟めば約27時間に到達するタフなスタミナ性能にも注目だ。15分間のチャージで約1時間の連続音楽再生が楽しめるスピードチャージ機能もある。

CX True Wirelessが対応するBluetoothコーデックは、aptXのほかAACとSBCだ。リファレンスのスマートフォンとしてシャオミの「Mi 11 Lite 5G」を用意してAmazon Music Unlimitedの音源を試聴した。

上原ひろみの『Silver Lining Suite』から「Jumpstart」は、冒頭から力強い演奏の熱気が一息に満ちる。ピアニストの指先が鍵盤の上で力強く躍動する様子がイメージを伴って浮かび上がってくる。聴感上の音バランスはフラット。つながりも良く、ワイドな音場の広がりも感じられる。弦楽器の音色も優美でなめらか。アグレッシブなピアノのメロディを柔らかく包み込む。一体感に富んだ演奏が心地よい。

「TrueResponseトランスデューサー」の表現力は、気が付くと演奏に深く入り込むような魅力がある

YOASOBIのアルバム『E-SIDE』から「Into The Night」は軸がぶれないボーカルの安定感が良い。アップテンポなロックやポップスの楽曲を聴くと、本機は中低音域の芯の強さと安定感に長けたイヤホンであることがよくわかる。

TrueResponseトランスデューサーがボーカルの繊細なニュアンスの変化から、しなやかに躍動するベース、ドラムスのリズムを等しく丁寧に描く。淡々として聴こえるような演奏から徐々にリアリスティックな緊張感が漂いはじめて、気が付くと演奏に深く入り込んでいるような不思議なリスニング体験を味わった。

次ページより機能が充実した、「CX Plus True Wireless」の音質と使い勝手は?

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