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スマホ選びの重要機能を検証

10万円超えスマホでカメラが良い機種はどれ? iPhoneなど人気6モデルを一斉比較!

公開日 2020/10/27 06:30 山田久美夫
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■Model.6:SONY「Xperia 1 II」
多彩なシーンをそつなくこなす完成度の高さが魅力



ソニー「Xperia」ハイエンドモデルの第2世代目となる「Xperia 1 II」。歴代のXperiaの中でも、カメラ機能には特に力が入っている。構成は、ツァイスブランドのレンズを用いた3眼式で、超広角カメラが16mm相当、メインカメラが24mm相当、望遠カメラが70mm相当となる。

センサーはいずれも1,220万画素で、超広角カメラ、メインカメラは高速AFが可能なデュアルフォトダイオードタイプを採用。デジタルカメラ「αシリーズ」で培われた技術をベースに、人物、動物の瞳検出AFや、AF/AE追随で秒間最大20コマの超高速連写機能などを備えている。

また、αシリーズ譲りのUIを採用したアプリ「Photography Pro」がプリインストールされており、シャッター速度優先やマニュアル露出撮影、露出やホワイトバランスのスピーディーな設定も可能だ。さらにRAW+JPEG記録まで対応するなど、カメラライクな操作感を実現している。

画角


解像感


高感度


Xperia 1 IIのカメラ機能の魅力は、どんなシーンでもそつなくこなす完成度の高さ。解像感も1,200万画素クラスではトップレベルである。

色調も適度に自然で、チャート比較でもデジタルカメラと同等の色再現を実現。また、HDRの効きも絶妙で、とくに肌色や青空の再現性がとても自然だ。高感度性能もよく、被写体のディテールを損なうことなく、巧みにノイズを抑えている。

使用感も軽快だ。特に側面のシャッターボタンを長押しするだけでカメラ機能を起動でき、カメラライクな持ち方で撮影できる点がいい。AFも快適かつ正確で、信頼できるレベルだ。

やや残念なのは、メインカメラ(24mm相当)と望遠カメラ(70mm相当)の焦点距離が離れてしまっている点。写真愛好者が多用する35mmから50mmくらいの焦点域で撮影するためにはデジタルズームを使う必要があり、画質低下が気になるところだ。また、絵作りがプレーンでやや大人しく、できればXperiaならではの絵作りや主張が欲しい。もう少し映える色調のモードなどがあってもいいと思う。

総合評価





今やスマートフォンは、日常的な撮影をするための、“一番身近なカメラ”だろう。そのためスマートフォンのカメラ機能は、スペックや機能面での差別化がわかりやすく、今回検証を行ったハイエンドモデルでは特に、各社とも機能性を重視した展開になっている。

だが、実際に撮影してみると、結果は必ずしもスペックや機能で測ることができないというのが実感だ。画質は実力や絵作りのポリシーもあり、機種ごとで意外にも大きな差が出ているのが現状だ。

今回のテストは、筆者が普段デジタルカメラの評価に使っているテストチャートや定点撮影などで評価を行ったため、スマートフォンのカメラ機能にはやや厳しい条件下でのチェックとなったが、どの機種も日常的に安心して使えるレベルに仕上がっていた。

一方で、スマートフォンとしての絵作りや画質、UIなどには、まだまだ多くの課題が残されているというのが、偽らざる印象だ。どうもデジタルカメラを意識し過ぎている印象が強く、スペックや結果重視の嫌いもある。

筆者としては、スマートフォンのカメラ機能は、より楽しく気軽に安定した写りを提供することが使命だと考えているが、まだその意識が感じられないのが残念である。今後、スマートフォンならではの楽しさを、さらに追求した次世代モデルの登場を期待したい。

(山田久美夫)



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