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【特別企画】完全ワイヤレスイヤホンデビューに

7千円以下でこのクオリティ!高機能・高コスパ完全ワイヤレス・SOUL「ST-XX」レビュー

2019/08/21 海上 忍
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最新の機能&高音質を詰めこんだカラフルなコンパクトボディ

完全ワイヤレスイヤホンが、年齢や性差を超えて人気を集めている。スマートフォンにおける3.5mm端子廃止が追い風となったことは確かだが、左右のユニットをつなぐケーブルすら存在しないという身軽さ、わずらわしさのなさが人気を集めた決定的な理由だ。

SOULは、この完全ワイヤレスイヤホンに強みを持つブランドだ。新規開発に積極的な企業風土のもと、最新技術を積極的に取り入れ、製品の形にまとめあげている。進化のスピードが著しいBuletooth/ワイヤレス分野、特に完全ワイヤレスはメーカーの開発力・企画力が問われるところで、SOULの持ち味であるフットワークの軽さが製品の魅力につながっている。

この「ST-XX」は、SOULが考える完全ワイヤレスイヤホンの“あるべき姿”を具現化した製品といえる。あるべき姿とは、最新の機能をできるだけコンパクトに音質を保ちつつまとめる、ということだ。

SOUL「ST-XX」(税抜6,980円)

イヤホン本体のサイズは24×14×20mmと成人女性の指先程度、装着しても耳から飛び出して見えないほど。重量もわずか4グラムと、小型・軽量を追求している。

そのコンパクトさの理由のひとつが樹脂製のハウジング。カラーバリエーションはマットブラックにピュアホワイト、ネイビーブルー、レモンイエロー、ラズベリーレッドにサクラピンクの6色。曲線を生かしたデザインはシンプルで気取らない。ミニマルでポップ、カラフルで愛嬌のある雰囲気だ。

ネイビーブルー/ピュアホワイト/サクラピンク/レモンイエロー/ラズベリーレッド/マットブラックのポップな6色をラインナップ。様々なカラバリを揃えるイヤホンはあるが、イエローとレッドが両方用意されているのはめずらしく、「ST-XX」のポイントのひとつとなっている

反面、タフさも兼ね備えている。ハウジング表面にはナノコーティングが施され、IPX5相当の防水性能を実現。IPX5準拠ということは、あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がないわけで、突然の降雨に慌てる必要はないし、飛び散る汗にも耐えられる。

機能面も充実。ハウジングにはタッチセンサーが内蔵されており、タップで曲の再生/停止、ダブルタップで曲送り、トリプルタップでスマートフォンの音声アシスタント機能(Siri/Googleアシスタント)を呼び出せる。内蔵の小型マイクで取り込んだ周囲の音を聞くトランスペアレンシー機能も、2秒間触れるだけで起動できるから、電車内で突然アナウンスが流れたときなど重宝するに違いない。

ハウジングにはタッチセンサーが内蔵されており、各種操作が可能。充電ケースから外すだけでペアリングモードに移行し、一度ペアリングすれば後は自動で接続してくれるのも便利だ

充電ケースはよく考えられている。40W×34H×40Dmmという指輪の箱ほどのボディに410mAhのバッテリーを内蔵、最大3回の充電/合計20時間使用可能と基礎体力はじゅうぶん。端子はいまどきのUSB Type-C、バッテリー残量は背面にあるLEDの点滅回数でわかる。側面の布製ループにカラビナを通せば、バッグなどにぶら下げて使うことも。イヤホン本体の収納部分をマグネット式にしたのは、逆さまにしても落下しないようにする配慮だろう。

ケースは手のひらに収まる超コンパクト設計だが、充電回数は3回と多い。イヤホン単体で5時間再生、充電込みで20時間もの再生を実現している

付属品はS/M/Lのイヤーチップに加えて、高速充電が可能な充電用のUSB Type-Cケーブルを用意

音質面では、ネオジウム磁石の6mmダイナミックドライバーを採用。サイズの制約が大きい完全ワイヤレスイヤホンでは、より小さい口径のドライバーを積む製品も珍しくないが、このコンパクトなハウジングで6mmという口径はSOULの設計力、デザイン力だろう。


装着感良し、機能良し、音質良し。それでいて価格は7,000円以下!

全体的な音の傾向は、フラット指向でありつつも低域を意識しているよう。低域は大迫力とまではいかないものの力強く、確かな芯とスピードを感じさせる。バスドラムを踏み込む音はキレよくもたつかず、フロアタムの音も輪郭が滲まない。ベースもボヤけることなく、スラップさせたときの弦の金属感も悪くない。中域には張りがあり見通し良好、ハツラツとしたボーカルはJ-POPにうまくマッチしそうだ。

それにつけても、装着感がいい。ハウジングの小型軽量化が奏功したか、耳もとで存在を強く主張しないのだ。ある程度の異物感はカナル型イヤホンの宿命だが、髪をかきあげたときなどに誤って触れてしまうことも少ない。大きく突き出た完全ワイヤレスイヤホンは、正面から見るとフランケンシュタインのようだと揶揄されることもあるが、このST-XXに限ってそのような心配はないだろう。

イヤホン部は4gと軽量設計。付けていることを忘れるくらいフィット感が高い

売りのトランスペアレンシー機能は、街中で効果を発揮する。電車で移動中にST-XXで音楽を聴いているときに臨時停車したため、ハウジングを2秒押さえてトランスペアレンシーモードに切り替えたところ、音楽を中断させずに車内アナウンスを聞くことができた。完全ワイヤレスイヤホンの場合、うっかり落とすと即紛失というシチュエーション(駅のホームなど)が少なくないので、なるべく外さずに外の音を聞けるこの機能は積極的に活用したいものだ。

そしてもうひとつ、ST-XXには「価格」という大きなアドバンテージがある。この際音質は横に置くとして、耳もとへの負担が少ない小型軽量ハウジング、IPX5の防水機能にトランスペアレンシー機能、連続再生20時間に対応する小型充電ケースまで揃って6,980円(税抜)という価格は圧倒的だ。シンプルなデザインに6色のカラーバリエーションなど年齢や性差を超えてアピールする要素もあり、快進撃は間違いなさそうだ。


※本記事は「PREMIUM HEADPHONE GUIDE<2019夏版>」所収記事を転載したものです

(協力:モダニティ)

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