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【特別企画】ゲーム好きライター歓喜「こんな夢を見ていた」

PS5を大画面&迫力の音で遊び倒す!マランツ「NR1711」で“ゲームxシアター”のススメ

公開日 2020/12/18 06:40 逆木 一
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それではいよいよゲームプレイだ。筆者にとってもPS5の初となるゲームに選んだのは『デモンズソウル』。PS3で2009年に発売された同名タイトルのリメイクで、PS5専用に作り込まれた、PS5のローンチにおける事実上のフラグシップタイトルといえる。周辺情報も含めたゲーム内容……について話し始めるとあまりにも長くなってしまうので、とにかくさっさと始めよう。

冒頭。主人公が霧の漂う闇の中を歩いていると、虚空から涼やかな女性の声が響いてくる。この声は前方から聴こえるのではなく、明確な像を保ちながらプレイヤーの周囲をぐるりと立体的に動く。声の主が尋常のものではないことを如実に示す見事なサウンドデザインであり、同時にNR1711と707S2の高度な再生能力も証明される。


まばゆい光を放つ裂け目に身を投じると、そこは草木に侵食された陰鬱な水路。通常であれば何事もなく通り抜けてしまうシーンとは思うが、この時点で環境音の豊かさは圧巻である。狭い通路内をうごめく空気の動き、水の流れ、さらに小さな虫の飛び交う様までが精緻に音で表現され、尋常ならざる臨場感を生んでいる。


進行途上で待ち構える亡者たちとの戦闘も、音による鮮烈な演出を味わえる。反撃の隙を与えず切り刻むにせよ、相手の剣戟を盾で受け止めるにせよ、致命の一撃を決めるにせよ、鼓膜を震わし腹に轟く、鋭さと重さを兼ね備えた、おおよそテレビのスピーカーでは再現不可能と思わせる、容赦のないサウンドが満載だ。

また、デモンズソウルはプレイヤーがカメラ(視点)を自由に動かせるタイトルなので、特に理由もなくカメラをぐるぐると動かしてみても、全方位に音がスムーズに、切れ目なくつながる。この辺りはNR1711のアンプとしての基礎性能の高さと、全チャンネルに同一のスピーカーを使ったことの意味が光っている。

そうこうしているうちに、霧を抜けて最初のステージのボスである「拡散の先兵」との戦闘に雪崩れ込む。2009年には何もできないうちに蹂躙されてしまったが、2020年の筆者は違う。同じ血の流れる死にゲー『Bloodborne』でプラチナトロフィーを取るくらいには腕を上げたのだ。11年前の恨み、今こそ晴らさん!

11年の時を経て凶悪な面相に生まれ変わった「拡散の先兵」。オリジナルでは「尖兵」だったはずだが……

デモンズソウルは基本的に通常のフィールドでは音楽が流れず環境音のみ、そしてボス戦時ではここぞとばかりに音楽が鳴るという演出となっている。ただでさえ濃密な環境音にボスとの戦闘で巻き起こる苛烈な効果音の応酬、さらに身を焦がす音楽が加わり、体験の密度は一気に最高潮に。「ゲームの音にこだわってよかった」と心から感じられる幸福な瞬間だ。拡散の先兵が振り回す斧の一撃、巨体から繰り出すヒップドロップなど、相当な重量感を伴う音もNR1711と707S2は難なく再生してみせる。「サブウーファーを使わなければ低音が不足する」などという話は、本格的なスピーカーシステムを前にしたならいったん忘れるべきなのだ。

というわけで、拡散の先兵との死闘が奏でる音を堪能することに意識を集中した結果、見事に殺されてしまった。もちろん、ただの言い訳である。

ほとんど何もできないまま即死していた11年前に比べれば、戦闘を長引かせられるくらいに腕は上がった

ほとんど何もできないまま即死していた11年前に比べれば、戦闘を長引かせられるくらいに腕は上がった。

その後なんやかんやあって、次のステージであるボーレタリア王城へ。初回訪問時に流れるムービーではそこに巣食う飛竜が現れるのだが、その挙動や羽ばたきから放たれる音は映画『ホビット 竜に奪われた王国』に登場する火竜「スマウグ」を連想させるほどの威力があり、強烈な印象を残した。この飛竜の登場を皮切りに、このステージにおいても、精緻さ・立体感・威力が三拍子そろった、凄まじい音響体験を味わうことができた。



「ゲームの音」については、「長時間・快適に」プレイしてもらうために、あえてダイナミックレンジを広げず、刺激成分とのバランスを取るタイトルが多い。それに対して、完全に映画と同レベルのダイナミックレンジをもって容赦のない音作りをしたタイトルもまた存在する。『デモンズソウル』はまさに後者の好例で、ゲーム内容のみならず、音によってもプレイヤーを殺しにかかってくる。そんな『デモンズソウル』のサウンドを十全に堪能できるNR1711と707S2には拍手喝采だ。

続いて、『Marvel's Spider-Man:Miles Morales』をプレイ。PS4で登場した『Marvel's Spider-Man』の続編で、PS4版も用意されているが、こちらも『デモンズソウル』同様PS5のパワーを存分に生かしたタイトルである。

(一応)生身のキャラクターをリアルな挙動で動かす『デモンズソウル』とは異なり、本作は超人であるスパイダーマンがニューヨークの摩天楼を飛び回るため、個々の効果音の存在感よりは、空間の広がりやスピード感、オブジェクトの移動感といった要素が印象的だ。

闇夜に舞うスパイダーマン。風を切って飛ぶ快感を伝えるのは「音」である

ゲーム開始から間もなく、サイ型のスーツを纏った「ライノ」というヴィランとの対決があるのだが、既にここからしてすさまじい。巨体に似合わない猛スピードで、屋内外の建物を粉砕しながら爆走するライノを追いかけ、飛び乗り、くんずほぐれつの大激闘。映像展開や大規模な破壊表現に伴う音数の多さは膨大そのものだが、NR1711と707S2はそれらを大味にではなく、しっかりとした実体感をもって描き出す。ライノ自身が繰り出す音の重厚感も申し分ない。

家庭用ゲーム機でこのディテールの映像がリアルタイムで、60fpsで動くのだから、すごい時代になったものである

「プレイヤー自身の操作に応じてリアルタイムに千変万化する音の奔流がもたらす、時として映画をも凌駕する圧倒的な臨場感と没入感」。これこそ、「静的な」映像音響とは一線を画す、「ゲームの音」ならではの魅力である。NR1711と707S2による4.0chのシステムは、『デモンズソウル』と『Marvel's Spider-Man:Miles Morales』の両方から、その魅力を余すところなく引き出してみせた。

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