クライナの「ロングアームマウントシステム」とアーム交換で探る

【AEx2020受賞】JELCO最新世代のダイナミック&スタティック兼用トーンアーム「TK-950S」「TK-950L」の魅力

林 正儀

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2019年12月19日
「JELCO」(ジェルコ)は、アナログレコード再生用トーンアームやその周辺アイテムなどの開発と製造を行う、1920年(大正9年)に創業の市川宝石(株)のブランド。その伝統と技術による最新世代のトーンアーム「TK-950S」(ショート)と「TK-950L」(ロング)は、ナイフエッジ支持機構を採用し、同ブランド初のダイナミックバランス型システムを搭載。しかも2ウェイバランスシステムで、スタティックバランス型としても使えるのが最大の特徴である。

国内外のブランドへのOEM供給も含め、数多くの製品を製造してきた技術と実績が込められたその成果は、「オーディオ銘機賞2020」のアナログディスク関連のジャンルで入賞を果たした。ここでは “人気プレーヤーの簡単グレードアップテクニック” と、外づけダブルアーム化するクライナの新製品 “ロングアームマウントシステム” 、2つの使いこなしで、その魅力をレポートする。


■ジェルコのアームTK-950Sで人気プレーヤーを簡単グレードアップ

JELCO「TK-950S」ショートアーム(195,000円、税抜)

ジェルコの最新アーム、TK-950S(ショート)とTK-950L(ロング)は、軸受けにスーパースチール製の精巧なナイフエッジを搭載。垂直方向のベアリングステムによって低摩擦係数でかつ安定した滑らかなオペレーションができる。どちらもスタティックバランスとダイナミックバランスを切り替えて楽しめる、「2ウェイバランスシステム」が特徴のユニバーサルアームだ。

JELCO「TK-950S」ショートアームをラックスマンのプレーヤーPD-171Aに取りつけたところ。付属のアームとは互換性があるので、そのままグレードアップできる

アナログリスナーに朗報なのは、このTK-950Sショートアームが、ラックスマンの人気プレーヤー、PD-171AやPD-151をそのままグレードアップできる点だ。実際にPD-171Aで試そう。つけかえはいたって簡単。六角レンチ1本でできてしまう。ここではTK-950Sをダイナミックバランスにセットして聴き比べてみたが、のけ反るほどの大変化を感じられた。

女性ボーカルもクラシックも、TK-950Sではレンジが広がり、S/N良く晴れやかで見通し感が違う。手が届くというか、田中真由美のレコード盤『クワイエチュード』はライヴで聴いたイメージのまま、そこにいる感じで聴ける。グンと実像感が高まる。古楽器リュートの風のように繊細な響きや弦の振るえ。息使いが素晴らしくリアルで、平面っぽかったステージが立体的に変化する。見通しが明らかにアップして、楽器の配置まで分かってしまう違いに驚いた。

プレーヤーそのものを換えたといっても言い過ぎではない。10人が10人とも手を挙げる変化だろう。カートリッジは換えるがアームは換える気がしないという人にこそ、お薦めしたい。手頃な価格も魅力だ。

クライナの「ロングアームマウントシステム」で憧れのダブルアーム化を体験

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