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<CES>テクニクス初の完全ワイヤレスイヤホン「EAH-AZ70W」を聴いた!音質は?ノイキャン効果は?

山本 敦
2020年01月10日
2020年のCESはパナソニックが面白い。特にオーディオビジュアルでは有機ELテレビのフラグシップからHDR対応VRグラスの試作機までパナソニックの「画質」へのこだわりを貫いた骨太な製品が並び、テクニクスとパナソニックの両ブランドからは初の完全ワイヤレスイヤホンも発表された。

CESを取材しながら少し先の未来を便利にしてくれそうな先進技術に感銘を受けることもあるが、やはりすぐにでも買って試せる、あるいは体験できる製品と出会える喜びは大きい。こんな当たり前のことをパナソニックの展示に触れながら再確認した次第だ。

本稿ではテクニクスの完全ワイヤレスイヤホンのファーストインプレッションをお伝えしよう。速報ニュースでも注目されている「EAH-AZ70W」を短時間ながら音を聴いたり、ノイズキャンセリングと外音取り込みの効果を体験できたので、その印象を報告したい。

2色のカラバリが揃うテクニクス初の完全ワイヤレスイヤホン「EAH-AZ70W」

オーディオと電話の技術資産を活かす。詳細なシステム構成はまだ不明な部分も

テクニクスの完全ワイヤレスイヤホン「EAH-AZ70W」は“Dual Hybrid ANC”機能を搭載している。これは外側のマイクによるフィードフォワード側がデジタル方式、耳の内部を解析するフィードバック側がアナログ方式を使ってノイズの解析・消音処理を行うことを意味している。

パナソニックの担当者は「オーディオと電話、両方の製品を手がけてきたパナソニックの技術資産を活かす形を追求してたどり着いた技術」だと話している。アルゴリズムはパナソニック独自に開発したものを使うが、SoCやアンプ、DAC、ANC処理に用いるICチップなどシステム構成については情報を開示していない。

ドライバーは10mm口径のグラフェンコートをかけたPEEK振動板。ドライバー前後の空気の流れを精密にコントロールする「アコースティックコントロールチャンバー」を設けて、ダイナミックな振幅を実現する。チャンバーを設けたことがイヤホンのサイズも影響を与えていることはなかった。

音楽再生・ハンズフリー通話の操作は側面に設けたタッチセンサーで行う。このセンサーとBluetoothアンテナを共有する独自のアンテナ設計技術にも、パナソニックが電話製品の開発で培ってきた資産が活きている。

ペアリングした音楽再生機器との間の通信は、接続の安定性と低遅延、バッテリーの消費効率を高めるため左右同時接続方式を実現することに腐心したという。同社の担当者によると「クアルコムが現在提供しているTWS Plusは、オーディオ用SoCのQCCシリーズと最新のモバイル向けSnapdragonのSoCとペアリングすることが左右同時接続の条件になるが、EAH-AZ70Wはどんなプレーヤーにも左右同時接続ができることが強み」だと話していた。だからといって「クアルコムのSoCを使っていない」という明快な回答も得られなかった。

現時点ではテクニクス、パナソニックの両ブランドから発表されたイヤホンともにSoCの名前や詳細は明かされていないため、あとは引き続き日本発売の正式発表で明らかになる情報を待ちたい。なお今回の取材時点ではEAH-AZ70Wが対応するBluetoothオーディオのコーデックもわからなかった。

イヤホンの本体はIPX4相当の防滴対応なのでスポーツしながら使える。バッテリーはANCをオンにしてイヤホン単体で約6.5時間、ケースによるチャージを合わせれば約18時間になる。急速充電も可能だ。

ケースもコンパクトなので持ちやすい

中低域がガツンと来るパワフルな音づくりが特徴的

サウンドは展示説明用に準備されていたハイレゾプレーヤーを借りて聴いた。なお欧米での発売予定時期もまだ6月と少し先なので、音質はファイナルの仕上がりではないという。だからあくまで方向性を知るところまでに評価の方もとどめたい。音切れについても同様に現時点ではコメントを控えておきたい。

昨年末に発売されたハイレゾイヤホン「EAH-TZ700」の煌びやかな高域、立体的な低音のイメージを頭のどこかに残して試聴を開始したからだろうか、意外にも中低域が束になってガツンと押し寄せてくるようなパワフルな音づくりが特徴的だった。アグレッシブなロックやジャズ、EDMの音源によく合いそうだ。10mm口径のドライバーだが、本機には磁性流体は使われていない。個人的な好みから言えば高域の透明感はもう少し欲しいところだが、これからチューニングを練り上げて行く段階で変わってくるものと思う。

装着感は耳にしっかりとフィットするし、とても良かった。ANC機能を載せた完全ワイヤレスイヤホンも、2020年は「小型軽量」であることがひとつの競争軸になりそうな期待感がわいてきた。ケースのサイズ感もちょうど良いと思う。

ひとつ気になったことはタッチセンサーリモコンの感度がものすごく良すぎたことだ。装着時前後の誤動作を避けるためにも、もう少しバランスを整えてほしいと思う。

またANCの消音効果は高いのだが、筆者は少し内圧が気になった。外音取り込みをオンにした状態でもややANC効果が残っているような感じがしたので、もう少し外音側の明瞭度を上げる方向に振ってしまっても良さそうだ。

パナソニックのブランドから発売される完全ワイヤレスイヤホン(関連ニュース)は今回音を聴くタイミングを逃してしまったため、考察を加えるまでにとどめておく。“重低音ワイヤレスヘッドホン”のシリーズも同様だ。

パナソニックのANC機能を搭載する完全ワイヤレスイヤホン「RZ-S500W」

エントリーモデルの完全ワイヤレスイヤホン「RZ-S300W」

やはり注目株はパナソニックブランドから登場するANC機能を搭載する完全ワイヤレスイヤホンの「RZ-S500W」と、ANC機能付きのワイヤレスヘッドホン「RB-M700B」だろうか。どちらも北米での参考価格が179ドル(約2万円)になりそうだ。現在はプレミアムゾーンとして位置づけられている「ANC機能付き」の完全ワイヤレスイヤホンとBluetoothヘッドホンに、2万円の価格ゾーンができることは喜ばしくもあるが、ぜひ音質や機能など各社が製品の特色を前面に打ち出した“真っ向勝負”の競争が盛り上がってほしいと願うばかりだ。

ANC機能付きのワイヤレスヘッドホン「RB-M700B」

なお、いずれのモデルもCESの発表時点では日本市場への導入は「検討中」というステータスで案内されている。日本でも良い頃合いに出てくることを期待したい。

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