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【特別企画】装着性を高めバッテリーもパワフルに

この進化はもはや“激変”!オーディオテクニカ完全ワイヤレス「ATH-CKS50TW」レビュー

公開日 2021/12/01 06:30 折原 一也
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SOLID BASSの本領発揮といえるサウンドを聴けたのがビリー・アイリッシュ「bad guy」で、空気を振動させる低音の量感が頭にグイグイと響き、ベースやキックドラムも圧倒的な沈みで押し潰してくるような強烈さ。これぞ、重低音イヤホンのあるべきサウンドだ。その一方で、ささやくように入る女性ボーカルの歌声はクリアで、意外にも重低音一辺倒ではない。

従来モデルでリファレンスにした宇多田ヒカル「あなた」を聴いても、予想以上に中高域まで自然で深みあるサウンド。特にナチュラル志向の中高域の再現が得意で、歌声は無理に立てることなく、伴奏とバランスよく丁寧に聴かせてくれる。当然、低音はドッシリとした迫力を備え、量的なリッチさと音圧も伴う。従来モデルATH-CKS5TWでも、重低音に中高域を埋もれさせないバランス感が光ったが、その傾向を踏襲しながら正当進化させている。

そして、ATH-CKS50TWが新たに備えた特徴であり、驚くほどの違いを感じさせたのがaptX Adaptiveによる接続。ビリー・アイリッシュ「bad guy」を聴くと、こちらも重低音は強烈ながら、音源の情報量の引き出し方が大きく変わる。キックドラムは量的に大きいにも関わらず正確に分離、そして歌声も丁寧でニュアンスがより細かに伝わってくる。

宇多田ヒカル「あなた」も、aptX Adaptiveでは情報志向のサウンドにシフト。特にピアノの音色のタッチが美しく、伴奏とバランスの取れた女性ボーカルも心地よい。低音の音圧感もあるので、低音重視派も納得のサウンドだ。

そしてATH-CKS50TWは、立体音響「360 Reality Audio」認定イヤホンでもある。Amazon Musicで360 Reality Audioを有効にして、YOASOBI「群青」を通常版と聴き比べていくと、その効果はやはりとても面白い。センターの頭上に少し距離を置いて定位するボーカルは新鮮だし、左右に振るキーボードの音も面白い。コーラスなどの位置感は正確で、新体験のリスニングだ。



オーディオテクニカ『SOLID BASS』の最新モデルとして登場した「ATH-CKS50TW」だが、実際には予想以上にオールラウンダー性を備えたモデルだ。iPhoneと接続した際には期待どおりの『SOLID BASS』らしい “重低音” を味わえるが、中高域もナチュラルでしっかり聴ける。そしてaptX Adaptiveではサウンドが激変し、重低音のパワーやリッチさを残しつつ、情報量を引き出すという、完全ワイヤレスイヤホンとしての新境地を切り開いている。

“重低音” をテーマにイヤホンを探している方、そして従来モデルATH-CKS5TWユーザーの方も、最新世代の完全ワイヤレスイヤホンとしてのデジタル機能やイヤホン単体で最大20時間再生にもなるバッテリー、装着感までもアップデートして、高音質化も果たしたATH-CKS50TWを、ぜひ手に取ってみて欲しい。
(企画協力:オーディオテクニカ)

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