【特別企画】“質”にこだわるブランドの注目機

音質は期待通り、完成度はそれ以上。Noble Audio初の完全ワイヤレス「FALCON」ハンズオン

編集部:成藤 正宣

前のページ 1 2 次のページ

2019年10月11日

押しボタン式を使うメリットは「確実」、これに尽きる。ボタンを押せば手応えとクリック音が返ってくるので、きちんと入力できたかどうかはっきり分かる。タッチ式はタッチ式で、クリック音が響かない、操作する時に耳への圧迫が少ないといった良さがあるが、触った後に操作が反映されるまで若干のタイムラグがある。押しボタン式ならこのラグがない分、ストレスは小さい。

メカニカルな方式のコントロールボタンは、押したかどうかはっきり分かる

また、誤って押した時、すぐ気付くことができるのも押しボタン式の長所といえる。タッチ式完全ワイヤレスイヤホンを外して手に持っている時、うっかりセンサーに触れ続けてリダイヤル機能を呼び出したことのある筆者としても、個人的に安心できる仕様だ。

その他ハウジングまわりでは、IPX7等級の防水設計も特筆すべきだろう。「水深約1mに30分間浸けても動作に影響がない」という国際基準を満たしており、つまりうっかり水の中に落としても、すぐに拾いあげて水気を取れば十中八九問題なく使い続けられるのだ。

バッテリーは、音量70%で約10時間の連続再生ができる。ケースにしまい忘れたまま寝ても、翌日まだ使えるくらいの十分な持ちだ。ケース内蔵バッテリーも、イヤホン本体を約3回分フルに充電できる容量。さらにイヤホン/ケース共に急速充電対応で、イヤホンは約1時間、ケースは約1.5時間で満タンにできる。こまめな充電に煩わされることはないだろう。

FALCONのケース。充電端子はUSB Type-C、バッテリー残量を示すLEDも搭載している

ケースとイヤホンはマグネットでも固定される。蓋を開けただけで、ポロリとこぼれ落ちる心配もない

自信通りの音飛びしにくさ。専用アプリやアップデート機能も控えている

有線イヤホンにはない、完全ワイヤレスイヤホンならではの悩みが「無線の繋がり」。とてつもない数の無線通信が行われている街中で、音切れゼロ、というのも正直難しいが、とはいえ数秒に1回のペースで断続的に音が飛んだり、あげく片方が完全に沈黙してしまうようでは、イヤホンとして “ナシ” だろう。

FALCONでは、Bluetoothの制御にクアルコム製チップセット「QCC3020」を採用すると同時に、Bluetoothの帯域に最適化したというアンテナ設計技術「High Precision Connect Technology」を導入することで、接続の安定性に自信を見せている。コーデックは、aptX/AAC/SBCと多くの端末で通用する3種類を押さえてある。

その自信のほどを試すため、JR秋葉原駅 中央口改札〜ヨドバシAkibaの一帯にFALCONを持っていった。ここは時間帯にもよるが、ひと昔前の完全ワイヤレスイヤホンを着けて入り込もうものなら、上で挙げたような激しい症状を引き起こし、音楽を聴くどころではなくなる過酷なエリア。

しかし、aptXおよびSBCでスマホと接続したFALCONは、こんな環境でも基本的に安定して音楽を再生できた。音切れはゼロではないがまれで、1、2度音が途切れた後にすぐ持ち直す。これまで試してきた中でも、トップクラスに“粘る”完全ワイヤレスイヤホンだ。

電波干渉の多いエリアでも接続性を維持できた

通勤時間から休日の昼間まで、複数の時間帯で電車内でもテストしてみたが、スマホからの電波が人の体で物理的に遮られてしまう満員状態でもないかぎり、こちらも同じように良好な接続性を発揮していた。

QCC3020の採用に関連して、FALCONは購入後でも機能を向上させる手段を備えている。ひとつは発売後に用意されるスマホアプリ。Android/iOS どちらからでも利用できるこのアプリを使うことで、コントロールボタンで呼び出す機能を変更したり、イコライザーで音のバランスを自分好みに変えるなどカスタマイズができる予定だ。

ボタンで呼び出す機能やイコライザーをカスタマイズできるアプリが、Android/iOSどちらにも用意される予定だ

もうひとつが、アプリを経由して行うファームウェアアップデート機能だ。QCC3020に組み込まれた制御用プログラムを書き換えることで、発売後でも新機能追加や不具合の修正ができる。実際、すでに市場にある製品のいくつかでも、特定のスマホと繋いだときだけ音切れが多い、スペックより電池の減りが早い、というような想定外の事態にファームウェアアップデートで対応している。FALCONも同じように、発売後もユーザーごとの悩みを解決していけるはずだ。

明瞭だが優しい、自然で聴きやすい音質

さて、最も気になる音質面だ。FALCONは、ドライバーに樹脂とカーボンファイバーの2層振動板を採用した6mm径の「Dual-layered Carbon Driver」を搭載するとともに、ドライバーやフィルターの配置などアコースティックな面から、チップセットのプログラムで調節するデジタルな領域まで、チューニングのすべてをモールトン氏が監修している。

そうして整えられたサウンドは、とても自然で聴きやすい。分離のよさと繊細さを備えた高音域は、複数の旋律が重なっても無理なく聴き分けられる。低音域は耳あたり柔らかでありながら芯を残し、やや多めの量感で楽曲の土台をしっかりと形づくっている。ひと言で表せる派手なものではなく、聴き込んでいるうち不意になかなか飽きが来ないことに気づく、そんな落ち着いた魅力がある。

試聴では筆者が所有するAndroidスマホとiPad miniから、Amazon Music、Apple Musicを使い、解禁されたばかりの楽曲、新譜を中心に再生した。荒井由実「中央フリーウェイ」、Perfume「レーザービーム」、上原ひろみ「スペクトラム」、マイケル・ジャクソン「Billie Jean」等々、年代もジャンルもさまざまな楽曲を選んでいったが、ギターや電子音は明瞭に、女性ボーカルは繊細に、ベースやオルガンは柔らかくも厚みのある感じで、ゆったりと聴いていられる。

音の明瞭さと広がりに優れ、じっくりと音楽を聴き込んで飽きが来ない

なかでも、ユーミン楽曲のようなリバーブの多い音源や、楽器の周囲の空気感まで収録した音源を聴いていると特に心地よさがある。音が余韻を残しつつ拡散していくさま、周囲に広がっていくさまがとても優しく、包まれるような感覚だ。完全ワイヤレスイヤホンでこのような表現ができるモデルは、まだまだ貴重なのではないだろうか。



“質” にこだわってきたイヤホンブランドが満を持して送り出す完全ワイヤレスイヤホンは、期待通りの音質もさることながら、装着感、接続性、機能性まで練り込まれ、群雄割拠のジャンルに飛び込んでも見劣りしない完成度を備えている。

音質以外の機能性も入念に作り込まれた完全ワイヤレスイヤホンだ

FALCONのクラウドファンディングは、先に述べた「紛失安心補償サービス」が1回分無料で受けられる特典付きで、10月14日まで実施中。10月下旬には実際に支援者の手元に届く予定となっている。もう支援済みの方も、これから支援を考えている方も、期待して損はないはずだ。


(企画協力:エミライ)

前のページ 1 2 次のページ

関連記事