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【特別企画】独自技術「WARPシステム」が実現

イヤホンの“空間表現”が変わる。Artio「CR-V1/M1」が描く超立体サウンドをレビュー

公開日 2019/07/10 12:00 高橋 敦
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実際これは特殊すぎる例とは思うが、他にも例えばアコースティックジャズのワンポイント録音音源であるとか、空間性重視で録音された音源は全般的に、これまでにない立体感で聴くことができた。

一方で、一般的な録音やミックスのポップスやロックでは効果がないのか?というと、そんなことはない。早見沙織さん「メトロナイト」や相対性理論「夏至」といったバンドサウンドでは、ボーカルや各楽器を大柄に描き出してくれるのだが、それでいてボーカルと楽器が密集したようにはならず、スペースの余裕を感じられる。左右の広さだけではなく前後の奥行きも使って、それぞれの音の立ち位置がダブらないように配置されたミックスの意図を的確に再現できているからだろう。

ディレイやリバーブなど「空間系」エフェクトの見え方はもちろん見事だ。Robert Glasper Experiment「Human」は、エレクトリックサウンドによるバーチャルな空間表現がされている作品だが、その再現が実に豊かだ。

V1はよりきめ細かい印象、M1は伸びやかなベースが特徴

WARPシステムによる空間表現の素晴らしさは、下位モデルのCR-M1でも同じく実感できた。もちろん、より正確な左右バランスを実現するs.n.a技術がある分、厳密にはV1の方がやはり有利ではあるものの極端な違いではない。CR-V1とCR-M1の選び分けは、イヤホンの音の好みと予算次第でよいだろう。

CR-V1は、フロントハウジングのチタン合金のおかげか、音の手触り感がよりきめ細かい印象。前述の悠木碧さんの声では特にわかりやすく、軽く歪んだクランチサウンドでのギターカッティングなど、楽器の音色の質感もよく届けてくれる。「Human」のディープな低音のベースを大きく出しつつ、ブレさせない制動感も持ち味だ。

CR-V1のフロントハウジングにはチタン合金が採用される

一方CR-M1では、声にせよ楽器にせよ、音の出し方がよりストレートだ。それでいて高域の刺さりがないところは、さすがArtioである。低音はCR-V1よりもおおらかに響かせ、ポップスやロックのベースを伸びやかにドライブさせてくれる。

ベースを伸びやかに再現するCR-M1

音の印象の違いはあるものの、前途したWARPシステムによる立体空間表現はどちらのモデルでも存分に楽しめる。「音の感触とか細かなニュアンスの違いは実際に聴いてみないことには判断できないけど、WARPシステムの空間表現をとにかく体感したい!」という方は、どちらのモデルのクラウドファンディングプランに出資するかを単純にお財布事情で決めても、その点で大きな後悔をすることにはならないだろう。さらにどちらも試したい!という方には、150個限定で「CR-V1+CR-M1セット」(価格32,820円/税込)も用意されている。

写真左「CR-M1」15,000円(税込/定価)、写真右「CR-V1」39,700円(税込/定価)

CR-V1/M1への出資は、単なる高級イヤホンへの出資ではない。イヤホンから生み出されるこれまでにない新たな音響空間、それをいち早く体験するための出資だ。それはイヤホンファンにとって十分すぎるリターンと言えるだろう。>クラウドファンディングのプロジェクトページはこちら

(特別企画 協力:TTR株式会社)

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