スペック強化ポイントを実際に試す

スモークガラスでも使える! ケンウッドの2カメラ型ドライブレコーダー「DRV-MR745」実力チェック!

会田 肇
2020年03月05日
カー用品で人気急上昇中なのがドライブレコーダー。特に人気なのが、前方だけでなく後方から迫ってくるクルマの様子を捉えてくれる「2カメラ型」だ。ケンウッドは、いち早くこれに対応した「DRV-MR740」を発売して人気を呼んでいた。そして、後部ガラスに多いスモークガラス対策を施した『リアレコ』こと2カメラ型の「DRV-MR745」も発売。その実力をレポートする。

DRV-MR745

MR745の基本スペックは、F1.8のレンズとフルハイビジョン記録(1920×1080)するセンサーなどと共にMR740と共通だ。しかし、実機を目にすると従来とは印象が大きく違うことがわかる。レンズ周りの“カメラ”部分が大口径化し、いかにも「周囲を捉えるぞ!」という感じが伝わってくるデザインとなったのだ。見た目のバランスもかなり良くなったとも言える。とはいえ、それだけでは見かけ倒しのチェンジになってしまいかねない。そこでMR745では大きく2つのスペックアップを施した。

レンズ周辺部を大きくデザインすることで、よりドライブレコーダーとしての存在を強調するDRV-MR745のメインユニット

1つは、後部ガラスに採用されることが多いスモークガラスに対応した「スモークシースルー機能」の搭載だ。

MR745のリア用カメラ。コンパクトで後方視界を妨げずに取り付けられるのがいい

スモークガラスは外部から内部を見えにくくする加工をしたガラスのことで“プライバシーガラス”とも呼ばれる。ただ、それだけにこのガラスの内側から撮影すると輝度は落ち、その分だけカメラの絞りを開くか、あるいはセンサー感度を上げる必要が出てくる。明るさが十分な日中ならレンズの絞りを開くだけで対応でき、むしろスモークガラスがカメラ撮影で使うPLフィルター効果が生まれてコントラストが効いた映像となる。これはこれで“棚ぼた”的なメリットにつながる。

メインユニットのモニターに表示する映像はワンタッチで切り替えが可能。前方/後方の映像を割り込ませて同時表示もできる

問題は明るさが不足する夜間だ。この時はスモーク処理をしていないフロントウインドウに比べてカメラの負担はどうしても大きくなる。センサーの感度を上げる必要があり、これが画像の甘さやノイズ発生につながってしまうのだ。この対策としてMR745に新搭載されたのが「スモークシースルー機能」というわけだ。これはケンウッドが初めて採用する注目の機能で、日中ではコントラストが効いたメリハリのある映像として捉え、夜間は白浮きを抑えて鮮明さを確保する注目の機能なのだ。

ではその効果を試してみよう。この機能はメニュー設定で「濃い」「薄い」「なし」と3種類から選択することができる。つまり、スモークガラスの有無や濃さに応じて最適なモードを選べるのだ。ケンウッドによれば、「濃い」に設定した場合は透過率13%の一般的なスモークガラスに対応するものになるという。今回の試乗では一番過酷な「濃い」で体験。その結果は解像度で若干甘さが発生するものの、感度を上げたときに生じやすい白浮きやノイズが上がっていないことがはっきりとわかった。

メインユニットで捉えたフロントの映像。青空を見ればわかるようにコントラストが高く発色も良好だ

スモークガラスを通して捉えたリアカメラの映像。逆光気味となった状態でも鮮明に後方車両を捉えている


メインユニットで捉えた夜間の映像。ヘッドライトが照射されない部分でも黒つぶれすることなく映し出している

リア用カメラで捉えた夜間の映像。スモークモードは「濃い」に設定。白浮きがなく夜間らしい鮮明さで捉えている

そして2つめのポイントがMR740よりも広い範囲を撮影できる広角レンズを採用したことだ。

従来モデルMR740のフロントカメラの画角は水平100度/垂直58度/対角111度と十分な広さを確保していた。それをMR745では水平122度/垂直63度/対角150度にまで拡大。映し出す範囲を大幅に広げて、より周囲の状況を捉えられるようにしたのだ。若干、周辺部で建物が湾曲するが、これだけの画角を確保すれば仕方がないところ。むしろ、直近まで近づいている車両がギリギリまで捕捉されており、これなら左右サイドから突っ込んでくる車両や歩行者の動きを捉えられる。ここまでの対応は、数あるライバル機の中でも群を抜く能力と言っていい。

MR745には他にも見逃せないポイントがある。それは、撮影した映像のクオリティが極めて高いということだ。ケンウッドのドライブレコーダーにはJVCのビデオレコーダーを開発した経験が息づいており、これが映像の質に反映されているのだ。しっとりとした映像は解像度も高く、ビデオカメラで撮影した映像と見紛うほどのリアルさを発揮している。グラデーションの再現応力も高く、その映像はまるで肉眼で見ているかのような自然さ。この美しさは最近のエッジを効かせて見た目の解像感重視の映像とは一線を画するもので、思わず見とれてしまうほど。ドライブの思い出を記録するのにも最適な一台と言えるだろう。

ドライブレコーダーとして、有効な機能も満載している。最近増えているLED信号に対しては、撮影周期を位置させないよう記録するフレームレートを27.5fpsに設定。無点灯状態になるのを防止している。また、2カメラ型としての機能を活かすべく、サイドの「画面切替/決定」ボタンを押す度に表示画面を切り替えられる。前方映像と後方映像を切り替えるのもワンタッチだし、それぞれの映像を割り込ませて同時表示することもできるのだ。高機能型ドライブレコーダーに増えているドライブアシスト機能も搭載しており、ドライブ中のうっかりミスを警告してくれる。

最後に付属するMicroSDカードは大容量32GBを採用したことも見逃せない。MR740では16GBだったが、本機ではその2倍となる容量を備えたのだ。映像品位が高いMR745だからこそ嬉しい配慮と言えるだろう。ドライブレコーダーはどちらかと言えば、万一のアクシデントを映像と音声で記録してくれる、言わばセキュリティ商品にも近い性格を持つ。それだけに本機のような信頼性が高い製品を選ぶというのも重要なポイントと言えるのだ。

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