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坂本龍一『Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 12122020』体感レポート

坂本龍一による「MUSIC/SLASH」初のハイレゾ配信を、本気のオーディオで聴いてみた

2020/12/29 岩井 喬
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去る12月12日、坂本龍一がピアノコンサート「Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 12122020」をオンラインストリーミングで開催した。

日本で年末に開催されるピアノコンサートが2013年以来、7年ぶりとなるという坂本龍一氏。配信プラットフォームに選んだのは、山下達郎氏がこけら落としのライブ映像配信を行った、「MUSIC/SLASH」だ。音質がスタンダードとハイレゾから選べ、96kHz/24bitハイレゾ音質の「MUSIC/SLASH Premium」は、このコンサートが初めてとなった。

今回の「MUSIC/SLASH Premium」は、有料によるハイレゾの本格的な興行配信として注目されており、その音質はもちろん、再生するまでの準備など、果たしてどれほどの完成度だったのだろうか。岩井 喬氏が評する。




■「MUSIC/SLASH Premium」には、
iOS/Android対応のスマートフォンアプリが必要


高音質にこだわる動画配信サービスを提供している「MUSIC/SLASH」から去る2020年12月12日、『Ryuichi Sakamoto:Playing the Piano 12122020』が配信された。今回の坂本龍一のライブ配信は「MUSIC/SLASH」が当初から狙っていた96kHz/24bitでのハイレゾ配信を行う「MUSIC/SLASH Premium」版も設定されている。そこで今回もハイレゾライブストリーミング配信を最良のサウンドで楽しめる環境を構築し、今年最後となる坂本龍一の貴重なピアノソロライブをリアルタイムで体感。そのレビューをお届けする。


まず今回の“MUSIC/SLASH Premium版”の視聴方法だが、PCでも視聴できるスタンダード版とは違い、ラディウスが提供するiOS/Android端末両対応のスマートフォンアプリ「MUSIC/SLASH Premium」を使うことが前提となる。そこでスマートフォンにはiOS/Android端末共にハイエンド機としてAPPLE「iPhone 12 Pro」、ソニー「Xperia 1 II」を用意した。またDACには、アキュフェーズ「DC-950」、コルグ「Nu1」、ラックスマン「DA-06」、ティアック「UD-505」、そしてDAC内蔵ヘッドホンアンプとしてソニー「TA-ZH1ES」、iBasso「DC03」を用意した。

ハイレゾ試聴にあたって、DACは4機種、DAC内蔵ヘッドホンアンプを2機種、用意した

そしてこれらの機器を接続する試聴室常駐のシステムはプリアンプにアキュフェーズ「C-3900」、パワーアンプはアキュフェーズ「P-6200」×2、スピーカーはB&W「803D3」を用いたほか、ヘッドホンとしてゼンハイザー「HD800 S」、イヤホンにビクター「HA-FW10000」を準備。ライブ本番前に「MUSIC/SLASH Premium」アプリの動作確認用デモ“SAMPLE MOV”を使い、スマートフォンとの接続、各DACの音質傾向をチェックし、本番チェック用の組み合わせを探ることとした。

なお今回はハイレゾの音質についての確認を優先するため、映像に関しては各スマートフォンで直接視聴する形としている。加えてスタンダード版環境としてPCとHDMI接続した2K液晶TVを用意し、簡易的ではあるが大画面での映像環境も用意した。

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