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接続性・安定感・操作性も強化

Skullcandy「PUSH」を侮るな! 完全ワイヤレスイヤホン随一の“パワフルな圧”を徹底検証

公開日 2019/03/25 06:00 折原一也
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3つ目は “操作性” だ。「PUSH」を充電ケースから取り出すと自動で電源が入り、左右のイヤホンのペアリングまで自動化。電源ケースに入れると電源も切れるという操作性を確保する。「PUSH」のイヤホンは左右ともにボタンを搭載しているが、どちらも大きめで装着したままでも押しやすい。

充電ケースとイヤホン本体。左右に配置されたボタンで音楽再生操作などが可能。ハンズフリー通話やAIアシスタントの呼び出しにも対応する

イヤホンからの音楽再生の操作はイヤホン左右1回押しで再生/停止、2回押しで音量操作、3秒押しで曲送り/曲戻しが割り当てられている。またイヤホン左右どちらでもボタンを3回タップすると、スマホのAIボイスアシスタントを呼び出すことができる。

ほかにはない “パワフル” で “圧” のある低音再生

さて、ポータブルオーディオファンとして、もっとも気になるのは音質だろう。「PUSH」は冒頭に説明した “境界線のないサウンド” というキャッチフレーズのほかに、日本独自で “パワフルなフルワイヤレス” というサブキャッチを採用している。実際、この価格帯の完全ワイヤレスイヤホンとしては最大級となる、直径9.2mmのダイナミック型ドライバーを搭載することで、迫力のある低音再生能力に期待ができる。

実際に宇多田ヒカル & Skrillexの「Face My Fears (Japanese Version)」を聴いてみると、女性ボーカルの歌声をややハスキーな歌声でシャープに引き立てつつ、ピアノの音色も骨太に存在感をもたせて鳴らすパワー志向のサウンドだ。音楽として破綻する極限まで攻めるような “圧” を感じる重低音サウンドは、今までワイヤレスのイヤホンでは聴いたことがない水準だ。

そんな「PUSH」だけに、ダンス系ミュージックの洋楽との相性がよく、ブルーノ・マーズ「24K Magic」では重低音にエネルギーを集中されたようなパワー感、そして音圧とグルーブで音楽の世界にグイグイと引き込んでくれる。ボーカルや中高域は音の粒立ちをハッキリとさせたサウンドで、包囲感も明瞭に感じさせる。

あいみょんの「マリーゴールド」を聴いても、ベースの低音域をたっぷりとした音圧で満たしつつ、女性ボーカルの若干ハスキーな歌声、エレキギターの音色なども上手く描き分ける。ブラッドリー・クーパーとレディ・ガガが歌う映画の主題歌「シャロウ 〜『アリー/ スター誕生』 愛のうた」では、アコースティック・ギターの音もしっかりと存在感のあるサウンドで鳴らすとともに、ライブ会場の観客の歓声もハッキリと存在感を出す。声のニュアンスも明瞭に鳴らしてくれた。

スカルキャンディー初の完全ワイヤレス「PUSH」を侮ってはいけない。接続性や装着性といった実用面での完成度はなかなかのもの。音質だけをとってみても、 “圧” のある低音、 “パワフルな完全ワイヤレス” を求める人には必聴と言える個性を持っている。

(折原一也)

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