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3.5万円でハイエンド級のサウンド。qdcのユニバーサルIEM「Uranus」は新たなエントリー名機だ

公開日 2020/03/09 06:00 草野 晃輔
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一般的にダイナミック型ドライバーは、空気を振動させて音を出す特性上、筐体内のスペースやドライバー周辺の空間が音質に影響する懸念があった。これを払拭するため、同社はダイナミック型ドライバーの音響空間(アコースティックチャンバー)を完全に独立させる独自機構を新たに開発。特許を取得し、昨年12月に発売された同社初のハイブリッドIEM「Fusion」で採用した。この技術をUranusでも踏襲している。

ハウジング内に完全に別の空間を作ることで、ドライバー周辺の空気の流れや空間の影響を排除。また、ハウジングに組み込む前にユニットごとサウンドチューニングを施せるため、音質をコントロールしやすいというメリットもある。これによって「一貫してフラットな周波数特性を実現した」という。

端子は2pinを採用。ケーブルは取り回しやすい柔軟性も備える

スペックは、周波数特性が10Hz - 20kHz、感度は100dB SPL/mW、インピーダンスは18Ω。付属ケーブルは耳かけ式で、針金なしの形状記憶型。柔軟性に優れており取り回しやすい。被覆はさらっとした樹脂性で絡みにくく、タッチノイズも少なめだ。端子はイヤホン側が独自2pin、再生機側が3.5mmステレオミニ。長さは122cmとなる。

容量もしっかり確保されたハードケースを付属

イヤーチップは通常タイプと2フランジタイプを用意する

コンパクトな専用レザーケースも付属。質感の高い皮革はしっとりとしていて手になじむ。ハードタイプで容量も適度にあるため、使い勝手も良い。ぜひ単体で発売してもらいたいアイテムだ。イヤーチップは、通常タイプと2段フランジの2種類あり、それぞれ3サイズ(S/M/L)付属する。

サウンドはフラット傾向ながら、演奏の機微まで描くエモーションタイプ

今回はAstell&Kernのハイレゾプレーヤー「A&ultima SP1000」と組み合わせて試聴。イヤーチップは2種類とも試して、耳穴への圧迫感がより少ないと筆者が感じた通常タイプを選択した。

回転させながらハウジングを耳にねじ込むと、まず装着感の高さに驚かされる。まるで耳と一体化したようで、重さを感じないのだ。カスタムIEMかと思うような自然なフィット感は耳への負担が少ない。

軽量かつカスタムIEMのようなフィット感を実現。長く装着していても疲れにくく快適

ちょうどレビューのタイミングで大阪に行く予定があり、片道3時間程度の長時間リスニングをしてみたが、疲れにくく快適に楽しめた。また密閉感が高くて音が抜ける感覚がないのもポイント。高いフィット感によって、高域から低域まで本機の実力を余すことなく味わえる。

まずは定点観測に使っている試聴曲から、ビル・エヴァンス・トリオの定番曲「Waltz for Debby(take2)」を再生する。音が出た瞬間、思わず「おお」と声が出てしまった。これは良い。サウンドは至って素直で、鮮度が高くエネルギーが漲っている。

次ページ楽曲の世界観まで描き出す、素直かつエモーショナルなサウンド

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