【特別企画】精度高くタイトなリアル志向のサウンド

JBL独自のHDIホーンをプレミアムクラスに。スタジオモニターの流れを組む「HDI-3600」の実力を聴く

  • Twitter
  • FaceBook
岩井 喬
2021年06月04日
■伝統的なスタジオモニターの流れを踏襲したプレミアムシリーズ登場

JBLの伝統的なスタジオモニターの流れを継承したフラグシップ機「4367」や最新モデル「4349」にも搭載されたドライバー技術や、Xウェーブガイド・ホーン技術HDI(High Definition Imaging)を取り入れたプレミアムスピーカーシステムHDIシリーズが登場した。

JBL「HDI-3600」 396,000円(ペア/税込)

HDIシリーズは、先進のHDIホーン技術からその名が与えられているが、基本形状が近いSTUDIOシリーズの上位に位置づけられる。さまざまなライフスタイルシーンにマッチするホームエンターテインメント向けのフラグシップシリーズだ。

今回は16.5cmウーファーを3基備えるフロア型2.5ウェイの「HDI-3600」について迫ってみたい。なお、シリーズとしてより大型の「HDI-3800」と小型のブックシェルフ「HDI-1600」がラインアップされる。

HDI-3600のユニット構成についてだが、高域はJBLプロフェッショナルが開発したD2ドライバー技術より派生したTeonex製V字型断面リングダイアフラムや、ネオジム・リングマグネットを用いた新開発のコンプレッションドライバー2410H-2を搭載。水平方向100度×垂直方向80度の指向性を高帯域に渡って安定的に維持するHDI-Xウェーブガイド・ホーンに装着し、広いスイートスポットと立体的な音像イメージを30kHzという広帯域までもたらしてくれる。

新開発された25mmコンプレッションドライバー「2410H-2」。強力なネオジムマグネットに加え断面がV字のリングダイアフラムを採用

中低域は16.5cmアルミ・マトリックスコーン採用ウーファー「JW165AL-12」を3発備えるが、最上部1発とその下にある2発のウーファーをスタガー接続として中音域の明瞭化を図っているという。このユニットは高耐久・柔軟性に優れたSBRフォームラバー・ハーフロールエッジや大型フェライトマグネットを採用。大振幅特性に優れたロングボイスコイル仕様となっている。

本機の背面。ツイン・リアポート・バスレフ方式を採用。ターミナルはバイワイヤリングに対応している

インテリアへの親和性が高いグレーオークのリアルウッド仕上げの高剛性キャビネットは輻射を防ぐラウンド形状で、綿密なブレーシングやボトムベースボードなど、剛性や振動対策にも妥協がない。

バスレフポートはキャビネット内外開口部に大きなフレアを設け、大振幅時の空気の流れをスムーズにさせた他、自然なバスレフ効果をもたらすスリップストリーム方式のツインポートを採用した。

■“JBLらしい”ジャズ音源と相性抜群。鮮度高い描写を楽しめる

アキュフェーズ「M-6200」と繋いで試聴を行ったが、ホーン型ならではの高域の軽快さ、音像定位のフォーカスに優れたサウンドで、中低域も密度が高く粘りのある表現としている。オーケストラはソロヴァイオリンをメリハリ良く爽やかに浮き上がらせ、管弦楽器の旋律も粒立ち細かく軽やかに展開。ローエンドも弾力良く太い落ち着きのある表現で、音伸びも雄大だ。

特に相性が良いと感じたのは“JBLらしい”ジャズ音源である。ホーンセクションのエネルギッシュでコシのある描写は実に爽快で鮮度が高い。ピアノのアタックも軽やかでシンバルワークの余韻も澄み切っている。女性ヴォーカルの口元は艶良くシャープでボトム感もナチュラルだ。ロック音源のリズム隊はどっしりとしてドライブ力があり、エレキギターのリフもコシが太い安定傾向。

STUDIOシリーズよりも精度の良さが際立っており、音場の空間性も見通せる、タイトなリアル志向のサウンドとなっている。相性の良さはあっても破綻するようなジャンルも少なく、安定した音質を楽しめる非常にCPの高いスピーカーであるといえよう。

SPECIFICATIONS
●型式:2.5ウェイ・フロア型●使用ユニット:【低域】165mm径アルミ・マトリックスコーン×3、【高域】2.5mmTeonex製Vシェイプ・リング・ダイアフラム・コンプレッションドライバー+HDI-Xウェーブガイドホーン●公称インピーダンス:4Ω●出力音圧レベル:90dB●周波数特性:38Hz〜30kHz●クロスオーバー周波数:900Hz、2.0kHz●エンクロージャー型式:ツイン・リアポート・バスレフ●サイズ:255W×1026H×342Dmm●質量:28kg(1本)●


(提供:ハーマンインターナショナル)

本記事は『季刊・Audio Accessory vol.181』からの転載です

関連リンク

関連記事