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UHD BD再生やネット動画配信もスムーズ

4K/HDR対応の次世代ゲーム機「Xbox Series X」をハンドリング! “AV機器としての魅力”も探る

2020/11/05 編集部:小野佳希
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マイクロソフトの次世代ゲーム機「Xbox Series X」と「Xbox Series S」の発売が11月10日に迫った。今回、発売前に実機を試すことができたので、4K対応メディアプレーヤーというAV機器としての側面も含めて、Xbox Series Xのハンドリングレビューを中心にお届けする。

Xbox Series X

■最新4K HDRゲームのリアルな描写を堪能

「Xbox Series X」は4K/120fpsでのゲームプレイやデータ読み込みの高速化などを実現した次世代ゲーム機。「Xbox Series S」はその廉価版に位置づけられる光学ドライブ非搭載の“オールデジタル”モデルで、こちらは最大1,440p/120fpsまでの対応となるが、Xbox Series Xより約60%小さく、Xboxシリーズ中最小クラスのコンパクトさを実現している。実売価格はSeries Xが49,980円(税抜)、Series Sが32,980円(税抜)。

ワイヤレスリモコン。プレステやSwitchとはA/B/X/Yボタンの配置が異なるので今回から新たにXbox購入を考えている人には最初のうちは慣れが必要かもしれない

光学ドライブを搭載するXbox Series XはUltra HD Blu-ray(UHD BD)に対応。Xboxのゲームソフトをディスクでプレイできる(後方互換性もある)だけでなく、映画作品などのUHD BDも再生できる。

初期セットアップはスマートフォンアプリから行う。基本的には画面の指示に従って進めていけばよく、接続しているテレビが4KやHDRに対応しているかも自動で判別して、最適なセッティングにしてくれる。HDRなどの設定はあとから調整も可能だ。

初期セットアップはスマートフォンアプリから行う

なお、もちろんゲームソフトはインターネットからのダウンロード購入も可能で、ゲームサブスクサービス「Xbox Game Pass」も利用可能。実際、今回のレビューに際してマイクロソフトから我々に貸し出されたマシンでも、ソフトはダウンロードする形で利用した。

…のだが、やはり4Kゲームはファイルサイズも70GB超えとかなりの容量。記者宅のネット回線が取材時は実測20〜30Mbps前後とそれほど高速に出ていなかったこともあって、1本のダウンロードに数時間かかった。寝る前にダウンロードを開始しておき、朝起床してから一番にダウンロード状況を確認するという体験を通じて、なんだかテレホーダイ時代を思い出したりもした次第だ。

記者のように自宅のネット回線があまり速くないケースでは、ソフトをすぐに遊ぶためにもSeries SではなくSeries Xのほうを購入して、ソフトもディスク版を入手するほうがよいかもしれない。

ただ、ある程度までダウンロードが進めば、完全にダウンロードが完了する前にゲームをプレイすることが可能。遊びながらダウンロード完了を待つことができる。

ある程度までデータをダウンロードできたら途中でもプレイすることが可能

そして実際にプレイしてみると、やはり4K HDR映像の迫力は別格。キャラクターの装備や武器の光沢、画面の手前から奥までもしっかりと認識できる風景描写など、緻密に描きこまれたすべてがリアルだ。

今回試したソフトのうちのひとつ「Gears 5」の描写イメージ

ゲームスタート直後、チュートリアルを兼ねた序盤の時点で臨場感が半端ではなく、作品の世界にグイグイと引き込まれてしまった。少々余談だが、CEROレーティングZのFPSゲームでは倒した敵の少々グロテスクな描写も生々しい。

Gears 5では明るさやコントラスト比といったHDR効果の調整も可能

■UHD BD再生や動画配信サービスも快適

さて、過去のXboxシリーズ同様に新モデルもただのゲーム機ではない。インターネット配信で映画を見たり音楽を聴いたりできるマルチプレーヤーだ。前述のようにSeries XはUHD BD作品も鑑賞できる。

光学ドライブはスロットローディング式で、ディスクはレーベル面が左側に来るようにして縦で挿入する。逆向きでもディスクがスロットに吸い込まれていくが、ディスクを読み込めない旨のエラーメッセージが表示される。個人的には、ここは最初からディスクが吸い込まれないようにするか、一度吸い込んだあとにそのまま自動でディスクを排出する仕組みにしてほしいとも感じた。

ドライブはスロットローディング式

なお、HDMI端子はHDMI 2.1に対応。VRR(Variable Refresh Rate/可変リフレッショレート モード)、ALLM(Auto Low Latency Mode/自動低遅延モード)といった機能に対応している。そのほか、音声信号処理では従来から引き続きDolby Atmosにも対応している。

背面端子部

映画などのUHD BD(およびBD/DVD)の再生には、別途でメディアプレーヤーアプリが必要。ディスクを入れると初回にインストールを促されるのでその表示に従えばよい。

プレーヤーアプリをインストールして利用する

ディスクの読み込みも速く、各種操作もなかなか快適。TL/TRボタンで早戻し/早送り、L/Rボタンでチャプター送りが行える。

TL/TRボタン、L/Rボタンで早送りなどを行う

早送り/早戻しは2倍/8倍/30倍/120倍速を選択可能。もちろん、トリックプレイ中のシーンサムネイルもしっかり追従してくれるので目当てのシーンを見つけやすかった。

シーンサーチは最大120倍速

操作の快適さは動画配信サービスでも同様。アプリもすぐに起動するし、早送り/早戻しなどもかなりスムーズだ。カスタマイズされた8コア / 3.8GHzのZen 2 CPUと、同じくカスタマイズされた12 TFLOPS, CU x52 / 1.825 GHzのRDNA 2 GPUを搭載するなど、4K HDRゲームをストレスなくプレイするための豪華なハードウェアスペックの恩恵だろう。

なお、映像配信についてはデフォルトのホーム画面には当然ながらマイクロソフトのストアが表示されるが、もちろん各種サービスのアプリをあとからインストールすることが可能。NetflixやAmazon Prime Video、YouTubeやDAZNなど、様々なサービスを好みに応じて利用できる。

アプリを追加ダウンロードして各種サービスを利用可能

そして、こうしたネット動画配信サービスでは4K HDRで配信を行っているものも多い。こうした点を考えると、もしUHD BD再生が不要なユーザーであったとしても、4K対応のSeries Xのほうが個人的にはやはり魅力的に映る。

軽く試しただけでも次世代機としてのポテンシャルを即座に感じさせられたし、最新4K HDRゲームの魅力もかなりのものであると思わされた。ゲーム機としてだけでなく、マルチメディアプレーヤーとしての能力も高い。正直、Xboxシリーズはどちらかというとコアゲーマー向けなイメージも強いように思うが、ライトユーザーにもぜひチェックしてみてほしいモデルだ。

今回は短時間での試用だったが、今年はこのXbox Series X/SとPlayStation 5の登場で年末に向けて次世代ゲーム機が否応なく盛り上がっていくことだろう。いずれ両者のクオリティや詳しい機能の検証を行いたい。

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